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【8/19公開】『セイント・フランシス』34歳独身“歳相応の生活ができていない憂鬱”からの脱出

30代女性に求められるもの…それは、キャリア・結婚・子ども。その全てを持たない、ちょっぴり投げやりな34歳のブリジットが、ひと夏のシッターのアルバイトで出会うレズビアンカップルと、その娘フランシス。自信のない自分から彼女たちが少しずつ回復していくシスターフッドの物語。

主演は、脚本も手がけた新しい才能ケリー・オサリヴァン。監督アレックス・トンプソンも本作が初の長編というフレッシュな組み合わせだが、中絶、産後うつ、さまざまな差別と、一見ネガティブな問題を登場させながら、ポップでハッピーなテイストで見事に駆け抜ける、“見たことのない”痛快ドラマ。

2022年8月19(金)ヒューマントラストシネマ有楽町新宿武蔵野館シネクイントほか全国ロードショー!

リアルな女性の悩みが満載

30代の女性に求められる「キャリア」「結婚」「子ども」。そのいずれも持たない34歳のブリジットは、自分なりに前向きに生きているつもりでも、親や同世代からの風当たりが強く、なんとなく生きづらさを感じている。

給仕の仕事に加えてひと夏の子守りの仕事を獲得したブリジットだったが、子ども好きではないし、生意気な6歳のフランシスとはなんとなくソリが合わない。

そんなおり、カジュアルな関係のつもりだった8歳年下のジェイスとの間に妊娠が発覚。ブリジットは迷うことなく「産まない」と即決するも、身も心も不安定に……。

かつてはタブーだった、あるいはシリアスで後ろ暗い話題だった「中絶」が、最近では身近な状況として映画に登場するようになってきた。本作では、ヒロインが迷うことなく選び取る。体を張った結果、出血が止まらない「その後」をメインに描くことで、よりリアルな問題として、作品に取り入れている。

レズビアンカップルとその娘フランシスとの出会い

子守り先の家庭は、ヒスパニック系で2人目の出産を控えるマヤと、黒人で家計を支えるワーキングウーマン、アニーのレズビアンカップル。娘のフランシスは頭の回転が早いけれど、やんちゃで扱いにくくもある。

稼ぎのためのアルバイトと、お互い割り切った気持ちで関わっていたブリジットたちだったが、日々のアクシデントを重ねていくうちに、立場の違う女性同士、少しずつお互いの悩みに触れ合う機会も増えていく。6歳のフランシスですら、不安定なママとの関係や、姉になる自分の立場にモヤモヤしていた。

彼女たちの関係を築くなかで、投げやりだった自分に気づき、他者をリスペクトすることで、自分への信頼と自信を取り戻していくブリジット。日常的に傷つきながら必死に生きる彼女たちを見守り、気持ちを傾けることで、心温まる感覚が宿ってくるだろう。

駆け抜けるようなポップなテンポ感

独身女性へのプレッシャー、望まぬ妊娠、中絶、産後うつ、あらゆる弱みに付け込む差別的な世間。本作で扱うのは女性の悩みの詰め合わせであるにも関わらず、ポップな気分で見続けられる。それはどことなく楽しげだったりパワフルだったりする俳優のキャラクターや、ユーモア溢れる脚本の力もあるけれど、音楽やカメラワーク、演出によるテンポの秀逸さもあるのだろう。

そのため本作には常にポジティブな底力が流れている。だからこそヘビーな状況が描かれていても、リアルなテーマとして静かに見つめることができ、解決への明るいの一筋の光を感じ取ることができるのだ。

作品ニュース

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オススメしたい『セイント・フランシス』

  • 未婚・子ナシ・キャリアなし…ないない尽くしの30代がヒロイン
  • 中絶、産後うつ、生理、育児…女性の悩みを詰め合わせ
  • 立場や年齢を超え、共に成長するシスターフッドの物語
  • ポップでテンポ感あるテイストの作品

『セイント・フランシス』作品情報

 【あらすじ】
うだつがあがらない日々に憂鬱感を抱えながら、レストランの給仕として働くブリジット(ケリー・オサリヴァン)、34歳、独身。親友は結婚をして今では子どもの話に夢中。それに対して大学も1年で中退し、レストランの給仕として働くブリジットは夏のナニー(子守り)の短期仕事を得るのに必死だ。自分では一生懸命生きているつもりだが、ことあるごとに周囲からは歳相応の生活ができていない自分に向けられる同情的な視線が刺さる。

そんなうだつのあがらない日々を過ごすブリジットの人生に、ナニー先の6歳の少女フランシス(ラモーナ・エディス・ウィリアムズ)や彼女の両親であるレズビアンカップルとの出会いにより、少しずつ変化の光が差してきて……。

監督:アレックス・トンプソン
脚本:ケリー・オサリヴァン

出演:ケリー・オサリヴァン、ラモーナ・エディス・ウィリアムズ、チャーリン・アルヴァレス、マックス・リプシッツ、リリー・モジェク ほか
原題:Saint Frances
配給:ハーク 配給協力:FLICKK
<2019年/アメリカ映画/英語/101分/ビスタサイズ/5.1chデジタル/カラー>

字幕翻訳:山田龍

2022年8月19(金)ヒューマントラストシネマ有楽町新宿武蔵野館シネクイントほか全国ロードショー!

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