東京・ミニシアター生活

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【4/1公開】『アネット』愛のダークファンタジー!スパークスが支え、カラックスが放つ壮大なロック・オペラ

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レオス・カラックス監督の長編6作目にして初のミュージカル(ロック・オペラ)は、ロック界で50年のキャリアを持つスパークスが原案・音楽を担当。主演はあらゆるジャンルの映画作品に引っ張りだこのアダム・ドライバーと、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』でアカデミー主演女優賞を受賞したマリオン・コティヤール。

美術や衣装、そして人形も登場する、暗く美しい色彩の強烈なヴィジュアルと、セリフがほぼ全て歌という構造で、観客を飲み込むような壮大な140分間の作品だ。

2022年4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー

冒頭から最後まで、ベッドも出産も歌・歌・歌

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今回オペラ歌手役のヒロインとなったマリオン・コティヤールは入念なボイストレーニングで準備をし(ただしオペラの舞台シーンでは、ソプラノ歌手の声を重ねている)、アダム・ドライバーもお馴染みの、低音のよく響く声を活かしていて、両キャストとも心地よい歌声を聴かせてくれる。

(ちなみにマリオン・コティヤール、主演映画『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』<2007年>では、歌はピアフ本人のものが使われたそうだ。歌声に近いしゃがれた声でセリフを喋っていたので歌だけピアフに差し替えられていると気づかなかった人も多いのではないだろうか?)

また、スパークスによる楽曲の素晴らしさに、従来のファンは鼻を高くするだろう。しかも作品の隅々まで、歌と楽曲で埋め尽くされている。本作では、ベッドシーンも歌、出産も歌いながら行われるのである。

2人の娘は歌う人形・アネット

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主人公は、成功しているオペラの歌姫と、アグレッシブなスタンダップコメディアンという組み合わせのカップル。そして2人は結婚する。

ストーリーはシンプルだが、その一方で主人公2人の心理状態は、不安や恐怖、猜疑心や嫉妬を帯びて、複雑に絡み合っていく。そんな夫婦の関係が淀んでいく様を、ダークな美しさの中で味わえるのが本作である。

さて、夫婦となった2人は子どもを授かる。この子どもこそが、本作のタイトルでもある、ミステリアスで非凡な才能をもった「アネット」なのである。このアネット役、声はLYC(ロンドン・ユース・クワイア)所属のヒーブ・グリフィスという少女が美しく歌って聴かせるが、そのビジュアルを演じているのは人形。3Dでもデジタルでもない操り人形なのだ。

日本人キャストにも注目!

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日本からも古舘寛治、福島リラ、水原希子らが、出番は多くないものの本作に出演。

特に古舘は、あの独特なよく響く声で歌唱しているので、その瞬間、耳をスッと心地よく奪われる。アダム・ドライバーとマリオン・コティヤールの声で埋め尽くされた本作の中で、古舘の声が強い印象を残しているのは快挙だろう。これを機に古舘らは世界へ羽ばたくチャンスを掴めるだろうか(掴んで欲しい!)。

作品ニュース

歴代のカラックス監督作品がユーロスペースで上映中!

ユーロスペースで開催されているレオス・カラックス監督作品を上映するプログラムの延長が決定。気になる作品を映画館で観られるこのチャンスを逃さないようチェックしよう。リピート割引もあり!

『ボーイ・ミーツ・ガール』(1984年)、『汚れた血』(1986年)、『ポーラX』(1999年)、『Tokyo!』(2008年)、『ホーリー・モーターズ』(2012年)

オススメしたい『アネット』

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  • スパークスの楽曲、全編セリフもほぼ歌のロック・オペラ
  • アダム・ドライバー、マリオン・コティヤールの見事な歌声
  • カラックス作品らしい、迫力ある美しいヴィジュアル
  • 心理的に追い詰められるダークファンタジー

『アネット』作品情報

 【あらすじ】
 ロサンゼルス。攻撃的なユーモアセンスをもったスタンダップ・コメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)と、国際的に有名なオペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)。“美女と野人”とはやされる程にかけ離れた2人が恋に落ち、やがて世間から注目されるようになる。だが2人の間にミステリアスで非凡な才能をもったアネットが生まれたことで、彼らの人生は狂い始める……。

監督:レオス・カラックス
出演:アダム・ドライバー、マリオン・コティヤール、サイモン・ヘルバーグ ほか

原案・音楽:スパークス
歌詞:ロン・メイル、ラッセル・メイル & LC 

配給:ユーロスペース
<2021年/英語/仏・独・ベルギー・日共同制作/140分/カラー/1:85:1>


2022年4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー

annette-film.com

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