東京・ミニシアター生活

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【1/12公開】『ビヨンド・ユートピア 脱北』北朝鮮からの脱出、緊迫の全行程を記録したドキュメンタリー!

飢えや貧困の根深い問題を抱え、人権侵害がはびこる、世界で最も閉ざされた国の1つ北朝鮮。そんな国から命をかけて脱出を図る5人連れの家族と、彼らを支援する1人の韓国人牧師を中心としたドキュメンタリー作品。
真実を伝えるため、隠しカメラやスマホで撮影した貴重な記録映像で綴られ「見つかったら最後」という決死の緊迫感の中、過酷な脱北の全行程を臨場感たっぷりに追う。

2024年1月12日(金)TOHOシネマズ シャンテシネ・リーブル池袋ほか全国公開

越えるべき国境は4つ 脱北の長い道のり


世界で最も閉ざされた国の1つ北朝鮮では、最高指導者である金一族が神のように崇められ、市民は自国が「地上の楽園」だと信じ込まされている。一方、飢えや貧困の問題は根深く、強制収容所や拷問・処刑といった恐ろしい人権侵害がはびこる。

そんな北朝鮮から脱出しようとするのは、反逆者やその家族として目をつけられているなどの理由から命の危険を感じている人々。きっかけは、自由を求め勇気を振るうというより、命からがら逃げ出す場合が多そうだ。

しかも、北朝鮮の国境さえ越えれば成功、というものではない。国境は1つ越えるだけでは済まず、中国、ベトナム、ラオスを越え、タイまで出てから警察に保護してもらってようやくゴール。そうすれば韓国へ亡命することができるという。その前に捕まれば強制送還され、命を失う。つまり最も大きな問題は北朝鮮の国境を越えた先にある、長い長い距離の行程なのだ。

明暗分かつ2つの家族と、脱北者を導く韓国人牧師

脱北の行程1万2千キロはとにかく過酷。「見つかったら終わり」という緊張感の中で、道無き道を進まなくてはならない。目立たぬように深夜の暗闇で、裏切り者かもしれないブローカーのテキトウな道案内。いつたどり着くかわからないジャングルや山のケモノ道を歩き、落ちたら命を失うメコン川を華奢な舟で渡る。

その手引きをするのは、今まで1,000人以上の脱北を成功させてきた韓国・カレブ宣教会牧師キム・ソンウン氏。本作の重要なキーパーソンだ。

本作で追うのは、幼い子ども2人に80代の高齢女性を含む5人家族。そして息子を呼び寄せようと奮闘する脱北者の女性。この2組の家族が、キム牧師の導きの元で、危険な脱北に挑む。

一部インタビューシーンと、説明のため短いアニメーションを挟むが、再現して演じるシーンは使用せず、ほとんどが隠しカメラや手持ちのスマホで撮影された、本来私たちが目にすることのできない、貴重な映像ばかりで綴られている。

ひたすら緊迫感が続くものの、脱北者も支援者も「平和な日常」を取り戻す場面では、幸せとはこういうことなのだ、としみじみ感じることができる。

作品ニュース

キム牧師インタビュー(当サイト運営・市川担当)公開中!

1,000人以上の脱北者を導いてきたキム牧師が来日した際、私・市川がインタビューを行った記事を文春オンラインにて配信中。なぜ、キムさんは過酷な支援活動を続けられるのか? コロナ禍にはどう過ごしていたのか? など多くの質問に答えていただきました。ぜひ読んでみてください!

(『ビヨンド・ユートピア 脱北』キム・ソンウン氏インタビュー)
「背骨が折れ、臓器を失っても…」死と隣り合わせの“脱北”の真実 移動距離1万2000キロに寄り添い続ける支援者

bunshun.jp

作品ニュース劇場で冊子本「声なき者たちの声」配布

都内・多くの劇場で北朝鮮における人権侵害の実態をレポートした冊子本を配布するとのこと。問題への理解をより深められるかもしれません。

オススメしたい『ビヨンド・ユートピア 脱北』

  • 貴重な記録映像で、過酷な脱北の全行程を知る
  • 隠しカメラが捉えた、北朝鮮の抱える人権侵害が明らかに
  • 劇映画以上!弛まぬ緊迫感を体験するドキュメンタリー
  • 日常の幸福について考える機会がある

『ビヨンド・ユートピア 脱北』作品情報

 【あらすじ】
韓国で脱北者を支援するキム・ソンウン牧師の携帯電話には、日々何件もの連絡が入る。これまでに1000人以上の脱北者を手助けしてきた彼が直面する緊急のミッションは、北朝鮮から中国へ渡り、山間部で路頭に迷うロ一家の脱北だ。幼い子ども2人と80代の老婆を含めた5人もの人たちを一度に脱北させることはとてつもない危険と困難を伴う。キム牧師の指揮の下、各地に身を潜める50人ものブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す決死の脱出作戦が行われる……。

監督:マドレーヌ・ギャヴィン(『シティ・オブ・ジョイ~世界を変える真実の声~』)
原題:Beyond Utopia
配給:トランスフォーマー
<2023年/アメリカ/英語・韓国語ほか/115分/ビスタ/カラー/5.1ch/G>
字幕監修:西岡省二

2024年1月12日(金)TOHOシネマズ シャンテシネ・リーブル池袋ほか全国公開

transformer.co.jp

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(本ページの情報は2020年6月のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

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