東京・ミニシアター生活

主に都内のミニシアターで上映される新作映画の紹介をしています。

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【3/1公開】『天国でまた会おう』美しくユーモラス、かつ痛みを伴う寓話!仮面の青年と運命を共にした友情の日々

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第一次世界大戦直後のフランスを舞台に、めくるめく魔術のような美しい映像と、先の読めないストーリーで心を掴まれる、5部門のセザール賞を受賞した話題作!  戦争のおろかさ、父と息子の確執、年の差を超えた友情など、普遍的なテーマを描きつつ、観たこともないエンタテイメントが展開する。

2019年3月1日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

戦火をくぐる迫力の戦闘シーンから始まる物語

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本作は冒頭から激しい戦火のシーンが展開する。悪意たっぷりな上官・プラデルのせいで、せっかく休戦目前だというときに大量の死者を出す銃撃戦に…。のっけから迫力いっぱいで、観ているだけで、戦地の恐怖を体感したような気分になる。

この戦いで、中年男アルベールはすんでのところで芸術家肌の青年、エドゥアールに命を救われる。2人の間に固い絆が生まれるが、同時にエドゥアールは、美しかった顔の下半分吹き飛ばされるという悲劇に襲われる。

この描写は「PG-12」部分なのだろう、エドゥアールが重症を負った姿はおそろしく、痛々しい。戦争の悲惨さが、なんのオブラートにも包まれずどっしりとのしかかってくる。

歓迎されない帰還兵としてのパリ暮らし

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命の恩人の回復を願うアルベールだったが、九死に一生を得たエドゥアールは、自分の顔を見て驚愕する。御曹司のエドゥアールは「こんな姿で家に帰れない」と訴え「自分は死んだことにしてほしい」と願う。エドゥアールは、もともと父親と不仲だったのだ。

アルベールはほかの兵士の屍を代用したり、書類をごまかしたりして、エドゥアールの望みを叶えてやろうと奮闘する。戦後のどさくさの中では、実際に偽装ができたかはともかく、兵士の生死を取り違えられるといことは、世界中の戦地で起こっていることだろう。

こうしてエドゥアールは青年らしい美しさを失っただけではなく、存在しない人間となってしまった。さらに声も失い、痛みと戦う後遺症に苦しむようになる。

パリに戻ったアルベールは、エドゥアールのため、手段を選ばず痛み止めのモルヒネを運んでやるが、仕事も金もない2人の生活は行き詰まり、追い詰められ、お互いにやるせなさをぶつけ合うようになってしまう…。

美しい仮面をはじめ、味わい深い美術をが次々と

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身も心も傷ついていたエドゥアールは、身寄りのない少女、ルイーズと心を通わせるようになる。喋れないエドゥアールが言いたいことは、ルイーズが通訳のようにアルベールに伝えることができた。

また、芸術の才能あふれるエドゥアールは、崩壊した顔を隠しながら装える、自作の美しい仮面を被ることで、わずかに立ち直っていく。

ここで登場する数々仮面がすばらしい。ユーモラスな仕掛けがある仮面、有名な絵画を思わせる仮面など、魅惑の芸術品となっている。ここから、次々現れる仮面を楽しみに、作品を観てくことができる。味わいある家具や小道具の美術にも、目を引かれる。

やがてエドゥアールは、帰還兵に冷たく、戦没者を勇者扱いする風潮を逆手に取って、国を相手に金をだまし取る詐欺を思いつく。しかし一方で、このころ実家では、エドゥアールが知り得なかった、とんでもない変化が訪れていた…。

作品ニュース

公開記念の「デコレーション仮面作りワークショップ」を開催

芸術の才能あふれるエドゥアールが作る、数々の美しい仮面もみどころのひとつ。そんな本作にちなんで、仮面作りにチャレンジできるワークショップが2019年3月2日(土)に開催され、参加者を募集している。

講師は幅広い活動で人気のイラストレーターで、仮面創作家の顔ももっている”白ふくろう舎”さんだ。

 


さまざまなコメントをツイートにて発表

『天国でまた会おう』公式アカウントでは、文化人や著名人の作品感想コメントを次々ツイート中。

作品エピソードも併せてつぶやかれているので、追いかけてみると作品への理解が深まる。こちらでは、俳優でもあるアルベール・デュポンテル監督が主演もつとめることになった経緯を紹介している。

 

オススメしたい『天国でまた会おう』

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  • ユーモラスな雰囲気の中で描かれる"戦争の悲惨さ"
  • "父と息子の確執"という普遍的なテーマも
  • 仮面をはじめ、美しいビジュアルがいっぱい
  • コメディ要素もいっぱいのエンタテイメント
  • 青年と中年男そして少女の、世代を超えた愛と友情

シンプルなタイトルからは想像できないほど、さまざまな要素が絡まり合い、ぎっしりと詰まっている本作。繊細で奇妙な仮面をはじめとした美しいビジュアルに満たされながら、戦争の悲惨さも伝え、家族や友情について描き、軽快な笑いも満載。

洒落ていながら、古き良き映画のエッセンスを感じさせ『スティング』のような冒険活劇であり、チャップリン作品のように社会問題提議やロマンスが両立され、クストリッツァ作品のような寓話性まで兼ね備えている。そして、最後には切なくもハッピーになれる、感性にも贅沢な感動作なのだ。

『天国でまた会おう』作品情報

【あらすじ】
1918年、第一次世界大戦・休戦目前の西部戦線。戦争好きな上官のせいで、戦火の中で生き埋めにされた中年男・アルベールを救った良家の青年・エドゥアールは、そのとき顔に重傷を負ってしまう。

パリに戻った2人を待っていたのは、戦没者を称え、帰還兵に冷たい世間。エドゥアールは後遺症をかかえ、生還を実家にひた隠しにする。一方アルベールは仕事も恋人も失いながら、エドゥアールを支えて生きようとする。そこに、声を失ったエドゥアールの想いを“通訳”する少女が加わり、人生を巻き返すため、国を相手にひと儲けする大胆な詐欺を企てる。だが、そこには隠された本当の目的があった…。

© 2017 STADENN PROD. – MANCHESTER FILMS – GAUMONT – France 2 CINEMA

監督:
アルベール・デュポンテル
脚本:アルベール・デュポンテル、ピエール・ルメートル
出演:
ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート(『BPM ビート・パー・ミニット』)、アルベール・デュポンテル(『ロング・エンゲージメント』)、ロラン・ラフィット(『エル ELLE』)、ニエル・アレストリュプ(『真夜中のピアニスト』)、エミリー・ドゥケンヌ(『ロゼッタ』)、メラニー・ティエリー(『ザ・ダンサー』) ほか仮面制作:セシル・クラッチマー


原作:
ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』
原題:Au Revoir Là-Haut 英題:SEE YOU UP THERE
配給:キノフィルムズ、木下グループ
<2017年/フランス/フランス語/117分/カラー/シネマスコープ/5.1ch/PG-12>
日本語字幕:加藤リツ子
©Jérôme Prébois / ADCB Films(スチール)

2019年3月1日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

tengoku-movie.com

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