60年代のアメリカを舞台に、円熟味あふれるスター、ダイアン・レインとケビン・コスナーが共演。2人の繊細なやりとりが味わえるロードムービー風の前半が急展開、西部劇のような正義の奪還計画と、身も凍るようなサイコスリラーへとなだれ込んでいく。レスリー・マンヴィル、ジェフリー・ドノヴァンらの怪演にも注目!
2020年8月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー
ダイアン・レインとケビン・コスナーが長年連れ添った夫婦役に
ケビン・コスナー演じるジョージは元保安官、ダイアン・レインは、その妻のマーガレット役。すでに息子は成人し、妻子もいるのだが、その息子が突然事故で亡くなってしまう。数年後、嫁のローナはドニー・ウィーボーイという男と再婚、孫のジミーを連れて新しい家庭を育むことになる。
冒頭のここまでは、エピソードを極めてタイトに凝縮。駆け抜けるようにシーンが進んでいく。
孫と元嫁を助け出せ!
時を経て息子の死を乗り越え、日常を取り戻したマーガレットは、ある日街角で家族で連れ立ったローナたちを見つける。が、次の瞬間、思わぬ光景に愕然。ドニーがローナとジョーに暴力を振るっていたのだ。さらにその後ほどなくして、ローナたちは突然、マーガレットたちに何も告げずにいなくなってしまう。
不安を掻き立てられたマーガレットは夫ジョージに相談、「孫を引き取るべき」と主張。当初、ジョージはマーガレットの心配を、筋違いの過ぎた考えだと反対していたが、結局マーガレットと共にドニーの実家があるノースダコタ州に向かって、車を走らせることに。
ここで、アメリカの風景に、ダイアン・レインとケビン・コスナーの繊細なやりとりを楽しむことができる。勝気な妻に、穏やかながら頼りになる夫。美しい自然、ある青年との心の交流……これぞロードムービー? あまりのいい雰囲気に「あれ、サイコスリラーじゃなかったの?」という疑問が湧いてくるかも……。
突然雲行きが怪しくなる、ウィーボーイ一家の登場
やがて2人は「ウィーボーイ家」の情報を得て、その一員であるビル・ウィーボーイという男に出会う。ジェフリー・ドノヴァンが演じるこの男、態度がとにかく不愉快極まりない。
それでもとにかく孫の顔を見たい、会いたい一心で、ウィーボーイ家に近づくマーガレットとジョージ。そこで待ち受けていたのはラスボス、ウィーボーイ家の女主・ブランチ…… そしてストーリーは、一気に危険なドラマへと加速していく!
本作は、ダイアン・レイン&とビン・コスナーの夫婦役でハートウォーミングな雰囲気を楽しめるのだが、突如登場するウィーボーイ家の人々の怪演が凄まじい。この人物の対比が急展開を呼ぶのである。
オススメしたい『すべてが変わった日』
- 豪華な共演ダイアン・レイン&ケビン・コスナー
- 穏やかなロードムービー(半ばまで)
- 怪演揃いのウィーボーイ一族
- 突如、緊迫のサイコスリラーに展開
ダイジェストのような序盤、ロードムービーのような前半、そしてサイコスリラーへとなだれ込む。変わった構成の作品だが、思わぬジャンル違いの観どころも楽しめる。
『すべてが変わった日』作品情報
【あらすじ】
1963 年、モンタナ州の牧場。元保安官のジョージ・ブラックリッジ(ケビン・コスナー)は、妻のマーガレット(ダイアン・レイン)、息子のジェームズ(ライアン・ブルース)、その妻のローナ(ケイリー・カーター)、生まれたばかりの孫のジミーと幸せに暮らしていた。しかしある日、ジェームズが落馬してこの世を去るという悲劇に見舞われる。
3年後、ローナはドニー・ウィーボーイ(ウィル・ブリテン)という若者と再婚し、家を出て行く。ところがある日、マーガレットはスーパーの駐車場で、ドニーがローナの頰を叩いているのを目撃。後日改めてローナたちが住む家を訪ねるが、3人はすでに引っ越していた。胸騒ぎを感じたマーガ レットは、ローナとジミーを取り戻すことを決意する。反対していたジョージだが妻を説得することができず、ともに車に乗り込み、ノースダコタ州にあるドニーの実家へと、救出の旅に出るが……。
監督・脚本:トーマス・ベズーチャ
出演:ダイアン・レイン、ケビン・コスナー、ケイリー・カーター、レスリー・マンヴィル、ウィル・ブリテン、ジェフリー・ドノヴァン、ブーブー・スチュワート ほか
原題:Let Him Go
原作:ラリー・ワトソン
配給:パルコ ユニバーサル映画
<2020年/アメリカ/114分/PG12>
2020年8月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー
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