東京・ミニシアター生活

主に都内のミニシアターで上映される新作映画の紹介をしています。

〔AD〕動画サイトランキング

【5/5公開】『それでも私は生きていく』レア・セドゥ主演、パリに暮らすシングルマザーの人生賛歌

夫と死別し、シングルマザーとなったヒロインの日々をめぐる人生賛歌。働きながら娘を育てるサンドラは、自分のことはいつだって後回し。老いて弱りゆく父を訪ねては己の無力さに苛まれる中、旧友と再会し恋に落ちるが……。

ミア・ハンセン=ラブ監督が脚本も担当。エキセントリックで魅惑的なキャラクターを数多く演じてきたレア・セドゥ(『アデル、ブルーは熱い色』『美女と野獣』『007 スペクター』)が、本作では親しみやすい柔和なシングルマザーのヒロインを好演、新たな表情を見せている。

2023年5月5日(金)より新宿武蔵野館シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

「愛はあるけど、ただ懸命に生きる毎日」からの逸脱

ヒロインは夫を亡くして5年のシングルマザーのサンドラ。8歳の愛娘は健やかで、通訳者という仕事も得ているけれど、手間をかけないショートヘアは「自分のことは後回し」にしがちな彼女の暮らしを象徴しているかのようだ。

かつて哲学の教師として尊敬されていた父も、老いて徐々に視力と記憶を失いつつあり、面会するたびにサンドラの心には少しずつ悲しみが蓄積されていく。そんな中、科学者の旧友クレマンと再会。知的で楽しい時間を過ごすうち、既婚者の彼と恋に落ち、サンドラは「父が父らしさを失っていく悲しみ」と「新たな恋の喜び」という相反する感情に揺れる。

潤んだ瞳のサンドラ

社会人、母、娘という役目を果たしながら、自分を押し出すことなく遠慮がちで、はにかんだような表情を浮かべているサンドラ。悲しみに包まれても、喜びに突き動かされても、その瞳は涙をたたえるように常に潤んでいるのが印象的だ。

ボンドガールやエキセントリックで魅惑的なキャラクターを多く演じてきたレア・セドゥが、そんな女性像を作り上げた本作。サンドラのような真摯でシャイな人となりが、彼女の本質なのかもしれないと思わせてくれる。本作により、リアルで親しみやすい、新しいレア・セドゥの魅力が花開いた。

喜びも悲しみも噛み締めながら、生きていく

弱りつつある父と、育ち盛りの娘と、家庭のある恋人と。様々な人間関係のなかで、感情を揺さぶられ、悩み苦しみながらも、サンドラは涙を拭って前を向き、何度も立ち上がる。誰もが出会うであろう困難を、自力で1つずつ乗り越えようとするフランス人女性の日々を通し「喜びも悲しみもともに生きる」ことを描いた、心にしみる人生賛歌だ。

作品ニュース

5月末まで投稿キャンペーン

Twitterのオフィシャルアカウントフォローと感想の投稿で、抽選でパンフレットなどのセットが当たるキャンペーンが行われている。期待のコメントでも応募OKとのことです。

オススメしたい『それでも私は生きていく』

  • フランス人シングルマザーの日常を知る
  • 介護、育児、仕事…困難を抱えた人への応援
  • レア・セドゥが新たな女性像を好演
  • 「喜びや悲しみと共に生きる」人生賛歌

『それでも私は生きていく』作品情報

 【あらすじ】
サンドラは通訳者として働きながら、パリの小さなアパートで8歳の娘リンとふたり暮らしをするシングルマザー。父ゲオルグは、かつて哲学の教師として生徒たちからも尊敬されていたが、今は病を患い、徐々に視力と記憶を失いつつある。別居する母フランソワーズと共に彼のもとを頻繁に訪ねては、変わりゆく父の姿に直面し、自身の無力感を覚える。仕事、子育て、そして介護。長年自分のことどころではなかったサンドラだったが、ある日、旧友のクレマンと偶然再会し、自然と恋に落ちる。病を患う最愛の父に対する、やるせない思いと、新しい恋の始まりに対するときめきという相反する感情を同時に抱くが……。

監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ(「未来よ こんにちは」「ベルイマン島にて」)
出演:レア・セドゥ、パスカル・グレゴリー、メルヴィル・プポー、
ニコール・ガルシア、カミーユ・ルバン・マルタン ほか
原題:Un beau Matin 英題:One Fine Morning
配給:アンプラグド
<2022年/フランス/112分/カラー/ビスタ/5.1ch/R15+>
日本語字幕:手束紀子

2023年5月5日(金)より新宿武蔵野館シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

unpfilm.com

〔AD〕

(最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

〔AD〕

(本ページの情報は2020年6月のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

<