東京・ミニシアター生活

主に都内のミニシアターで上映される新作映画の紹介をしています。

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【9/28公開】『バオバオ フツウの家族』ダブル妊活…思いもよらぬ運命が待ち構える、同性婚カップルたちの悲喜こもごも

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2019年、アジアで初めて同性婚認める法案が可決…そんな台湾から届いた、フレッシュなLGBTQ作品。 自らの体で新たな命を授かることを望んだ、レズビアンカップルとゲイカップルが4人で結託し、妊活に奮闘。子どもを授かるも、運命に翻弄され、4人はすれ違いながら、さまざまな思いに駆られていく。日本人俳優の蔭山征彦が、メインキャストの1人を好演している。

2019年9月28日(土)新宿 K’s cinema ほか全国順次公開

4人の思いが一つの子宮にのしかかる

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 せっかく念願の子宝に恵まれながらも涙に暮れながら、単身故郷に向かう女性・シンディ。大きく膨らんだお腹を抱え、美しい顔を涙で濡らしながら荷物を運ぶ姿が健気に映る。

本作はそんなシーンから始まり、過去と現在が交錯しながら、ここに至る事情がわかってくる。シンディのお腹にいるのはだれの子どもなのか? なぜそんなに傷つき、不安と猜疑心にかられているのか?

「自分の子どもが欲しい」と願った女性同士のカップルと男性同士のカップルの出会い。そして迎えたさまざまな成り行きから、子どもを望む4人の思いは、シンディ1人の子宮に大きくのしかかっていく。果たしてシンディは無事に出産することができるのだろうか? そしてその子は誰が育てるのか?

やがて混乱の中から、4人は友情やパートナーの真意を知り、自らの生き方を見つけ出していく。そんな深い人間ドラマを見せてくれる作品だ。

 台湾でマルチな才能を発揮する日本人・蔭山征彦も

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メインキャスト4人の男女に注目が集まっている本作。

キュートなシンディを演じるのは日本人とフランス人の両親の間生まれ、司会者として人気のエミー・レイズ。そしてパートナー、ジョアンヌ役には、幅広い作品で活躍し、今回はクールな佇まいが魅力の女優、クー・ファンルー。

互いを思う2人の愛の深さが伝わってきて、自然と応援したくなってくる。そしてなんといっても、うっとりするほど美しい2人は、とても魅惑的なレズビアンカップル。

一方、男性カップルの1人チャールズ役を演じているのは、台湾に渡った日本の俳優、蔭山征彦。2004年に台湾のドラマでデビューした䕃山は、俳優としてだけでなく、脚本家としても台湾で活躍している。

䕃山は、深い洞察力で脚本を読み込んでいるためか「紳士的ながら狡猾でもあり、可愛らしさも併せ持つ」という複雑で魅力的なチャールズというキャラクターにぴったりハマっている。

また文才を生かし、本作の一部のセリフは自ら考えて、採用されたという䕃山。もしかしたら今後、大谷亮平やディーン・フジオカのように“逆輸入俳優”として、日本のお茶の間に馴染むことになるかもしれない。本作はそのきっかけになりうるだろう。

そしてチャールズのパートナー、ティム役にはツァイ・リーユン。近年では文芸色の強い話題作に次々と出演し、キャリアを積んでいるという実力者。

本作では4人とも同性同士のカップルを演じているが、同性であるとか異性であるということを超え、観客はそれぞれのカップルを、ごく一般的なカップルとして微笑ましく見守ることができるだろう。

同性婚カップルと家族、そして仕事や経済状態

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青春映画の味わいはありつつ、主人公は大人たちである本作。もちろん当事者の恋愛、情緒的な面がしっかりと掘り下げられているが、さらに家族の問題、経済的な問題など、周辺の事情やリアルな暮らしについても描かれる。

近年では、世界のあらゆる地域で、同性のカップルや不妊治療への社会的理解は深まっているようだ。しかしながら、もっとも近い「家族」に限って、そうした事情を受け入れてもらえない、という悲劇が、現実にもあるだろう。

家族や周りからの理解、そして関係について。さらに働くことや経済事情など、リアルな部分についても描かれるので「同性愛者として生きて行くこと」が、異性愛者にもより身近に感じられ、本作のエピソードはいずれも当事者感覚で胸に響くだろう。

作品ニュース

トークショー付き上映

上映後、さまざまななゲストによるトークショーが予定されている。

 

 

オススメしたい『バオバオ フツウの家族』

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  • LGBTQ当事者の悩み・思いにリアルに触れられる
  • フレッシュなキャストの中に日本人俳優・蔭山
  • 純粋な恋愛映画として感情移入できる
  • 「家族」の意味を考えるきっかけに

コメディでもあり深い感動も呼ぶ、美しくもリアルなLGBTQ映画。タイトル「バオバオ」は赤ちゃんを意味している。

『バオバオ フツウの家族』作品情報

【あらすじ】
ロンドンの会社で働くジョアン(クー・ファンルー)と取引先の友人チャールズ(蔭山征彦)には、それぞれ画家シンディ(エミー・レイズ)と植物学者ティム(ツァイ・リーユン)という同性の恋人がいる。
4人はそれぞれの想いからシンディの子宮を借りた妊活に同意し、チャールズとティムの精液を採取してシンディの子宮に注入するのだが一向に妊娠しない。思い余った4人は病院での体外受精を決断、ようやく子宝に恵まれるが…。

監督:シエ・グアンチェン(第1回長編監督作)
出演:エミー・レイズ、クー・ファンルー、蔭山征彦、ツァイ・リーユン、ヤン・ズーイ ほか
原題:親愛的卵男日記
英題:BAOBAO
配給:オンリー・ハーツ/GOLD FINGER
<2018年/台湾/97分/カラー/1:1.85>
2019年9月28日(土)新宿 K’s cinema ほか全国順次公開
©Darren Culture & Creativity Co.,Ltd.

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(本ページの情報は2019年9月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

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