東京・ミニシアター生活

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【2/22公開】『ビール・ストリートの恋人たち』気高く生きる恋人たちは、過酷な運命を乗り越えられるのか?

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『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督が再び、美しくも切ない作品を撮り上げた。運命の絆で結ばれた、若く気高い恋人たち。強い意志のもと、2人が家族とともに悲劇を乗り越えようと闘う姿を描く。米アカデミー賞®受賞への期待も高まる、珠玉の名作だ。

2019年2月22日(金TOHOシネマズ シャンテ他全国公開


映像美が「内面の輝き」「人間の尊厳」を映し出す

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バリー・ジェンキンズ監督の前作『ムーンライト』は、映像が美しさが話題となった。前作で、海辺の月の光に、少年の肌が青味を帯びて輝いていたシーンが印象深い。

本作もまた、色が映える鮮やかな映像がとても美しい。衣装や小道具・美術もすみずみまで気配りされ、人物の肌や瞳も美しく輝く。どこを切り取っても美しい映像ばかりだ。とりわけ、メインキャストは美しく映し出されている。

たとえば、アーティストである主人公ファニーが、アートを手がけているシーンには、ファニーという青年の、高い芸術性と気高い人物像が浮かび上がってきて観るものの心に深く刻み付けられる。

本作は全篇が美しい映像であるが、その中にさらに、人の内面の美しさや気高さを表し、説得力を与える印象深いシーンが、たくさん見つけられるのだ。


「社会への怒り」と「みずみずしいラブロマンス」の共存

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本作には1974年に発表された原作がある。著者はジェイムズ・ボールドウィン。人種問題をテーマにした作品が多く、公民運動家でもあった作家だ。
本作で若い恋人たち・ティッシュとファニーは、人種差別によりあからさまな冤罪事件に巻き込まれ、引き裂かれてしまう。この事件を作品の主軸にしているのは、理不尽な差別が行われる社会へ示した、強い怒りの表れだろう。

その一方で、ジェイムズ・ボールドウィンは、官能的なラブロマンスの表現も得意とする作家だ。本作でも、そのもうひとつの面、若い恋人たちのみずみずしさ、ロマンチックなラブストーリーも描く。

社会的な怒りと、美しい愛を共存させるジェイムズ・ボールドウィンの世界観は『ムーンライト』で評価を得たバリー・ジェンキンズ監督との相性の良さを感じさせる。


ファッション性の高さにも注目!

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ティッシュのリヴァーズ家と、ファニーのハント家は、どちらもニューヨークのハーレムに住む黒人の一家。1970年代当時、ハーレム内では階級の差があったという。ハント家は、ハイクラスだ。それゆえにハント家の女たちは、ティッシュの妊娠を打ち明けられても、ティッシュとファニーの結婚を望まず祝福できない。

しかしティッシュも、19歳にしてデパートの香水売り場で働いているおしゃれな女性。おそらく、なんとかやりくりしながらおしゃれを楽しみ、美しく身なりを整えているのだろう。オードリー・ヘプバーンのように可憐で美しいスタイルだ。

ティッシュをはじめ登場する女性たちは、1970年代を意識した、美しくて仕立ての良い衣装を身にまとっている。ここも見どころなので、ぜひ素晴らしいファッションにもご注目を。


作品ニュース

レジーナ・キングがゴールデン・グローブ賞助演女優賞

ティッシュの母親・シャロンを演じたレジーナ・キングが、本作でゴールデン・グローブ賞助演女優賞を受賞。テレビドラマでは、エミー賞を2度も受賞していたレジーナ・キング。今や映画界にも強い印象を与えている。

また、本作は米アカデミー賞®には、助演女優賞、脚色賞、作曲賞と3部門でノミネートされており、こちらでも受賞に期待が寄せられている。

 

恋人たちにオススメのダイニングカフェとタイアップ

本作は、プロジェクションマッピングを楽しめるダイニングカフェ「and people ginza(アンドピープル ギンザ)」とタイアップ中。作品をイメージさせるショコラスイーツが期間限定で登場。
and people ginzaのメインフロアでは、プラネタリウムが満天の星空を映し出すそうだ。作品を観た後に立ち寄れば、より気分も盛り上がりそうだ。

 

オススメしたい『ビール・ストリートの恋人たち』

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  • 人物の内面まで浮かび上がらせる、珠玉の映像美
  • カラフルで美しい、こだわりの衣装や美術
  • 理不尽な社会への怒りを込めた力強いメッセージ
  • 運命に挑む若い2人の強さと、ラブロマンス
  • 主人公たちを包む深い家族愛

リヴァーズ家のファミリー、そしてファニーの父フランクは、2人を祝福する。そして親身になって共に戦う家族愛の強さを見せてくれる。

中でもティッシュの母・シャロンのキャラクターは、特に印象深い。この印象深い演技で、レジーナ・キングは、いくつかの助演女優賞を受賞したりノミネートされたりしている。彼女の演じる母親像も大きな見どころだ。

『ビール・ストリートの恋人たち』作品情報

【あらすじ】
舞台は1970年代ニューヨーク・ハーレム。幼なじみだった19歳の少女ティッシュと22歳の青年ファニーは、運命の恋人同士となった。

やがてティッシュはファニーの子どもを身ごもるが、同じ頃、白人警官とトラブルを起こしたファニーは、まったく身に覚えのない罪で逮捕されてしまう。

面会室のガラス越しにしか会えなくなってしまった2人だが、冤罪を晴らしてファニーを助け出そうと、ティッシュとその家族は奔走する。しかしそこには様々な困難が待ち受けていた…。

監督:バリー・ジェンキンス
原作:「ビール・ストリートの恋人たち」ジェイムズ・ボールドウィン著(川副智子訳、早川書房刊)
出演:キキ・レイン、ステファン・ジェームス、レジーナ・キング、コールマン・ドミンゴ ほか
原題:If Beale Street Could Talk
配給:ロングライド
<2018年/アメリカ/英語/119分/アメリカンビスタ/カラー>
字幕翻訳:古田由紀子
2019年2月22日(金TOHOシネマズ シャンテ他全国公開
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