東京・ミニシアター生活

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【2/25公開】『GAGARINE/ガガーリン』かつてパリ郊外に存在した巨大公営団地の“思い出”と“光”

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かつてフランス・パリ郊外にあった巨大な団地、ガガーリン。宇宙飛行士からその名をとったこの公営団地は、老朽化が進んでいたこともあり、パリがオリンピック開催地に決まったことを機に2019年に取り壊されてしまった。そんな団地を舞台に、取り壊しを阻止しようと奮闘する16歳の少年の青春を描く。『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』でも注目を集める女優・リナ・クードリが、本作でもキュートな魅了を放っている。

2022年2月25日(金)新宿ピカデリーヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国ロードショー!

現実にパリ郊外に存在していた「ガガーリン団地」

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ガガーリン団地のあった地域は、フランス共産主義の拠点であり、歴史的な⾰命家にちなんだ名の通りも点在するという。かつてこの団地には多くの労働階級の人々が住んでいた。ガガーリン団地は1963年の落成式に、ソ連の宇宙⾶⾏⼠ユーリ・ガガーリン本⼈を招き、仏ソ共産党の友好をアピールし植樹をした。歴史ある国営住宅だったのだ。

しかし2019年、⽼朽化していたこともありパリ五輪に向けて、団地は取り壊されてしまった。おそらくたくさんのドラマが生まれ、多くの人の思い出が詰まっていただろう。

本作の主人公の少年の名が「ユーリ」であるのは偶然ではなく、両親が息子と自分たちの未来に夢を託してガガーリンと同じ名をつけのであろう。

そして、ユーリは物理学や化学に通じ、モノづくりを楽しむ知的な少年へと成長する。

ロマの少女・ディアナとの恋

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ガガーリン団地に愛着を持つ少年ユーリは、老朽化を理由に団地が取り壊されないようにと、親友のフサームとともに、日々、あちこち修理して回っている。ある日修理の資材の調達のためにと、フサームが、ロマの少女ディアナをユーリに引き合わせる。

初めは反発しあうようなムードの二人だったが、ユーリは自由で快活、かつ知的なディアナにどんどん惹かれていく。一方ディアナもユーリに興味を抱いていく。アメリカへの移住を夢見るディアナに「あなたの夢は?」と問いかけられるが、ユーリは自分が宇宙飛行士に憧れていることを口にできずにいる。

ユーリの自作、宇宙船のような秘密基地の魅力

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ユーリは、思い出の詰まったガガーリン団地を守ろうと奮闘を続けるが、やがて行政当局の職員が調査にやってきて、団地の解体を決定してしまう。住人が次々とガガーリン団地から離れていくなか、ユーリは頼る先に予定していた母親からまで、見捨てられたことを知る。孤独を抱えたユーリはひっそりと団地にとどまることにする。そして決意を持って、秘密基地を作り始める。

この大掛かりな秘密基地があまりに美しく、まるで宇宙船のようで、切なさも忘れて心が踊ってしまう。この「宇宙船」が本作の大きなみどころなのは間違いない。

誰もが子どもの頃、公園や部屋の片隅に「秘密基地」を作ったことがあるのではないだろうか。しかも、知識をフルに生かしたユーリのそれは、はるか豪華版なのだ。光に満ちて、宇宙船らしい質感にもこだわりが……。自分自身の子ども時代を思い出しワクワクする観客も多いことだろう。

作品ニュース

『𝐆𝐀𝐆𝐀𝐑𝐈𝐍𝐄/ガガーリン』グッズ

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オススメしたい『GAGARINE/ガガーリン』

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  • かつてパリ郊外に実在した「ガガーリン団地」が舞台
  • 恋愛も盛り込まれた青春もの
  • ユーリが作る「宇宙船」の美しさ
  • 孤独と想像力が生み出したユーリの体験と世界観

『GAGARINE/ガガーリン』作品情報

 【あらすじ】
パリ東郊に位置する赤レンガの大規模公営住宅ガガーリン。赤レンガの大規模な団地に住む16歳のユーリ(アルセニ・バティリ)は、宇宙への憧れを胸に秘めながらも、かつて自分を置いていった母の帰りを待ち続けていた。ところがある日、老朽化と2024年パリ五輪のため、ガガーリン団地の取り壊し計画が持ち上がる。住人たちの退去が進む中、ユーリは母との大切な思い出が詰まった団地を守るため、親友フサーム(ジャミル・マクレイヴン)や思いを寄せるロマの少女ディアナ(リナ・クードリ)とともに、取り壊しを阻止するべく立ち上がる。

監督:ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユ
出演:アルセニ・バティリ、リナ・クードリ(『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァン ほか
原題:Gagarine
配給:ツイン
<2020/フランス/フランス語/98分/カラー/シネスコ/5.1ch/G>
2022年2月25日(金)新宿ピカデリーヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国ロードショー!

gagarine-japan.com

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©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA

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