中国で、白血病のためのジェネリック薬が密輸入されたという実話「陸勇事件」をモデルに制作された、社会派エンタテイメント。うだつの上がらない主人公が、薬に手が届かずに死を待つばかりの白血病患者たちのために立ち上がる! 国を動かした社会問題に人情を絡ませ、アクションも満載。笑って、泣けて、ハラハラして……心熱くする話題作が、劇場公開延期を経て待望の公開。
2020年10月16日(金)新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開
2014年実際に起こった「陸勇事件」がモデルに
本作のモデルとなったのは、中国で実際に起きたジェネリック医薬品密輸入事件。通称「陸勇事件」と呼ばれている。2014年、インドから安価な抗がん剤を購入し、白血病患者に販売した中国人・陸勇が、認可を受けていない薬を売った罪により検察から起訴される。しかし、市民団体が裁判撤回を要求するデモを行ったことが影響し、陸勇への起訴は撤回、釈放となった。
この事件は、高価な薬を買えずに死を待つだけだった多くの白血病患者を救い、中国医薬業界を変えるきっかけとなった。本作のエンドロールには、こんな字幕が流れる。「2002年、白血病の生存率30% 2018年、同生存率が85%に」。
16年間で驚くほど飛躍した白血病の生存率は、医薬品や医療機器が適正価格となり、庶民の手に十分な医療が届くようになった結果の現れだ。そこに至るまで、どんなことがあったのか。事実を脚色してはいるが、それがこの物語なのである。
人情派の主人公が遭遇する必然の出会い
本作の主人公チョン・ヨン(程勇)は、インドから売れもしない強壮剤を輸入していているところに目をつけられ、白血病患者の男、リュ・ショウイー(呂受益)に白血病の薬の密輸をしてほしい頼み込まれる。
うだつの上がらないチョン・ヨンは「金が儲かる」と言いくるめられ密輸を引き受けた風に振る舞うが、その実最初から「正規の薬があまりに高い」という理不尽さにショックを受けていたりする。もともと人情の芽があるキャラクターなのだ。ダメ男風に登場するチョン・ヨンだが、ここから次々と、必然の出会いと言える人物・事件に遭遇し、覚醒するかのように本領を発揮していく。
ところで「認可されていない、必要な薬を買い付けて売りさばく」というストーリーで思い出されるのはマシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト出演の『ダラス・バイヤーズクラブ』(ジャン=マルク・ヴァレ監督/アメリカ/2013年)ではないだろうか。LGBTへの偏見たっぷりの主人公が、エイズという病を得て、患者仲間に共感する中で成長していく力強い作品だ。薬にまつわる社会的テーマは共通しているが、本作『薬の神じゃない!』は、よりエンタテイメント性が濃い印象だ。
白血病患者たちの“いい顔ぶれ”
本作は、アクションや笑い、涙を誘う人情エピソードも満載、さらにインドの旅情まで味わえるエンタテイメントだが、そのエンタテイメント性は、薬の販売に協力する“白血病コミュニティ”の顔ぶれにも現れている。
最初のきっかけを作るリュ・ショウイー(呂受益)は実に怪しげな風貌だし、白血病ネットコミュニティの管理人である美女・リウ・スーフェイ(劉思慧)は子持ちでポールダンスを踊るストリッパーだ。英語を操る人材を探せば、犯罪とは無縁なはずの牧師・リウ(劉牧師)にあたる。傍若無人そうな黄色い髪の若者ボン・ハオ(彭浩)とも最悪な出会いから、仲を深めていく。
本人が白血病であっても、身内が白血病であっても、彼らは 誰もが仲間のために一肌脱ごうという、人情に篤い人物ばかり。また「白血病患者は、薬が手に入らなければ死んでいく運命」なのだが、この中には思わぬ形で死を迎える人物も……。
また、数シーンしか登場しない人が状況を大きく動かすこともあるし、犬猿の仲だったチョン・ヨンの義弟で刑事のツァオ・ビン(曹斌)側も描いて2人の関係が変わっていったりもするし、父親たちは子煩悩な顔を見せる場面もある。ハートを掴まれるポイントは数限りない。実在の事件を、見事にエンタテイメントに昇華させた、終始ワクワクさせてくれる作品なのだ。
作品ニュース
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作品冒頭16分が観られる
『TENET テネット』は冒頭6分間をプロローグとして劇場で流したり、『ミッドナイトスワン』では15分の予告編を流したりと、この秋公開の作品は、出し惜しみなく本編部分を見せてくれる前例がある。
本作も、作品冒頭16分を公開中とのこと。ちょっと観てみたい、という方は是非! 劇場まで楽しみにしたい方はぐっとガマンで。
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オススメしたい『薬の神じゃない!』
- 2014年中国で実際に起きた「陸勇事件」がモデル
- エンタテイメント性の濃い社会派ドラマ
- 濃いキャラの群像劇としても楽しめる
- 中国の「今」を感じられる
『薬の神じゃない!』作品情報
【あらすじ】
上海で、インドの男性向け強壮剤を販売する店主・チョン・ヨン(程勇)は、店の家賃も払えず妻も子を連れて離れて行き、人生の目標を見失っていた。ある日店を訪れた慢性骨髄性白血病を患うリュ・ショウイー(呂受益)に「国内で認可されている治療薬は非常に高価だから、安価で成分が同じインドのジェネリック薬を購入して欲しい」と頼まれる。金が儲かると聞いたらチョン・ヨンは、インドからジェネリック薬を密輸・販売する。
さらにより多くの薬を仕入れるため依頼人のリュをはじめ、白血病患者たちとグループを結成。白血病患者ネットコミュニティの管理人で娘が白血病のリウ・スーフェイ(劉思慧)、英語を操るリウ牧師(劉牧師)、黄色い髪の若者ボン・ハオ(彭浩)が加わり、事業はさらに大きく拡大していく。
ついに警察に目をつけられ、一度はグループを解散したチョン・ヨンだったが、薬を絶たれた患者たちの悲痛な叫びに、再びジェネリック密輸を始める意を固めて……。
監督・脚本:ウェン・ムーイエ(文牧野)
出演:シュー・ジェン(徐崢)、ワン・チュエンジュン(王伝君)、ジョウ・イーウェイ (周一囲) ほか
原題:我不是薬神
配給:株式会社シネメディア
<中国/2018年/カラー/北京語・英語/117分/ビスタ/5.1ch>
2020年10月16日(金)新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開





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