東京・ミニシアター生活

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【12/8公開】『マチルダ 禁断の恋』マチルダ役のミハリナ・オルシャンスカ、来日インタビュー

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映画『マチルダ 禁断の恋』は史実に基づく物語。舞台は、19世紀の滅びゆく帝政ロシア。火遊びのつもりで恋をした次期皇帝は、男たちを狂わせる美しいバレリーナ・マチルダと強く惹かれ合い、周囲を巻き込みながら「帝位継承か、戴冠を辞退か」2つの選択の間で揺れる。

この作品のマチルダを演じた、ポーランドの女優ミハリナ・オルシャンスカが来日。映画そのままの美しさではあるものの、人柄はあまりにフレンドリーだった! 本作の裏話やマチルダを演じた経験などのお話を、時間いっぱい聞かせていただいた。とにかく驚きの連続。ぜひ最後までお読みください!

シンデレラストーリーとしても観られる『マチルダ 禁断の恋』

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 ー日本には初めていらしたんでしょうか?

「はい。初めてです。昨日来たばかりで、街を散歩して東京の雰囲気を味わったんですけど、もっと観たいので、明後日フリーの日にいろんなところに行ってみたいです」

 ー早速、作品についてもうかがいます。本作は歴史もの、恋愛もの、バレエものなど、いろんなジャンルの要素があります。演じたミハリナさんは、女優としてこれはどれに属すると感じましたか?

「そうですね。私はジャンルとしてあまり考えたことがありませんでした。でも、演じながら『シンデレラ』みたいなおとぎ話のように感じていました。この作品は実話がベースですが、ビジュアルも映画の言語的にも、非常に美しくてユニーク。だから、歴史的なことを忘れ、ロマンスとして。お姫様とか王子様とか……そんな風に感じながら演じていました」

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 ーそれは意外です! 史実と聞いていたので、ついそういう目から入ってしまいました。でも、確かにおとぎ話のように楽しむこともできる作品ですね。
では、マチルダ役についてうかがいます。最初は小悪魔的だったマチルダが、ストーリーが進むにつれ、だんだんと恋愛にのめり込み、一途な女性に変化したように見えました。演じる上で、そういう心理の変化は感じていましたか?

「そこがまさに、みなさんに観て欲しいところです。現代の女性だったらわかると思いますが、女性なら綺麗だと思われたいし、まわりの人に崇拝されたいし、他の人から好かれたい。でも、”その人”に出会ってしまったら、そういうものを忘れてしまう、夢中になってしまう。それが、恋愛の美しさだと思うんです。そしてマチルダの、そんな現代女性的なところを見せたかったんです」

 ー今回の作品で、バレエのポージングや、ロシア語での演技など、新たな挑戦があったと思うんですが、ミハリナさんが一番苦労した点は?

「よく言っているのは『若かったので、丸々1年間、外国で撮影のために過ごすのがつらかった』ということなんですが。演技に限って言うとロシア語を習得するのも大変でしたし、バレエも難しかったです。少しは踊れるようにならなければ、ということと、監督に『バレリーナのように優美な動きをして欲しい』と言われて。元々私がそういうタイプの人間ではなかったので、難しかったですね」f:id:kappa7haruhi:20181207195241j:plain

 ーそうなんですか? とてもバレリーナ的な雰囲気をまとわれていました。

「特にマチルダ役をやる前が『ゆれる人魚』という作品で、人魚役を演じたので……動物的というか、ものすごく独特な動きをしていたので。そこから、バレリーナのまっすぐで、厳格で、優美な動きに急に変えるというのは、とても難しかったんです」

素顔はシャイ?! 演技の道を選んだミハリナ

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 ーミハリナさんは語学が堪能という印象もあります。チェコの映画ではチェコ語で演じられていましたよね。その時も1から覚えたのですか?

「そうですね、チェコ語の時もゼロの状態から習いました。でもセリフを覚えた、ということであって、話ができるというほどじゃないんです。私はずっと音楽をやっていたので、セリフを音楽のように扱いました。音をフレーズとしてキャッチする。だから特に語学が堪能ということではないんですよ」

 ーそうなんですね! もうペラペラなのかと思っていました。

「フランス語やドイツ語の映画にもそれぞれの言語で出たことがあるんですが、ポーランド語をしゃべる私にとって、ロシア語やチェコ語より難しかったです。でも、外国語の映画に出演してきたので、聞いて理解することはできます。私はシャイであまり喋らないんですが、外国語でまわりがしゃべっていると、わからないふりをしながら、実は何を話しているかはわかっていたりするんですよ!」

 ー面白いですね。ところでミハリナさん、シャイなのですか? 大胆な役どころが多いせいか、全くそんな印象がありませんが。

「俳優にはよくあると思うんですが、シャイであればあるほど大胆な役を演じるんじゃないでしょうか。ジキルとハイドのように。よくコメディ俳優やコメディアンの人って、実生活はおとなしそうだったり、鬱々としていたりするでしょう? 多分バランスをとっているんじゃないでしょうか。私の場合、女優のマスクをつけるとフリーになって言われたことが何でもできてしまう、という感じがします」

  ー先ほど「セリフを音楽として捉えている」というお話をうかがったんですが、もともとミハリナさんは音楽を勉強されていたんですよね? 現在も音楽活動もされているのですか?

「私はクラシックの音楽をやっていたので、演技か音楽か、どちらかを選ばなければなりませんでした。クラシックの音楽は、自分の生活を100%そちらに捧げなくてはならないんです。それで、私は演技の道を選びました。今でもヴァイオリンを弾くことはありますが、自分のために弾くだけです。でもそれはそれでいいこともあるんです。もう誰にも評価されなくていい。私は自分の音楽だけをやればいいんですから」

ポーランド女優から見たロシア人俳優は特別な存在

f:id:kappa7haruhi:20181207215454j:plain ー今回、この作品にマチルダ役で出演して得た最大ものは何ですか

「ポーランド人にとって、ロシアの俳優はイギリスの俳優同様、世界でもトップクラスの上手な人が揃っていると考えられています。そういう意味でも、彼らから学ぶということが大切でした。この作品では、1シーンを撮るのに3日から6日かけるんです。それはポーランドでは不可能です。ポーランドなら、1日で3シーンくらいを撮る感覚です。
このプロジェクトは1年かかりました。だからすごく集中力を要して、自分を律するということも学びました。撮影の経験、そのすべてが”演技教育”の一部だった、あるいは延長だったと考えています」

 ーそんなロシアの人々、今回の共演者の中で特に印象的だった方は?

「みなさん本当に素晴らしくて。例えばラース・アイディンガーは、演技が上手いだけでなく、人としても素晴らしい。ダニーラ・コズロフスキーもすごくカリスマがありました。一人ひとり言っていったらきりがないくらい。
素晴らしい俳優・女優さんばかりで、みなさんを尊敬しています。私は当時すごく若かったので、まだ自分は生徒みたいな気持ちで”習っている”という感じがしました。全員年上で、経験も豊富な方ばかりだったので、生徒としてたくさん学べて、すごく良かったです。とってもマジカルな時間だったので、今でも懐かしく思い出します」

人生を芸術作品に仕上げたマチルダ

f:id:kappa7haruhi:20181122011131j:plain ーそれでは最後に、これから作品を観る方へメッセージをお願いいたします。

「まずとても官能的で、視覚的に息を飲む素晴らしい映画だと思います。これだけでも観る価値があると思いますが、歴史が好きな方は、歴史ドラマ・伝記的なものとしても観られますし、歴史に興味のない方も、おとぎ話としてもすごく楽しめます。いろんな方が観て、それぞれに楽しめると思います」

「個人的には、私、心理的な葛藤を抱える役が多かったりして”美しくない役”が多いんですけど、この映画ではまるでお姫様で。本当に美しい世界で、美しいコスチュームを着て、美しさの中に浸れる役だったんです。ビジュアル的にも美しいし、関わってる人たちみんなの心が本当に美しいのが、この映画を観ても感じられると思います。ポジティブであたたかい映画になっていると思います」

 ーもう1つうかがわせてください。ミハリナさんは、マチルダの一生は幸せだったと思いますか?

「マチルダが一番大きな情事”LOVE AFFAIR”を持ったのは、自分の人生と、なんです。彼女は本当に生命力に満ちていて、欲しいものは、必ずつかんでいくというところがありました。『どんな状況もポジティブなもの、美しいものに変えていこう』という決心をして、努力していった人。彼女は自分の人生を、ある種、自分の芸術作品として作り上げていったのだと思います。そういう意味ですごく尊敬しています」

『マチルダ 禁断の恋』は12月8日から公開!

いかがでしたか? 最後には日本語で「アリガト〜」と言ってくれたミハリナ。素顔はシャイで、演技は大胆。美しさはスクリーンそのままでした。
彼女を成長させた『マチルダ 禁断の恋』は観応えたっぷりの、誰もが色んな楽しみ方をできる豊かな作品。ぜひ劇場でお楽しみください!

★『マチルダ 禁断の恋』作品紹介記事はこちら

12月8日(土)
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー!

ミハリナ・オルシャンスカ(Michalina Olszańska)インタビュー
作品画像:©2017 ROCK FILMS LLC.
撮影(インタビュー)、取材、編集:市川はるひ

 

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【12/15公開】『メアリーの総て』フランケンシュタインの怪物は、孤独な彼女の分身

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小説『フランケンシュタイン』の作者は、18歳の英国人女性だったという事実をご存知だろうか。
『フランケンシュタイン』の著者、メアリー・シェリーは文才だけでなく、壮絶な経験をもって、この小説を書き上げた。本作は、メアリーが怪奇小説を書き上げるまで、そして作品に完成後にも降りかかる、女性ならではの苦労まで描かれている。
メアリーを演じるのは、エル・ファニング。監督は『少女は自転車にのって』のハイファ・アル=マンスール、サウジ出身の女性監督だ。

2018年12月15日(土)シネスイッチ銀座シネマカリテほか全国順次公開

人気女優エル・ファニングの挑戦

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映画界に愛され、今や引っ張りだこのエル・ファニング。近年は数多くの作品で、主演、あるいは重要な役のオファーを受け、次々とバラエティに富んだ、重要な作品に出演を続けている。
今回は、初めて母になるヒロインに挑戦。数々の哀しみを受け止める深い心情を表現、全編にわたり物語を引っ張って、観客を惹き付ける。

壮絶な運命を背負うことで、18歳という若さで小説『フランケンシュタイン』を書き上げたメアリー・シェリーの半生を描いた本作。
過酷な出来事が次々起こる中、傷ついては立ち上がり、情熱を捨てず、毅然と前を向こうとした気高いメアリー。彼女を演じきることができたのは、若くして貫禄を備えたエル・ファニングだからだといえるだろう。

怪物=聡明な18歳メアリーの謎

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小説『フランケンシュタイン』に登場する、死体から生まれた怪物。そのモデルが自分自身だとメアリーは言う。美しく聡明な、若い女性・メアリーが、なぜ容姿の醜い怪物に自分を投影させたのか、という謎は作本作の中で解ける。

200年もの長きにわたり、世界中で愛されてきた、ゴシックホラーの金字塔『フランケンシュタイン』は、映画、小説、演劇、アニメなど、多くのジャンルのクリエイターにインスピレーションを与え続けている。ティム・バートン、ギレルモ・デル・トロ、デヴィッド・リンチといった、映画界の鬼才を含む、数知れない人々だ。

『フランケンシュタイン』の怪物に人々が魅了されるのは、その背景にメアリーの存在、そして彼女の深い哀しみを感じ取るからなのかもしれない。経験を踏まえた創作が放つエネルギーというのは、圧倒的な強さがあるのではないか。

女性の権利を撮るに値するサウジ出身の監督 

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本作では、19世紀の英国に、女性蔑視の傾向があり、女性たちが苦しんでいたことが明確に描かれている。そんな中、逆境に立ち向かい、毅然と生きようとするメアリーの姿は力強く、多くの人に勇気を与えるだろう。この作品を、サウジアラビア出身の監督、ハイファ・アル=マンスールが撮ったことは、非常に重要だったのではないだろうか。

ハイファ・アル=マンスール監督が、2012年に『少女は自転車にのって』という作品を撮っている。この作品は、サウジアラビアに住む活発な少女・ワジダの生き生きとした日常を描きつつ、サウジの日常に、男尊女卑が強く残っていることを伝えた。
たとえば、家系図に女の子の名前は載らない、父親は外に家庭を作る。女子は自転車に乗ってはいけない、スニーカーもダメ、男の子とも気軽に話せない……。そんな環境の中でも、自由を掴みとろうとするワジダ。そのたくましくしたたかな姿に、明るい希望を見出すことのできる作品だ。

本作でも「社会的な立場を得られない者の苦しみ」は重要なテーマ。芯に「女生の苦しみ」のリアルさが根づき、一方で、あきらめずに希望の光を見出す勇気を信じられるのは、ハイファ・アル=マンスール監督による演出の力ではないだろうか。
弱者が苦しみ、女性ゆえに認められない社会は、現在もまだ世界中に残っている。その中で存在する人々は、明るい未来を夢見ようと今日も闘っているはずだ。本作は、そんな人々への賛歌とも感じられる。

作品ニュース

宇野亞喜良描き下ろしデザイン

特別鑑賞券は、イラストレーターの巨匠・宇野亞喜良氏の描き下ろしデザインバージョン、特典に同デザインのスペシャルノートも数量限定で発売中。ロマンあふれる美しいデザイン。 

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吉祥寺パルコでコラボキャンペーン

吉祥寺パルコのキャンペーンで『メアリーの総て』映画鑑賞券、非売品パンフレット、文庫本のプレゼント実施中。締め切りは2018年12月9日(日)。

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オススメしたい『メアリーの総て』

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  •  過酷で数奇なヒロインの運命と小説「フランケンシュタイン」の深い関連
  • 若き人気女優エル・ファニングの貫禄
  • 19世紀イギリスの衣装・美術、そのアンティークな美しさ
  • サウジ出身ハイファ・アル=マンスール監督の説得力ある演出
  • 心うたれる、意外なラスト

英国の曇った空の下、母の墓にもたれかかるヒロイン・メアリー。全編にゴシックホラーのような暗さを伴った、美しい雰囲気が流れている。

賢く可憐でありながら、過酷な運命に見舞われ、傷つきながらも、わが道を探し求めるメアリーを演じるエル・ファニングの熱演に引き込まれ、勇気を得るだろう。
また、苦しいだけの物語にならなかったところに、女性や弱者の権利に高い意識を持つハイファ・アル=マンスール監督の手腕を強く感じる。 

『メアリーの総て』作品情報

 【あらすじ】

舞台は200年前、19世紀の英国。母を亡くし、父を敬愛する少女メアリーは、作家になることを夢見ている。父は再婚しており、慕ってくる義妹とは仲がいいが、継母と折り合いが悪い。そんな継母と距離を置くため、メアリーはスコットランドに住む父の友人の屋敷で暮らすことに。屋敷の読書会でメアリーは“異端の天才詩人”パーシー・シェリーと出会い、惹かれ合う。しかし、パーシーには妻子がいた。情熱に身を任せた2人は、すべてを捨てて駆け落ちをするが、不安定な生活の中、メアリーは生まれて間もない子を失い、パーシーの愛さえも確かではなくなっていく。失意の日々の中、書くことを忘れなかったメアリーの中である「怪物」が誕生する……。

監督:ハイファ・アル=マンスール(『少女は自転車にのって』)
出演:エル・ファニング、ダグラス・ブース、スティーブン・ディレイン、ジョアンヌ・フロガット 、ベン・ハーディ、メイジー・ウィリアムズ、ベル・パウリー、トム・スターリッジ ほか
原題:MARY SHELLEY 
配給:ギャガ
<2017年/イギリス・ルクセンブルク・アメリカ合作 //121分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/PG12>
字幕翻訳:牧野琴子

 2018年12月15日(土)シネスイッチ銀座シネマカリテほか全国順次公開

© Parallel Films (Storm) Limited / Juliette Films SA / Parallel (Storm) Limited / The British Film Institute 2017

gaga.ne.jp

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【12/8公開】『マチルダ 禁断の恋』ロシア史を揺るがす官能的な恋! 帝位継承者ニコライ2世とプリマの許されざる関係

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1890年代のロシア、サンクトペテルブルク。最後のロシア皇帝ニコライ2世が、その地位を捨てんばかりに愛したのは、伝説のバレリーナ・マチルダだった。
歴史ものの絢爛豪華、クラシックバレエの美しいステージ、恋の情熱、スリリングなアクション…『マチルダ 禁断の恋』は、あらゆるジャンルを包括した映画だ。
圧倒的な魅惑を放つヒロイン、若手女優のミハリナ・オルシャンスカ(『ゆれる人魚』)の妖艶な美しさは注目を集めるだろう。

12月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町新宿武蔵野館YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー!

 
欲望か純愛か、帝位すら天秤に掛けさせた美しいマチルダ

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本作は史実を元にしているストーリー。ロシア最後の皇帝ニコライ2世と、彼が愛したバレリーナ、マチルダ・クシェシンスカヤの、情熱的でスキャンダラスな恋の物語だ。ロシアでは、皇帝の名誉を傷つける可能性からタブー視されてきた、センセーショナルな題材とも言える。

帝位継承間近に舞い降りた、魅惑のバレリーナ、マチルダ。家柄確かな婚約者・アリックスとマチルダの間で、1人の男として揺れる皇帝ニコライ2世は、むしろ人間らしい、親近感を感じる存在として好意的に描かれている。

本物のダンサーによるバレエシーンの魅力

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本作にたびたび挿入されるのが、バレエダンサーが登場するシーン。本格的なバレエダンサーならでは美しい脚の伸び、踊りによる豊かな表現が何シーンも織り込まれている。出演・振付は「ロシア・ペルミバレエ団」のバレエダンサーたち。

ロシアのボリショイ劇場を再現したステージで、華やかな衣装をまとったバレエダンサーたちの群舞は圧巻。こうしたシーンにより、多くのバレエファンも魅了するだろう。


ピュアな小悪魔、ヒロイン・マチルダの魅力

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ヒロイン・マチルダは、男たちの前で悪女のようにしたたかに振る舞ったり、強い野心を見せつけたりするものの、ひとたび情熱に火がつくと、ニコライへまっすぐな愛情を示し、切ない恋心を感じさせる。
恋だけでなく、プリマとしても役を欲しがり、強気に振る舞ったかと思えば、血と涙にまみれながら、ひとりでグランフェッテを猛練習する。美しく気高いマチルダは、ヒロイン中のヒロインといえるだろう。

演じているのは、ミハリナ・オルシャンスカ。ポーランド出身の、才色兼備と評判の高い実力派若手女優だが、現在、日本で公開されている出演作品数はまだそれほど多くない。それだけに本作で彼女が話題を集め、今後、多くの作品が公開されるようになることが望まれる。

 

作品ニュース

前売り券の特典はポストカード


美しいオリジナルポストカードが特典の、前売り券を発売中。数量限定なのでお早めに。

映画館にて美しいパネル掲出中

2014年に名称も新たに再開した YEBISU GARDEN CINEMA。現在『マチルダ 禁断の恋』の劇中シーンのパネルが飾られているそうなので、気になる方はこちらの劇場へ出かけてみては。

 

オススメしたい『マチルダ 禁断の恋』

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  • 舞台は、史実に基づいた滅びゆく帝政ロシア 
  • 美しすぎる北欧女優・ミハリナ・オルシャンスカの魅力
  • 本格バレエシーン、アクションシーンも満載
  • 恋もバレエもライバル対決!女同士のバトルが炸裂
  • 虚実が交錯する豪華な美術&衣装

女同士のライバル対決も、マチルダのスリリングな立場を色濃く見せつつ、それぞれの女性のキャラクターを、生き生きと際立たせている。

本作は、幅広い層におすすめしたいエンタメ作品。列車の横転、乗馬アクション、火災など派手な演出も多い。官能的な描写に気まずさがなければ、誰と観に行っても楽しめるだろう。


歴史、恋愛、バレエ、サスペンス、アクション、あらゆる要素が無理なく織り込まれ、さまざまなジャンルの映画ファンが楽しめる見どころが随所にある。テンポよく展開するので、観客を飽きさせず引き込む力が強い、濃厚な作品だ。

『マチルダ 禁断の恋』作品情報

【あらすじ】

19世紀のロシア帝国。次期帝位継承者のニコライは、父を亡くし継承を間近に控えていた。そんなある日、帝国旅団のための競技会を見物に来ていた美しいバレリーナ・マチルダを、ニコライは一目で見初め、2人は惹かれ合う。
しかしニコライには、すでに英国ヴィクトリア女王の孫であるアリックスという婚約者がいた。そのため、宮廷ではニコライとマチルダの関係は、歓迎されざる禁断のものとされてしまう。
「帝位継承か、戴冠を辞退か」2つの選択の間で揺れながらも、ニコライとマチルダの情熱的な恋は、婚約者・アリックス、マチルダに横恋慕するヴォロンツォフ大尉らをも巻き込みながら、ますます激しく燃え上がっていくが……。

youtu.be


 監督:アレクセイ・ウチーチェリ(ゴールデン・グローブ賞ノミネート監督)
出演:ラース・アイディンガー(『ブルーム・オブ・イエスタディ』『パーソナル・ショッパー』)、ミハリナ・オルシャンスカ(『ゆれる人魚』)、ダニーラ・コズロフスキー、ルイーゼ・ヴォルフラム、トーマス・オスターマイアー、インゲボルカ・ダクネイト ほか
原題:MATHILDE
配給:シンカ  提供:シンカ、アニモプロデュース
後援:ロシア文化フェスティバル組織委員会、駐日ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁、ロ日協会、ロシアン・アーツ 協力:ジャパン・アーツ
<2017年/ロシア/カラー/ロシア語/108 分>

12月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町新宿武蔵野館YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次ロードショー!

© 2017 ROCK FILMS LLC.

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【12/1公開】『彼が愛したケーキ職人』エルサレムの日常、そしてLGBTの境界をなくす愛

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1人の男を「恋人として愛した男」そして「夫として愛した妻」。突然、男が不慮の死をとげ、行き場のなくした愛を抱えた2人は途方に暮れてしまう。やがて男の生活拠点であったエルサレムの街で、同じ男を愛した2人は出会い、それぞれ切ない秘密を抱えたまま、ケーキ作りを通し、傷を癒し合う。しかしほどなく、互いの秘密を知ることに……。

愛する人を失ったとき、人はどうやって立ち直るのか? 失意の人々を見守るような人間賛歌だ。また世界が注目する街”エルサレム”の暮らしぶりを知ることもできる。
2018年12月1日(土)、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開

妻子ある男と育む穏やかな愛

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仕事先のドイツで知り合った腕のいいケーキ職人の青年・トーマスと恋に落ちたイスラエル人の中年男・オーレン。しかしオーレンには妻子がいる。だからトーマスは、仕事という大義名分のもと彼がドイツにやってくるのをひたすら待つ身。

妻子を憎むわけでもなく、穏やかな愛を育むトーマスは、オーレンに「妻をどんな風に抱くのか」とたずねるときも、エロティシズムを楽しむように微笑み満足げだ。
こんな愛の形もあるのだろうな、となんとなく飲み込めてしまうのは、トーマスの品のある優しげな表情と、若干むっちりしたリアルな肉体(失礼!)の賜物ではないだろうか。主人公に抜擢された俳優ティム・カルクオフは、ドイツ出身のまだ無名な俳優だが、深い愛情を備えているという説得力が感じられる。

舞台は哀愁あふるるエルサレムへ

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イスラエル人であるオーレン一家が住んでいたのは、イスラエルでありパレスチナ自治区でもある、3つの宗教の聖地・エルサレム。複雑な背景をもつ多民族都市で、世界から注目される哀愁漂う街だ。
オーレンの妻アナトは、休業していたカフェを再開するにあたって「コシェル(ユダヤ教の戒律に従ったことを示す食物規定)取得」を掲示する。

コシェルとは、聖書に基づいた食物に関する事細かな決め事で「乳製品と肉類は同じ皿やシンクを使って調理できない」など、ユダヤ教徒にとって飲食の重要な基盤であり、外国人にとってはことさら禁をおかしがちな、わかりにくい規定だ。
当然、ケーキ職人のトーマスの前に、コシェルは大きな壁として立ちはだかり、自分が異邦人であることを思い知らされるきっかけになる。

作品のメインテーマではないが、本作を観れば、エルサレムの街の雰囲気、そして人々がどんな暮らしぶりなのかを垣間見ることができる。ゲイである男性がこの街で暮らしたら、どのような生活になるか、といったことも作品を観ている中で、ある程度想像できるだろう。

ユダヤ教をどのように意識して暮らしているかには個人差もあり、しばしば、個々の戒律についてのポリシーの差で、家族が断絶されてしまう場合もあるようだ。そんなエルサレムの暮らしの匂いを背景に感じ取れる、貴重な作品だ。

 

目にも美味しい、スイーツ& スイーツ&スイーツ!

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作中に登場するケーキやスイーツも、本作を楽しむポイントになるだろう。トーマスの作るスイーツの、一つひとつの美味しそうなこと!

シンプルなシナモンのクッキーですら、香ばしさと心地いい食感が伝わってくるようだ。フルーツを使った濃厚そうなパイや、ビタースィートであろうチョコレートケーキの美しさ。華美ではなく、手をかけ味を吟味したであろう、丁寧な仕上がりやネーミングにうっとりしてしまう。

『彼が愛したケーキ職人』みどころ

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  • セクシュアリティを超え、多様性を感じるラブストーリー
  • 宗教と世俗に揺れる、エルサレムの人々の生活
  • 喪失感いっぱいの登場人物が再生していく姿に勇気を得る
  • おいしそうなケーキ&スイーツが登場
  • 主人公に抜擢された新人ティム・カルクオフの魅力
  • クライマックスで明らかになる秘密

「新しいLGBT映画」とも呼ばれている本作は、LGBTへの理解をより深め、身近に感じるきっかけにもなるだろう。この作品には、さらに先にある、セクシュアリティの境界を消し去るような深い愛情が姿を現わす。

また、本作で頭角を現したティム・カルクオフは2018年「ヴァラエティ」誌が選ぶ「観るべきヨーロッパの10人の俳優たち」の1人に選ばれている注目株。フレッシュな俳優をチェックするいい機会だ。

また、作品にミステリー要素を与えている、アナトの抱えた秘密が明らかになるときが、大きく心を揺さぶられる瞬間でもある。

作品ニュース

かわいい前売り券購入特典

劇場窓口で前売り券を購入すると、クッキー柄のマスキングテーププレゼント。数量限定とのこと。

 

東京国際映画祭での上映も好評

先日行われた「第31東京国際映画祭」上演されている本作。プロデューサーが実子と登壇し、会場を盛り上げた。作品も好評で、12月1日の公開を心待ちにしている人も多いようだ。


オススメしたい『彼が愛したケーキ職人』

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普段知る機会の少ないエルサレムの日常を背景に、最愛の人の死によって、喪失感にさいなまれた人々が再生してゆく、時の流れを描いた本作。恋人の家族にも住む街にも愛着を感じるようになっていくトーマスの、寛容な愛し方にも心惹かれる。

登場人物たちが、ケーキ作りを通して心を通わせていく。そんな”ベーキングの力”にも気づかされる 、哀愁とともに深い温もりも感じられる作品だ。
LGBT、エルサレム、イスラエル、喪失感からの再生、ケーキ作り。1つでも気になるキーワードがある人にはおすすめしたい。


『彼が愛したケーキ職人』作品情報

【あらすじ】
ベルリンで小さいながらも評判のカフェ&ベーカリーを営む青年・トーマスは、なじみ客の男性・オーレンと恋に落ちる。ドイツとイスラエルの共同事業の会社で働き、ドイツとイスラエルを行き来しているオーレンは、ドイツではトーマスと過ごし、エルサレムでは妻・アナトと子どもの元へ帰っていく。あるとき、1ヶ月で戻ると言っていたはずのオーレンが戻らず、不安にかられたトーマスは、別件の用事のふりをしてオーレンの会社をたずね、そしてオーレンの事故死を知る。

そのころ、エルサレムの町では、オーレンの妻・アナトが、亡くなった夫の手続きを片付け、新たにユダヤ教の戒律に従ったことを示す食物規定の認定を取得。休業していたカフェを再開していた。そこへ客を装いつつやってきたトーマスは「この店で働きたい」と申し出て、たまたま困っていたアナトにタイミングよく雇い入れられる。
やがてトーマスの作るケーキやクッキーが評判となり店は繁盛し、トーマスは居場所を見つけ、夫を失ったアナトもまたトーマスに癒される。しかしそれぞれがかかえていた、秘密をお互い知ることになり……。

 



監督・脚本:オフィル・ラウル・グレイツァ
出演:ティム・カルクオフ、サラ・アドラー(『運命は踊る』)、ロイ・ミラー、ゾハル・シュトラウス(『レバノン』)
 ほか
英題:THE CAKEMAKER
(日本語字幕:西村美須寿/ヘブライ語監修:根本豪)
配給:エスパース・サロウ 後援:イスラエル大使館
<2017/イスラエル・ドイツ/ヘブライ語・ドイツ語・英語/スコープサイズ/カラー/5.1ch/109分/PG12>
2018年12月1日(土)、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開

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【11/17公開】村上虹郎主演! 中村文則の小説『銃』をノワールフィルム調に映画化

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日常とかけ離れた存在「拳銃」。偶然、それを所有することによって、満たされる感覚。その「自信のようなもの」は、やがて日常を侵食し、主人公・トオルの言動を狂わせ、運命を変えていく。ノワールフィルムのような、スタイリッシュなモノクロ映像に酔いしれることができる1作だ。
2018年11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー


何よりも強く美しい存在……”銃”

 

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引き金を引くだけで、他者も自身も、一瞬にして死へと導くことができる武器"銃"。おそろしく危険で美しい圧倒的な存在だ。めったに手にすることのできない、そんなものをもし手にしてしまったら、人は一体どうなるのだろうか。

本作でそれを叶えるのは、ほころびそうな自分を取り繕い、世間とそれなりにうまくやっていながら、密かに鬱屈していた大学生トオル。
こっそり美しい銃を所持することで満たされていたが、やがてそれは分不相応な自信をもたらすことになり、トオルの言動に現れる異常さは少しずつエスカレートしていく。

愚かではあるが、わからなくもない……そう感じながらトオルの日常を見つめているうちに、作品にどんどん引き込まれてしまう。


トオルをめぐる2人の女

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明るさの中に繊細さを隠し持つ清純なヨシカワユウコ(広瀬アリス)。そしてあっけらかんと火遊びの関係を望む通称「トースト女」(日南響子)。両極とも言える2人の女性の間に身を置き、それぞれとの関係を築こうとするトオル。

2人の間でバランスを取ろうとするが、若くまだ未熟な青年であるトオルにとって、正常な関係を結ぶに至れない2人の女の存在は、むしろ狂気へ駆り立てるきっかけになっているようだ。

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『銃』みどころ

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  •  著者自ら偏愛しているという中村文則の小説『銃』を映画化
  • 村上虹郎演じる、青きアウトロー・トオルの魅力
  • 広瀬アリス、日南響子がそれぞれ両極ともいえるタイプの女性を演じる
  • リリー・フランキー、後藤淳平、中村有志らバイプレイヤーの味わい
  • フィルムノワールのようなスタイリッシュな雰囲気

小説の著者が、自分自身を少なからず反映したであろう主人公の青年・トオル。もしかしたら、誰もが心の奥に、彼に似た鬱屈した自分の姿を見ているのではないだろうか。

出自の複雑さにより弱者であった青年が、偶然手にした銃に心酔していくという危険な状況は、観るものの暗い欲望を心地よく満たしてくれるかもしれない。

女性たちや同級生、まわりの中年男たちの言動は、意図せずに、トオルの運命を少しずつ破綻へと導く。周囲との小さなやりとりが積み重なり、潤滑油のようにトオル少しずつ狂気へ追い立てていく脚本の手際も見事だ。


作品ニュース

東京国際映画祭で上映

本作は「東京国際映画祭2018」にて先行上映された。レッドカーペットにも監督やキャストが華やかに登場、会場を沸かせた。

「日本映画スプラッシュ監督賞」受賞(武正晴監督)、「東京ジェムストーン賞」受賞(村上虹郎)※11/9追記 

"狂気を偏愛する映画たち"オールナイト上映×トークイベント

11月10日の深夜、公開に先立って本作のオールナイト上映イベントが決定した。
狂気と銃を偏愛する作品をオールナイトで一挙上映、当日は豪華ゲストを招いてのトークイベントも予定。上映作品のラインナップは以下の通り。
★『GONIN』監督・脚本:石井隆
★『トカレフ』監督・脚本:阪本順治
★『タクシードライバー』監督:マーティン・スコセッシ
お問い合わせはテアトル新宿まで。

 

オススメしたい『銃』

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主演・村上虹郎は、撮影時20歳。年齢的にも無理なくピタリとハマっていて、主人公トオルには、理想的なキャスティングと言えるだろう。鬱屈した青年の心理をたどりながら観ると、実に説得力ある作品に仕上がった。村上にとっても代表作になりえたる作品だろう。

誰もが自信をもちづらい現代だからこそ、拳銃のような危険で圧倒的な存在に惹きつけられてしまう……。自分の中になんらかの欠落を認める人ならば、本作へ共感する感情が現れるのではないだろうか。
現実を離れた世界をただよい、スリルを味わうにはもってこいの作品だろう。

『銃』作品情報

【あらすじ】
大学生の西川トオル(村上虹郎)は、雨の夜、河原で男の死体を発見。そこに放置されていた回転式拳銃(コルト ローマン)を密かにアパートへ持ち帰る。美しい銃を所有していることで、今までにない自信に満たされるようになったトオルは、合コンで出会った女(日南響子)を欲望のままに抱く一方、大学で親しげに話しかけてきたヨシカワユウコ(広瀬アリス)とはあえて時間をかけて親しくなるプラトニックな関係を築いていく。
銃の存在により「冷静さ」と「気分の高揚」を併せ持つ日々を過ごす中、トオルはアパートの隣室から聞こえてくる子どもの悲鳴に自身の子ども時代を思い出したり、近所をパトロールする警察との会話を楽しんだりしていた。しかしヨシカワユウコと会った日の帰り道、公園で猫を見かけ、誘惑されるように発砲してしまう。それからしばらくするとアパートに刑事(リリー・フランキー)がやってきて……。


監督・脚本:
武正晴(『百円の恋』)
出演:村上虹郎、広瀬アリス、日南響子、新垣里沙、岡山天音、後藤淳平(ジャルジャル)、中村有志、日向丈、片山萌美、寺十吾、サヘル・ローズ、山中秀樹、リリー・フランキー ほか
原作:中村文則「銃」(河出書房新社)

配給:KATSU-do、太秦
<2018年/日本/カラー&モノクロ/DCP/5.1ch/97分/R15+>
2018年11月17日(土)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー

Ⓒ吉本興業

thegunmovie.official-movie.com

 

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【11/17公開】ゲイ・ダウン症・低身長・自閉症…"違い"がある子を迎えた親の、愛とゆるぎない希望『いろとりどりの親子』

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「親子は似るもの」と言われているし、まわりを見回せば確かに、多くはそう見える。しかし、もしもわが子が、自分と大きく違う要素をもって生まれてきたら……?
親子は一体どうなるのだろう。親は子は、自分たちの状況をどう感じ、どう考えるだろうか。

本作は、なんらかの”違い”がある親子6組にスポットライトを当てた、ドキュメンタリー作品だ。「親子は似るのが当たり前」だと考える世の中に、疑問を投げかける。そして、彼らが育くむ愛の魅力と、理解をもって"違い"を乗り越えることの素晴らしさを伝えている。
2018年11月17日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開


アンドリュー・ソロモンが集めた300のケース

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この映画には、原作がある。作家アンドリュー・ソロモンのノンフィクションベストセラー『FAR FROM THE TREE』だ。「Family Tree」とは、家系・系図のこと。そして、ことわざ「The apple doesn't fall far from the tree. 」の意味は「リンゴは木から遠いところに落ちない」=「子は親に似るもの」。日本でいう「蛙の子は蛙」ということだ。本書のタイトルはこのことわざに由来しているという。

著者アンドリューが乗り越えた困難

f:id:kappa7haruhi:20181018010624j:plain著者アンドリュー・ソロモンはゲイであり、そのことが両親との間に確執を生む原因となった。彼の両親は「異性婚をして子どもをもうけることが人生で何より大事」だと信じて疑わずに生きてきた人たちだったからだ。そしてわかりあえぬうちに母親が亡くなってしまい、アンドリューは心に深い傷を負った。しかし、時間をかけて息子を受け入れようとする父親の姿を見て、アンドリューは再び立ち上がり、自ら、あらゆる”違い”を持つ親子を取材しようと決めた。それは家族の本質を探る旅となった。

身体障がい、発達障がい、犯罪を犯した子を持つ親。ありとあらゆる”違い”を持つ親子を300組以上、10年をかけて訪ねて回った。その取材の成果を元に書かれたのが『FAR FROM THE TREE』だ。

奇跡のノンフィクションを映画化

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本作では6組の家族を追っている。ダウン症のジェイソンと著名な脚本家の母。自閉症でかんしゃくを起こすジャックとその両親。低身長のロイーニ。低身長の夫婦、リアとジョセフ。重罪を犯した息子トレヴァーとその家族。そして『FAR FROM THE TREE』の著者であるアンドリュー・ソロモン自身とその父親だ。

深刻な状況に立ち向かってきた人々が、その苦難の経験や乗り越えた方法を語るとき、多くの聞き手は、自分の中の共感する魂に気づく。絶望の中にある人には、ひとすじの光が差すだろう。彼らの言葉は、私たちに大きな勇気をあたえてくれる。

世の中に溢れかえる"違い"は、さまざまだ。だが、困難を克服するために必要なエネルギーの根源には、普遍的な"愛"がある。だから、いずれの”違い”も、困難の乗り越え方も、実はすべて似ているとも言える。一方、乗り超えた先で、彼らが見つけた”幸せの形”は、実にさまざまで、無限の可能性と希望を秘めているのだ。

『いろとりどりの親子』みどころ

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  • 奇跡のような「感動の瞬間」を収録
  • 過去にとどまらず、現在進行形でもさまざまな変化が
  • 「"違い"は人同士を分断するものではない」と心に沁みる
  • 普通”と“マイノリティ”の境界線について考えられる
  • 困難を乗り越えたハッピーな人々がたくさん登場
  • 「あきらめずに取り組むこと」への勇気がもらえる

貴重な映像も多く、 見ていて思わず涙を抑えきれぬ瞬間がいくつも映っている本作。そして過去を振り返る場面ばかりでなく、撮影中に起こる変化もあるので、ときめきながら観ることができる。

作品ニュース

『FAR FROM THE TREE』来年日本でも出版予定

世界のベストセラーとなった原作本『FAR FROM THE TREE』が、来年2019年に日本でも出版されます。

一般試写会プレゼント実施中

当サイトではないが、さまざまな媒体で2018年11月8日(木)、渋谷・ユーロライブで行われる一般試写会のプレゼントを実施中。ツイッターで「いろとりどりの親子 試写」等で検索を。この日の登壇者には、坂本美雨、レイチェル・ドレッツィン監督を予定(変更の場合もあり)。


 オススメしたい『いろとりどりの親子』

登場する6組の家族は、アンドリュー自身、そして彼が見つめてきた家族たち。「単純な6つの例」ではなく、徐々にこの6つの家族に共通する"パワー"が見えてくる。それはおそらく、アンドリューや監督が意図するところなのだろう。
”違いを持つ親子”はみな、悩み苦しんで自分自身や運命と戦う姿は、どこか似ている。そしてトンネルを抜けた先では、自由に羽ばたいていく。それぞれまったく違う「幸せの形」をつかんでいく。本作を観ることで、孤独でないことに気づき、明日を戦う勇気が湧いてくるだろう。

『いろとりどりの親子』作品情報

【あらすじ】始まりは、大きな困難に直面し、愛、共感、理解をもってそれを乗り切った親子たちを追ったノンフィクション本『FAR FROM THE TREE』がベストセラーとして世界の人々のもとに届いたことだった。作家アンドリュー・ソロモンが、親との“違い”がある子どもたちを、家族を通じて検証した一冊だ。
彼は10年をかけ、さまざまな“違い”を抱える子どもを持つ親子に取材。900ページにわたって、家族の本質を探ることに尽力した。24か国語に翻訳され、国内外の50以上の賞を受賞した本書の映画化権を、明確にテーマを理解したレイチェル・ドレッツィン監督が勝ち取ることに成功。「子は親に似るもの」という古くからの先入観に対して、まっすぐに疑問を投げかける。

監督:レイチェル・ドレッツィン
原作:アンドリュー・ソロモン『FAR FROM THE TREE Parents, Children and the Search for Identity』
原題『Far from the Tree』
配給:ロングライド
<2018年/アメリカ/英語/93分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch>
2018年11月17日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

©2017 FAR FROM THE TREE, LLC

longride.jp

 

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【10/6公開】昭和感に満ちた異色のモノクロ『シャルロット すさび』

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10月6日(土)、すごい映画が公開される。モノクロ映像の中で展開される、濃厚で純粋なエロス、神話的なFreak(フリーク)の登場……さまざまな昭和が蘇る、ノスタルジックな世界。「エッこれが新作?!」と思うかもしれないが、観ていればやがてわかる。これはまごうことなき、2017年に撮り上げられたばかりの作品だ。リスクを恐れる平成慣れした日本人には撮り得ない「衝撃的な171分」なのだ。

監督は、まさに昭和が終わりを告げようとする1988年末に日本を飛び出し、フランスで表現活動にいそしんできた現役の舞踏家・岩名雅記(いわな・まさき)、73歳。「平成の日本の30年間」を知らないという、身体的芸術家の作品だ。岩名監督の脳裏には、エロスやグロテスクが溢れていた「昭和の映画芸術」がぎっしり詰まっている。そして監督は「あの時代」を今も信じているのだという。

見慣れぬ俳優たちは舞踏家

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多くの観客にとって、知ってる俳優は登場しないはず。なぜなら、出演者のほとんどがパリ在住の舞踏家、ダンサー、パフォーマーなのだ。「舞踏」という芸術自体、馴染みのない人も多いかもしれないが、今や俳優として著名な田中泯も、元々は舞踏家。”表現”という行為に、精神的にも身体的にも高いポテンシャルを秘めている芸術家、それが舞踏家といえるだろう。

物語の主人公・男性Kは、パリに渡った日本人のパフォーマー。Kは近くに公演を控えていて、そのパフォーマンスのために必要なものがあった。それは「6ミリの厚さの板ガラス」。絶対に6ミリじゃないとダメなんだという……。
そこで6ミリガラスを求めて飛び込んだパリのガラス店で、運命の女性に出会ってしまう。バレリーナを目指してパリにやってきたが、夢半ばで敗れたという寂しい人妻・朝子だ。やがて2人は、恋に落ち、故郷・日本への旅に出ることに……。

3人の運命の女」の間で揺れる主人公

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パリを離れ、朝子と「小さな恋」の旅へと出るK。だが、実は朝子と出会った同日、帰り道に地下鉄で見世物のように衆目にさらされていた、もう1人の運命の女性、Freakのシャルロットにも出会っている。そのときKはシャルロットに「夢で会いましょう」と告げられるのだが、その言葉通り、しばらくKとシャルロットは、現実には再会しない。肉体は離れ離れなのだが、折に触れ、シャルロットはKの夢に現れる。 

「朝子とシャルロットの間で揺れるのか」というと、事はそんなに単純ではない。さらにKは、今は亡き前妻スイコの濃い記憶があり、忘れられずにいる。つまりKは、3人もの運命の女性の間で揺れ続けるのだ。脳裏に2人の女性を抱きつつ、Kは朝子との旅路に向かう。

日本・F県には、また新たなキャラクターが

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日本に渡ったKと朝子は、F県の廃村にたどり着き「二人キリ」的な愛欲に溺れて数日を過ごす。しかしこの地で、そんな2人を密かに見つめる、強烈なキャラクターたちが新たに登場する。

彼らの登場をきっかけに「市井の小さな恋物語」は流れを大きく変え始める。このあたりはぜひ劇場で味わっていただきたいところなので、詳細は控えるが、物語は冒険活劇へ、さらに「壮大な神話的叙事詩」へと飛翔することになる。

『シャルロット すさび』見どころポイント

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  • 「昭和の邦画」のエッセンスが香り、アングラ感漂うモノクロ作品
  • エロス、グロテスク、死生観、神話、冒険、笑い……あらゆるテーマが満載
  • 監督自身の経験や精神が投影され、作品に強い思念が漂う
  • 個性的出演者、その多くが舞踏家やダンサー
  • ストーリーは男女の恋愛から始まり、大きく展開していく

あらゆる昭和の日本映画的要素が詰まっている。ATG、ピンク映画、寺山……もしかしたら円谷プロも? 昭和の終わりに日本と飛び出した岩名監督は、日本にいた頃こよなく日本映画を愛したという。本作にはそんな「昭和の映像」の濃厚なエキスがたっぷり注入されている。

 また、作品には監督自身の経験が色濃く投影されているという。そのためなのか、スクリーンからは、借り物では出し得ない、強い思念が滲み出してくるようだ。

作品ニュース

  クラウドファンディング達成の注目作

上映宣伝費サポートのクラウンドファンディングで、終了間近に監督自身がツイッターで呼びかけを行ううちに、目標額を見事達成している。公開前から期待と注目を集めている話題作なのだ。

 

 

世界の映画祭への招待作品に

『シャルロット すさび』は以下の映画祭で公式招待作品となっている。

・アクロス アジア国際映画祭2018(イタリア) 
・オルタネイティブ国際映画祭2019 (キプロス共和国)
・ポルトベロ国際映画祭2018(イギリス)

岩名監督の撮った長編映画は、本作で4本目。そして過去3作品も、さまざまな映画祭で上映されおり、岩名監督のすでに世界でも注目されているのだ。

 

おすすめしたい『シャルロット すさび』

「ああ、こんなものまで!」と思わず身悶えするような「昭和のカケラ」がいっぱいに詰まっている『シャルロット すさび』。ジャンル分け不可ながら、あらゆるジャンルを内包している。それでいて破綻せず、世界観は一貫している。ちなみに「すさび」とは「遊び」あるいは「荒び」と表記し、ことの成り行きにまかせるといった意味がある。

本作は、新宿K’sシネマでの2週間の公開を予定。今回を逃すと、なかなか都内で観られる機会がないかもしれないので、ぜひこの機会にお見逃しないようおすすめしたい。

『シャルロット すさび』作品情報

【あらすじ】現代のパリ。自身のアート活動に深くのめり込んだ為に前妻スイコを失った日本人パフォーマ ーKは以前のようにシンバルを使ったパフォーマンスができずにいた。 初夏のある午後、K は公演に使う板ガラスを買うために、あるガラス店を訪れる。そこでK は日本人の女主人・朝子に出会う。何故かほろ酔いの朝子。 
同じ日突然の雨でメトロ構内に入り込んだKが見たのは大勢の人びとの視線にさらされるイタリア人のフリーク女性・シャルロットだった。「夢の中で逢いましょう」 と告げるシャルロット。その晩、Kはシャルロットとのエロティックなサイドショーの夢をみる……。

監督・脚本:岩名雅記
キャスト:クララエレナ・クーダ、成田護、高橋恭子、大澤由理、ムッシュ・デー、鈴木あい、岡崎弘、クザマ・レダ ほか
配給:Solitary Body
<2017年/日仏合作/171分/白黒+パートカラー 16:9/デジタル撮影>
2018年10月6日(土)新宿K’sシネマ・レイトショー&モーニングショーにて公開

©La Maison du Butoh Blanc 2017 白踏館

『シャルロット すさび』公式サイト

 

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