ムスリムの家庭に生まれながら、スタントウーマンを夢見るパキスタン系イギリス人の女子高生が、知恵と勇気と得意のカンフーを駆使し、親友とタッグを組んで姉を陰謀から救い出すために奮闘する。女性だらけのメインキャラが楽しいイギリス発の青春アクション・コメディ!
サンダンス映画祭で批評家、観客双方からの絶賛を浴び、英国インディペンデント映画賞最優秀新人脚本家賞を受賞。
2024年8月23日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほかロードショー
女子高生リアの夢はスタントウーマン
パキスタン系イギリス人のムスリム家庭に生まれた次女リアは、スタントウーマンを目指してカンフーの修行に励む女子高生。キメ技はなかなか成功せず、親も先生もまったくリアの夢を理解してくれない。家族の中で唯一の理解者は姉のリーナだけ。
しかし、そんなリーナが突然、芸術家になる夢を諦め、富豪と結婚し海外に移住するつもりだと知り、リアは猛反発! 親友たちを巻き込み、思春期ならでは突拍子もない発想と作戦で、姉の結婚を阻止しようと試みるもののことごとく失敗してしまう。
まずリアとこの友人たち女子高生の厨二病的なやりとりが面白すぎる。今までなら男子中高生が担ってきたであろう、下ネタ含みのワチャワチャ感をロンドンっ子の女子高生が嬉々としてやっているのがなんとも新鮮。脚本も担当した監督、ニダ・マンズールのユーモアセンスの秀逸さよ…。キャストのコメディエンヌぶりも素晴らしい。
青春時代の妄想は暴走する。リアたちの突飛な行動は炸裂する……そして撃沈。しかし、やがてリアはこの結婚にはとんでもない陰謀が隠されていたことを知ってしまう。
乗り超えるべき壁が少女を強くする!
妄想たくましく行動すれば、大失敗して大人から怒られ、落ち込むリア。学校で得意のカンフーアクションを披露しようとすれば、体格の良いジャイアンのような少女(しかも“ナントカ委員”の権威を持っている)にコテンパンにやられてしまう。何度もチャレンジしても回し蹴りは決まらない!
しかし、反発やさびしさからではなく「私が陰謀からお姉ちゃんを助ける」という真の正義に目覚めたリアは、勇気を振り絞り大胆に行動する中で、友人に助けられながら大きく成長することになる。
伝統衣装でアクションを決めるリア役、プリヤ・カンサラの身のこなしも素晴らしい。
大切なことを描きつつ、アバンギャルドな演出が楽しい
今でも「女性は良い夫と結婚するのが最高の幸せ」という古風な風習や考えが残っている民族は少なくない。“イギリスのムスリム家庭の男女が見合いのような結婚をする”というシチュエーションは本作だけではない。つまりそのような状況は現実にもイギリスのムスリム家庭に多くみられるのだろう。
結婚を否定する必要はないが、女性を「“家”を存続させるため」の道具のように扱うのは人権侵害であり、考え方として恐ろしい。本作はこういった悪しき古い風習への抗議もしっかりと描いている。
しかしその描き方がユニークでボリウッドあり、カンフーアクションあり、下ネタ青春ものありと、お楽しみがいっぱいなのだ。笑い、楽しむ時間の中で、現実社会への問題提起とシスターフッドがじんわり染み込んでくる。本作を良作と言わずして、なんと言えばいいのだろう?
作品ニュース
ピンクの表紙のパンフレット完成!
目を引くビビットカラーで内容も充実。900円です。売り切れ前にぜひ。
📚パンフレット収録内容
— 映画『ポライト・ソサエティ』8.23㊎全国ロードショー🎬 (@politesocietyjp) 2024年8月21日
▪️キャラクター
▪️プロダクションノート
▪️主演プリヤ・カンサラさんインタビュー
▪️映画がより楽しくなる❕豪華寄稿
✍️山崎まどかさん、江戸木純さん、須永恵美子さん
▪️キャスト・スタッフプロフィール
ぜひ劇場でお買い求めください☀️ pic.twitter.com/bkRhQ8Wv4e
オススメしたい『ポライト・ソサエティ』
- カンフー、ボリウッドを取り入れたアクション・コメディ
- “厨二病”女子高生の振り切ったやりとり
- イギリス在住、ムスリム系の女性の現状とは
- 女子高生リアをはじめ、強烈な女性キャラが多数登場
『 ポライト・ソサエティ』作品情報
【あらすじ】
ロンドンで暮らす高校生リアの夢は、スタントウーマンになること。学校では変わり者扱い、親からも将来を心配される彼女の唯一の理解者は芸術家を志す姉のリーナだった。
ある日そんな姉が、富豪の息子であるプレイボーイと恋に落ち、まさかの急展開で彼と結婚し海外へ移住することに。だが、彼の一族に不審な点を感じ取ったリアが独自に調査を開始すると、その結婚の裏にはとんでもない陰謀が隠されていた。これを知ったリアは姉を救うべく、友人たちとともに結婚式を阻止しようと立ち上がり…。
監督・脚本:ニダ・マンズール(TV「絶叫パンクス レディパーツ!」)
出演:プリヤ・カンサラ(「ブリジャートン家」)、リトゥ・アリヤ(「アンブレラ・アカデミー」『バービー』) ほか
原題:Polite Society
配給:トランスフォーマー
<2023年/イギリス/英語・ウルドゥー語/104分/シネスコ/カラー/5.1ch/G>
日本語字幕:田渕貴美子
2024年8月23日(金)新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、ヒューマントラストシネマ渋谷 ほかロードショー
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