東京・ミニシアター生活

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真っ当な人生からこぼれ落ち、犬とともに生きるアウトサイダーのバイオレンス・アクション。主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ（『ゲット・アウト』『スリー・ビルボード』）。仕掛けのあるアクションシーン、犬との共演、さらに女装のステージと多くの見せ場があるなかで、一貫してしたたかで哀しい男の生き様を作り上げている。共に生きる仲間には、さまざまな犬種が登場し、驚きの演技を披露する。リュック・ベッソン監督・脚本の最新作。

2024年3月8日（金）新宿バルト9 ほか全国ロードショー

新たなダークヒーロー“ドッグマン”

新たなダークヒーロー“ドッグマン”。90年代にレオン、ニキータを生んだリュック・ベッソンが、今新たに誕生させた哀しくも魅力的な主人公だ。

物語の冒頭、ボロボロに傷つきながら車に乗っていた女装の男が、警察の検問に引っかかる。それが彼、ドッグマンことダグラスだ。車の荷台にはたくさんの犬がいた。

夜中の拘置所で、女装の彼をどう扱うか困り果てた警察は、精神科医の女性・デッカーを呼び出し、対面させる。迷うことなく「人間より犬を愛している」と話すダグラス。なぜそんな生き方をしているのか、ダグラスの口からその数奇な半生が語られる。

諦めと欲望の狭間で葛藤しながら、真摯に生きる男の壮絶な選択と運命は、ダークファンタジーでありながら、生々しい苦しみが胸に迫ってくる。

ドッグマンを体現　ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演

本作の最大の魅力はリュック・ベッソンの生み出したキャラクター“ドッグマン”を見事に体現したケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演だろう。哀愁、狡猾さ、狂気、純真さなどさまざまな顔を見せ、複雑なバランスをとりながら、闇の中でのみ光り輝く人物像を浮かび上がらせる。

少年から青年期に誰もが抱くであろう夢や恋を通過しながら、やがて自ら人間を愛することを諦めるというプロセスにも説得力がある。女装でのステージシーンも圧巻だ。

脇にも濃く魅力的なキャラクターは多く登場するが、誰にも食われることなく、常に観客を引っ張り続ける強烈な存在感。本作をきっかけに、今後ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの注目度は、より上がっていくことになるだろう。

感情表現からアクションも…犬たちの名演

主人公を演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズの怪演とともに、犬たちの名演も本作の大きな特徴だ。さまざまな犬種が集い、さまざまな役割をそれぞれがしっかりと担わせるというのは、指導をするドッグトレーナーにとって至難の技だという。

物語上、犬たちは、さまざまな場面で“ドッグマン”ダグラスを救う。不幸な少年時代からアウトサイダーへと変貌する男の人生に寄り添う犬たちは、賢く優しく立ち回り、ときには敵に襲いかかる。つまりある場面では犯罪や暴力に加担することになり、それはまた、本作の見せ場でもある。

犬はたくさん登場し活躍するのだが、ただ「犬好き」という方にはショックを与えるかもしれない。ゆえに「犬の演技」に興味がある人におすすめしたい作品なのである。

作品ニュース

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ビルボードライブ東京でエリック・セラ公演

『DOGMAN ドッグマン』の他にも多くの映画音楽を多く手がけてきたエリック・セラが、来日公演を行うとのこと。詳細はビルボードライブ東京へ。

📢『DOGMAN ドッグマン』公開に合わせて、#エリック・セラの来日公演決定🎶

「An Intimate Evening with
ÉRIC SERRA & RXRA GROUP」

📍ビルボードライブ東京
🕐3日間 3/27(水) 28(木) 29(金)

公式アカウント👉@ericserra_jp
詳しくは👇https://t.co/Rfu6bIP8pX
— 『DOGMAN ドッグマン』公式🐶 (@dogman_jp2023) 2024年3月7日

オススメしたい『DOGMAN』

リュック・ベッソンが生んだ新たなダークヒーロー
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの見事な怪演
あらゆる犬種、多くの犬たちの名演
エンタメの醍醐味たっぷりの演出多数！

『DOGMAN』作品情報

【あらすじ】
ニュージャージー州、ニューアーク。ある夜、警察の検問に止められた１台のトラック。運転席には負傷し、女装した男。荷台には十数匹の犬。“ドッグマン”と呼ばれるその男は、半生を語り始める。犬小屋で育てられ暴力が全てだった少年時代。犬たちの愛に何度も助けられてきた男は、絶望的な人生を受け入れて生きていくため、犯罪に手を染めてゆくが、“死刑執行人”と呼ばれるギャングに目を付けられて……。

脚本・監督：リュック・ベッソン
出演：ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジョージョー・T・ギッブス、クリストファー・デナム、クレーメンス・シック　ほか
原題：DOGMAN
配給：クロックワークス
＜2023年／フランス／カラー／シネマスコープ／5.1ch／114分／英語・スペイン語／PG12＞
日本語字幕：横井和子

2024年3月8日（金）新宿バルト9 ほか全国ロードショー