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【11/17公開】『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』満月に特殊能力が覚醒! 精神病棟を抜け出した謎の少女が育む友情と逃走

  「次世代のタランティーノ」とも評価されているアナ・リリ・アミリプール監督の長編3作目。赤い満月の夜に突如特殊能力に目覚めて精神病棟抜け出す、謎の少女の逃走を描いたポップでダークなおとぎ話。出演はケイト・ハドソン(『あの頃ペニー・レインと』)、チョン・ジョンソ(『バーニング劇場版』)。

2023年11月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷新宿シネマカリテほかにて公開

おとぎ話のようでありつつリアルで予測不能な行動

精神病棟に閉じこめられ、理不尽な生活を強いられていたと思われる少女、モナ・リザ。赤い満月の夜、突然彼女にある能力が目覚める。物語はそのパワーを使って病院を抜け出すところから始まる。

隔離されてきた彼女の心は空っぽのようで何を考えているのかわからない。とはいえ、世間のあらゆるものが目新しく未体験のものばかり。あっという間に好奇心が躍動し、まずはスナック菓子やらジャンクフードやらに夢中になる。子供のような無邪気さだ。

そんなモナ・リザが出会い、親しくなるのはシングルマザーのポールダンサー、ボニー・ベルとその幼い息子。彼らと暮らし、感じることが増え、空っぽだった心が少しずつ埋められていくハートウォーミングな展開も。一方で、追手に迫られ、バイオレンスな痛みを伴う、キレの良いアクションも繰り出される。

謎の少女の冒険譚と、おとぎ話のようでありながら、登場人物は決してステレオタイプではない。グレーな生き様がリアルなキャラゆえに、その行動や判断は予測できない。したがって、どんな展開に転ぶのかわからないのだ。型にはまらず、フラグが立てられない……それが本作の魅力1つ。

ホットなキャスティング

本作のヒロイン、モナ・リザを演じるのは、今注目のチョン・ジョンソ。『バーニング 劇場版』(2018年)にオーディションを経てキャスティングされ、あっという間にスターとなった俳優。アナ・リリ・アミリプール監督も『バーニング劇場版』でチョン・ジョンソに惹かれたという。

その後はNetflixのドラマ『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』『バレリーナ』に出演。媚びることなくハートを射抜くクールな表情はアクション作品のヒロインにぴったり。しかし包容力ある俳優なのであろう、本作ではさらにその上をいく「隔離されて生きてきた、モンスター的能力を持つ少女」というサイコパス風味の非現実寄りな設定にも説得力を感じさせ、存在感を放っている。

また、驚かされるのはシングルマザーであるポールダンサー、ボニー・ベル役のケイト・ハドソン。『あの頃ペニー・レインと』でキュートなキラキラティーンエイジャーを演じて早20年(と少し)。本作では、地の底を這うように生きてきたであろう、金に貪欲でやや浅はかな中年女を演じる。監督への信頼がこの役のオファーを受けた理由とのこと。あんなことをしたり、こんな目にあったり……と、体当たり度マックスの役なのだが、見事にハマっている。

ボニーの息子を演じる子役のエヴァン・ウィッテンも秀逸で、母親を愛しながら怒りを抱えるという複雑な子どもの立場を、リアルに演じる。賢さとキュートさの両面を見せつつ、モナ・リザと友情を育む姿が愛おしい。

パワフルでポップでダーク…広角レンズの効果も活用

「次世代のタランティーノ」の呼び声高い、イラン出身のアナ・リリ・アミリプール監督。なにゆえ彼女はそう呼ばれるのだろうか。ざっくり言えば本作は「パワフルでポップでダーク」な作品ではある。エキセントリックなキャラやスクリプト、闘う女性たち、痛そうなバイオレンスシーン、時にサイケデリックな色彩、ディテールにこだわったコスチュームとメイク、リアルでコミカルな味わい、シーンにハマる音楽。

彼女は自身の作品作りに、あらゆる監督や作品から影響を受けているとを語っている。

演出もさることながら、映像の力も素晴らしい。本作は、通常よりかなり広角のカメラを使用している。ニューオリンズの風景を隅々まで捉える必要があったためにそうしたのだという。また、広角カメラはほんの少し歪みを生じさせる。それが主人公の精神状態とマッチするという効果も狙っているそうだ。

これからも進化していくであろうアナ・リリ・アミリプール監督に要注目だ

オススメしたい『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』

  • ケイト・ハドソン、チョン・ジョンソら魅力のキャスト
  • 何が飛び出すかわからないポップな展開
  • 説明はないが、深く作り込まれた設定
  • 美しい衣装やメイク、映像へのこだわり

『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』作品情報

 【あらすじ】
12年もの間、精神病院に隔離されていたが、赤い満月の夜、突如ある特殊能力に目覚める〈モナ・リザ〉。自由と冒険を求めて施設から逃げ出し辿り着いたのは、サイケデリックな音楽が鳴り響く、刺激と快楽の街ニューオーリンズ。そこで様々な人々と出会い、特殊なパワーを発揮し始めて……。

youtu.be

監督・脚本:アナ・リリ・アミリプール
出演:ケイト・ハドソン、チョン・ジョンソ、クレイグ・ロビンソン、エド・スクライン、エヴァン・ウィッテン ほか
原題:Mona Lisa and the Blood Moon
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
<2022年/アメリカ/英語/106分/カラー/ビスタ/5.1ch/G>
字幕翻訳:高山舞子
2023年11月17日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷新宿シネマカリテほかにて公開

monalisa-movie.jp


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