東京・ミニシアター生活

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【9/17公開】『由宇子の天秤』真実を求め正義に突き進もうとする主人公を通し「正しさとは何か」を問う問題作

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ドキュメンタリーと見紛うような緊迫感と衝撃のなか、観る者に「正義とは何か」「何が正しいのか」を問い続けながら人間の本質を浮かび上がらせる、濃厚な人間ドラマでもある、社会派サスペンス。
数年前に起きた女子高生いじめ自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子は、自分のすぐ身近なところで起きていた「ある真実」に気づく。彼女が正義を貫き、大切な人を守ろうと行動を起こすことにより、自らが事件の当事者となっていく。
主人公由宇子を演じるのは映画でもテレビドラマでも活躍中の旬な女優、瀧内公美(『火口のふたり』)。監督は本作が長編2作目となる春本雄二郎(『かぞくへ』)。プロデューサーには片渕須直(『この世界の片隅に』)も名を連ねる。
2021年9月17日(金)渋谷ユーロスペース他全国順次ロードショー

「誰もやらないなら自分がやる」信念を貫く泥臭いヒロイン

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本作の主人公・木下由宇子は、ドキュメンタリーディレクター。数年前に2人の自殺者を出した「女子高生いじめ事件」を追い、当事者たちに真摯に寄り添って取材を重ね、真実に迫りつつあった。しかし、彼女の制作したドキュメンタリーフィルムを、テレビ局のプロデューサーは都合のいいように改変するためにナレーションの変更を求めてくる。そんな圧力にも抗い、由宇子は日々戦っている。

彼女の原動力は野心ではなく「誰もやらないなら自分がやる」という使命感なのだろう。強く正しくあろうとする彼女の表情に浮かんでいるのは、ナルシシズムではなく、むしろ貧乏くじを引いても意地を張ろうとする泥臭さだ。

そんな由宇子を演じるのは、現在、映画界で高い評価を受け、テレビドラマでも引っ張りだこの女優、瀧内公美。容姿を武器にするタイプの女性も多く演じてきたが、今回はその華やかさを封印、地味なファッションに身を包み、鼻っ柱の強い由宇子というキャラクターに入り込む。

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共演には、波乱を生む高校生めい(萌)役に河合優実(『サマーフィルムにのって』)、近年の日本映画でおなじみの川瀬陽太(『ローリング』)、松浦祐也(『岬の兄妹』)、和田光沙(『岬の兄妹』)ら、さらに光石研、丘みつ子というベテランも加わり、それぞれが重要な役どころを演じる。絶妙なバランスのキャスト陣が、持ち味を生かしながらもリアルさを追求。そこに生じた大きなうねりは、クライマックスまで続いていく。

由宇子の私的な生活空間、父が経営する学習塾で

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由宇子は、ドキュメンタリーディレクターだけでなく、父が経営する学習塾の講師としての顔も持つ。講師としての役割は果たしつつ生徒たちに打ち解け、こちらでは由宇子も和らいだ表情を見せる。こじんまりとした学習塾は生徒たちとの距離が近く、面倒見のいい由宇子にとって、家族や家庭同様の空間なのかもしれない。

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ところが突然「こちら側」で大問題が発覚。続いて由宇子は父から、衝撃的な真実を聞かされることになる。動揺し悩みながらも、問題解決のために立ち回り、由宇子は、正しい道を選択しようと奮闘する。しかしそんな彼女を裏切るかのように、状況は悪化、さらに新たな疑惑が沸き起こり、由宇子はがんじがらめになっていく……。

やがて言えない秘密を抱え、「噓も方便」へ転んでいく

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公私共に真摯に問題に取り組み、弱者を思いやって行動を起こしてきたはずの由宇子だが、あくまで軌道修正の「方便」のつもりだった「嘘」が足かせになり、微調整のはずだったバイヤスは伸び伸びになり、グレーが黒になるどころか、目の前でオセロの駒がひっくり返っていく。しかも、プライベート側の学習塾での事件に暗雲が垂れ込めると同時に、ドキュメンタリーディレクターとして追ってきた事件までも、雲行きが怪しくなり始める……。

客席からドキュメンタリー作品を観るかのように由宇子の行動を追うことができるなかで、観客であるあなたはどこまで彼女に共感するだろうか。おそらくそれは、観る人によって大きな開きがあるだろう。「彼女はあそこで判断を誤った」「いやもっと早い時点だろう」そんな論争が起こるかもしれないし、最初から由宇子の正義感に圧倒されている人もいれば「それは正義ではない」と感じる人もいるだろう。

しかし何れにしても、本作の結末を見届けたとき、観客はみな一人ひとりが考えるべき「大きなお土産」を託され、劇場を後にすることになるだろう。

作品ニュース

春本監督&プロデューサー片渕須直、初日トーク

初日9月17日金曜日、春本監督と片渕須直監督のトークイベントあり。まだ若干チケットあるようです。

 

春本監督が主宰するYouTube配信チャンネル

俳優・監督をめざす人の学校 春組チャンネル」というYouTubeチャンネルで、毎週土曜日の21時に春本雄二郎監督が、藤元明緒監督(『海辺の彼女たち』)、まつむらしんご監督(『恋とさよならとハワイ』)と3人でトークライブを配信中。現在、春本監督が本作について語っているアーカイブも視聴できる。

 

オススメしたい『由宇子の天秤』

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  • 瀧内公美ら、絶妙なバランスのキャスト
  • 「正しさとは何か」を問う社会派ドラマ
  • 最後まで飽きさせない緊迫感と衝撃
  • 世界の映画祭席巻!ベルリン映画祭出品

『由宇子の天秤』作品情報

 【あらすじ】
3年前に起きた女子高生いじめ自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子は、テレビ局の方針と対立を繰返しながらも事件の真相に迫りつつあった。そんな時、学習塾を経営する父から思いもよらぬ〝衝撃の事実〞を聞かされる。常に真実を明らかにしたいという信念に突き動かされてきた由宇子は、究極の選択を迫られて……。

監督・脚本・編集:春本雄二郎
出演:瀧内公美、河合優実、梅田誠弘、松浦祐也、和田光沙、池田良、木村知貴、川瀬陽太、丘みつ子、光石研 ほか

プロデューサー:春本雄二郎、松島哲也、片渕須直
配給:ビターズ・エンド
製作:映画「由宇子の天秤」製作委員会
<2020/日本/カラー/5.1ch/1:2.35/DCP/153分/G>

2021年9月17日(金)渋谷ユーロスペース他全国順次ロードショー

bitters.co.jp

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©️2020 映画工房春組 合同会社

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