伝説のフォト・ジャーナリスト、ユージン・スミスが1970年代、日本の公害病・水俣病と出会い、写真集「MINAMATA」を発表するまでの濃密な日々を描く。ユージンを演じるのはジョニー・デップ。彼を日本へと導く女性・アイリーン役に美波。ほか真田広之、國村隼、加瀬亮、浅野忠信と、豪華な日本の俳優が顔を揃える。ジャーナリズムのあるべき姿を問い、カメラが起こす奇跡が感動を呼ぶヒューマンドラマ。
2021年9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
公害に苦しむ水俣市と、疲れ果てた米国写真家、再生の実話
あまりに有名な日本の公害病「水俣病」。1950年代から大企業チッソが水俣の海に流した工場排水が原因で、地域の住民に広がった恐ろしい健康被害だ。日本人なら小学校の教科書で知り、衝撃を受けた子ども時代の記憶があるのではないだろうか。
一方で、この水俣病に、米国の写真家ユージン・スミスという人がここまで深く関わっていたということを知っている人は少ないかもしれない。
本作を見た後は、原作となった写真集や関連本、妻アイリーンのインタビュー記事などで、どこまでが実話なのか、確認されることをおすすめしたい。もちろん劇映画なので、フィクションを交えてはいるが、おそらく意外に感じられるところまで、事実がストーリーに反映されている。本作は彼の人生の一部ではあるが、その人生のかなり濃い部分なのだ。
ジャーナリズムとは? 報道写真の価値とは?
テーマを視覚的に伝える報道写真。たった1枚の報道写真が人に大きな影響を与えることもある。奇跡的な瞬間を捉えていたり、被写体の人格やその場の空気が匂うような臨場感……そんな、思わず惹きつけられてしまう報道写真を見たことがあるだろうか。
本作の主人公・ユージンは被写体に敬意を払い、寄り添うように撮影する。そして闇の奥に、光を写し出す。ユージンの写真は、水俣病の悲惨な現状を伝えるが、そこに写し出された人々は、切なく美しくもある。
現在、アイリーン・アーカイブのサイトでは、ユージンが撮影した水俣の多くの写真を見ることができる。ユージンの作品には、警告とともに希望がある。そして圧倒的かつ芸術的だ。報道写真は、そのインパクトで世間を動かすことがある。そんな価値があるものなのだ。
また、映画でも描かれている通り、水俣市でカメラを手に取るまでのユージンは、落ちぶれていたと言っても過言ではなかった。仕事もなく酒浸りの日々だった彼が、水俣で自らも再生し、ジャーナリストとしてあるべき姿を取り戻していく。その姿も感動を呼ぶだろう。
ジョニー・デップを筆頭に、真摯に思いを背負って演じる俳優たち
主演のジョニー・デップは、製作にも名を連ねており、写真家ユージンへの深い敬意と共に、本作への強い意欲がうかがえる。今回は自らのキャラクターを押し出すことはせず、実際の人物に近づこうとする役作りに挑んでいる。ジャーナリストが背負う悲哀の奥行きを演じきり、ジャーナリズムとは何かを、強く観客に問いかける。
また、ジョニー・デップの相手役アイリーンを演じた美波(『バトル・ロワイヤル』『ばるぼら』)に驚かされる人も多いだろう。レトロなメイクで70年代の雰囲気を醸し出つつ、落ち着きある存在感を見せ、ユージンを魅了する若い女性を、説得力をもって演じている。本作品は女優としての転機になるだろう。
さらに真田広之、國村隼、加瀬亮、浅野忠信ら、海外でも活躍する日本人キャストが集結。市民側は水俣の人々の思いを体現することに尽力する。一方、國村隼演じる企業側の人物も駆け引きは行いながらステレオタイプの悪人ではない、リアルな人物を体現している。
作品ニュース
原案写真集プレゼントキャンペーン
劇中にも登場する、感動的な写真が掲載されている原案写真集「MINAMATA」が抽選で当たるキャンペーンを開催中。締め切りは10/3。
/#MINAMATA 期待&感想
— 9.23公開『MINAMATAーミナマター』公式 (@MINAMATA_movie) September 20, 2021
投稿キャンペーン📣
\#MINAMATAが呼び覚ます をつけて
本作の期待or感想を投稿しよう✨
抽選で3名様に
原案写真集「MINAMATA」
新刊をプレゼント🎁
▼方法
①本アカウントをフォロー
②このツイートをRT
③#MINAMATAが呼び覚ます を
つけて期待or感想を投稿!
〆切10/3 pic.twitter.com/x5USn7LVyX
オンラインイベント『MINAMATA ーミナマター』を観て、環境を考える
9/24(金)「『MINAMATA ーミナマター』を観て、環境を考える」というオンラインイベントが開催されます。YouTubeにて、視聴無料。
『#MINAMATA ーミナマター』
— 9.23公開『MINAMATAーミナマター』公式 (@MINAMATA_movie) September 17, 2021
×グリーンピース・ジャパン
SPオンライントークイベント
開催決定🎉
ミナマタを観て、環境を考える🤝
🟢9/24(金)18:45〜19:45
🎥 https://t.co/4or6dwTsK0
視聴無料
ゲスト
鈴木かずえ@GreenpeaceJP
小野りりあん @_lillianono_
eri @e_r_i_e_r_i
MC 奥浜レイラ pic.twitter.com/jvwx4yEBV9
オススメしたい『MINAMATA―ミナマタ―』
- 日本の公害病・水俣病の真実を知る
- 写真家ユージン・スミスの功績がわかる
- 報道写真の価値とジャーナリズムのあるべき姿を問う
- ジョニー・デップと日本人俳優たちによる真摯な役作り
『MINAMATA―ミナマタ―』作品情報
【あらすじ】
1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀に冒され歩くことも話すことも出来ない子どもたち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側。そんな光景に驚きながらも冷静にシャッターを切り続けるユージンだったが、自身も危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をして……。
監督:アンドリュー・レヴィタス
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、ビル・ナイ ほか
音楽:坂本龍一
脚本:デヴィッド・ケスラー
原題:MINAMATA
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
<2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch>
日本語字幕:髙内朝子
2021年9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
(作品)© 2020 MINAMATA FILM, LLC
(写真)© Larry Horricks
〔AD〕
(最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)