11月1日に“死者の日(万霊祭)”を迎えるエストニアの寒村。 そこでは世にも不可思議な「純愛」が契られようとしていた…… モノクロの映像美で描かれる甘美な悪夢。エストニアの童話を分解して再構築したというダーク・ラブストーリー。
『ムカデ人間』でカルト的人気を誇るドイツの名優ディーター・ラーザー以外、主要なキャストはエストニア生まれ。原作者アンドルス・キビラーク、そして監督のライナー・サルネもエストニア生まれという、貴重な“エストニア映画”だ。
2022年10月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
機械仕掛けのような精霊、騙されやすい悪魔…見たことのない世界
舞台は、盗むことや奪うことが日常であるエストニアの貧しい村。冒頭、古い農具が組み合わさった姿の謎の物体が、機械仕掛けのような動きで移動していく。この「使い魔クラット」と呼ばれている奇妙なモノが“精霊”なのだという。この「クラット」は納屋の牛を連れ出し、空に持ち上げて、どこかへ運んでいく。
童話や神話の要素がふんだんに取り込まれているというこのエストニアの作品は、見たことがない世界がいきなり広がる。人間が悪魔を騙す(通常は逆なことが多いのでは?)かと思えば、「魂」の概念も複雑。既知の情報や常識では片付けられない独自の慣習やエピソードだらけだ。
お盆やハロウィンにあたる「死者の日(タイトルとなっているノベンバー、11月である)」には、死者の魂が生者の元に戻ってくるのだが、その姿や振る舞いはまるで生きているかのよう。本作のヒロイン、村娘のリーナも亡くなった母親とこの一夜を過ごす。
美醜入り混じる奇妙な世界で、普遍的な恋物語が展開
リーナは、年回りもぴったりな若者ハンスに恋心を抱いている。しかしハンスは高嶺の花である別の娘を想っていて、三角関係に陥ってしまう……こんな奇妙な世界にして、物語として普遍的な悲恋が展開するのである。
リーナの父親は心卑しく、娘を売るかのように醜い農夫を結婚相手を決めようとするが、リーナは反発し、魔女に相談して自分の思いを遂げようとする。
このヒロインは、恋の障害を口汚く罵ったと思えば、ある場面では驚きの優しさを見せる。型にはまらないその「揺れ」や「美醜」は現代のリアルな人間のようであり、彼女を身近な存在に感じさせる。
一方、村の青年ハンスも身分違いの恋に夢中になり、自分の想いを成就させようと、リーナ同様、彼の恋物語も展開。リーナを冷たくあしらうハンスは、森に現れる悪魔や雪だるまのクラットの力を借りて、自分の恋の道になりふり構わず必死になっていき、自身の運命を狂わせていく。
作品ニュース
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— 映画『ノベンバー』 𝟏𝟎.𝟐𝟗 𝔰𝔞𝔱 ℜ𝔬𝔞𝔡𝔰𝔥𝔬𝔴🤍🖤 (@movie_november) 2022年10月26日
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オススメしたい『ノベンバー』
- 美醜のカオス、モノクロの圧倒的な映像
- 悪魔との魂のやりとりなど、エストニア独自の童話世界
- 人間味あふれる若者たちの悲恋が展開
- ミステリアスな「死者の日」と深い森
『ノベンバー』作品情報
【あらすじ】
エストニアのとある寒村。貧しい村人たちは精霊の“使い魔クラット”を使役し、隣人から物を盗み合いながら、必死になって生きている。村人は、クラットを操るために森の交差点で悪魔を呼び出して「魂」を買う。そして死者が蘇り、家に戻ってご馳走を食べ、貴重品が保管されているかを確認する11月1日の「死者の日」がやってくる。
村の若い娘リーナは村の若者ハンスに恋をしている。しかし、強欲な父親は豚のような農夫にリーナとの結婚を約束してしまう。一方、ハンスはリーナには歯牙にも掛けず、ドイツの男爵の美しい娘に一目惚れをし、思いを遂げるためにクラットを作り悪魔を騙そうとして……。
脚本・監督:ライナル・サルネット
出演:レア・レスト、ヨルゲン・リイイク、ジェッテ・ローナ・ヘルマーニス、アルヴォ・ククマギ、ディーター・ラーザー ほか
原題:NOVEMBER
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ・サクセション
配給:クレプスキュール フィルム
<2017年/ポーランド・オランダ・エストニア/B&W/115分/5.1ch/DCP>
字幕翻訳:植田歩
2022年10月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
©️Homeless Bob Production,PRPL,Opus Film 2017
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