地下鉄のさらに下に広がる真っ暗な地下空間で暮らす、母と娘の物語。まるでおとぎ話のようにも聞こえるが、実際にニューヨークでは、住居を持たない人々が地下で生活をしていた時期があったという。この人々の存在を映画にしようと考えたのが、監督の1人であるセリーヌ・ヘルド。共同監督&脚本をつとめ、メインキャストの母親ニッキー役も演じている。地下生活から地上へ踏み出す不安を、幼い少女の視点で体験するような、不思議な社会派作品だ。
2022年8月5日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次公開
夢物語ではない、リアルな世界観
ニューヨークの地下鉄、そのさらに下に広がる迷宮のような空間にある、違法に住みついた人々のコミュニティ。そこにいるのが、“リトル”と呼ばれる幼い少女と、その母ニッキー母娘。ニッキーは御多分に洩れずジャンキーであるが、母としての自覚は強く、娘への愛情も深い。愛しい娘に「地上に出ていけるのは背中に羽が生えてから」と可愛らしいファンタジーも話して聞かせる。
ある日、調査に来た市の職員に不法侵入者として排除されそうになり、ニッキーはリトルを連れて地上へ逃げることを決意。タイトルからすると、リトルは憧れの地上へ初めて出ることになり、好奇心に目を輝かせ……という展開になりそうだが、そうはいかない。ネオンと車の騒音に溢れる夜のニューヨーク、リトルにとってそれは恐怖でしかない。タイトルからイメージする美しいファンタジーや『地下鉄のザジ』のようなスラップスティック・コメディにはならない、不安と危険に満ちたリアルな状況が迫ってくる。
きっと地上には、満天の星
初めて地上に出て喧騒に怯えるリトルは、母にしがみついて顔を伏せ、空を見上げるどころではない。ファンタジーからかけ離れ、「きっと地上には満天の星」というタイトルがまるでミスリードのようにも感じられるが、リトルの目を通し体験するかのような前半から、後半では母の視点へと移っていく。
八方塞がりのホームレス母娘の運命は、果たしてどこへ向かうのか。母の視点に移ってから、あるいは作品のタイトルが本当の意味で効いてくるようでもある。
リサーチに基づいたリアルな感覚
本作のアイディアは、共同監督&脚本の1人であり母ニッキーを演じたセリーヌ・ヘルドによるもの。彼女はジェニファー・トス著『モグラびと ニューヨーク地下生活者たち』を読み、感銘を受けたという。そして大学時代の友人だったローガン・ジョージに本作の元となる脚本を書いて送り、その翌年から2人で共同監督・脚本家として活動をスタート。これまで50人ものホームレスにインタビューを行ったり、ホームレス家族に密着取材をすることで、ドキュメンタリーの短編も2本撮っている。
また、現在では立ち入り禁止になっている、地下のコミュニティ跡にも足を踏み入れるなど、自らの足で徹底したリサーチを行って、現場の臨場感を肌感覚で味わったうえで本作に取り組んだ。作品を観れば、才能だけでなく、情熱あっての作品だということが伝わってくるだろう。以下に
作品ニュース
作品グッズのプレゼント
先着で劇場来場者にプレゼント配布が。
【いよいよ明後日から!】
— 映画『きっと地上には満天の星』 (@topside_jp) 2022年8月3日
8/5(金)から『きっと地上には満天の星』の上映が始まるのはこちら!
シネマカリテ
ヒューマントラストシネマ渋谷
ミッドランドスクエア シネマ
京都シネマ
シネ・リーブル梅田
KBCシネマ
ご鑑賞の皆さまへ、先着で“満天の星空マスク”を1枚進呈
ご来場お待ちしています! pic.twitter.com/uv2evYMlmP
充実のパンフレット
劇場で販売するパンフレットには、セリーヌ&ローガン監督についての情報が満載とのこと。読めば作品をより深く理解できそうだ。
【パンフレット】①
— 映画『きっと地上には満天の星』 (@topside_jp) 2022年8月2日
8/5公開『きっと地上には満天の星』のパンフレットには、セリーヌ&ローガン監督インタビュー、監督2人と東京の特別な関係の話、そしてローガン監督おすすめの映画20選などを掲載。鮮烈な長編映画デビューを果たした2人の素顔に迫ります。 pic.twitter.com/K4oLqmkjNl
オススメしたい『きっと地上には満天の星』
- 綿密なリサーチに基づいたリアルな“地下生活”
- シングルマザーの過酷で八方塞がりの状況とは…
- 地下から初めて地上に出た子どもの視点で綴る前半
- 後半では子を思う母の、心の機微を描く
『きっと地上には満天の星』作品情報
【あらすじ】
ニューヨークの地下鉄のさらに下に広がる暗い迷宮のような空間で、ギリギリの生活を送っているコミュニティがあった。ある日、不法住居者を排除しようと市の職員たちがやってくる。
隠れてやり過ごすことができないと判断したニッキーは、5歳の娘リトルを連れて地上へと逃げ出すことを決意する。初めて外の世界を体験するリトルは、眩いばかりの喧騒の中で、夜空にまだ見ぬ星を探し続ける。ニューヨークの街で追い詰められていく母娘に、希望の光は降り注ぐのだろうか……。
監督・脚本:セリーヌ・ヘルド&ローガン・ジョージ
出演:ザイラ・ファーマー、セリーヌ・ヘルド、ファットリップ、ジャレッド・アブラハムソン ほか
製作:アンソニー・ブレグマン、ジョシュ・ゴッドフリー
製作総指揮:キンバリー・スチュワード 撮影監督:ローウェル・A・マイヤー
編集:ローガン・ジョージ 音楽:デヴィッド・バロシュ
原題:Topside
配給:フルモテルモ、オープンセサミ
<2020年/アメリカ/英語/90分/ビスタサイズ/カラー/5.1ch>
日本語字幕:福永詩乃
2022年8月5日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次公開









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