東京・ミニシアター生活

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【8/30公開】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』タランティーノの溢れる映画愛! 1969年のハリウッドとカルトファミリー事件を描く、コメディ&スリラー

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約4年ぶりとなるクエンティン・タランティーノ9作目の新作! 架空の俳優&そのスタントマンというバディの目を通し、変化しつつある1969年のハリウッドを描いたコメディ&スリラー。実在する人物たちも多数登場し、26歳でカルト集団に殺害された悲劇の女優シャロン・テートがヒロインに。切なさや胸の痛みを抱えながら、馬鹿らしいほど華やかなハリウッドのきらめきをみつめ続ける161分!

2019年8月30日(金)全国ロードショー

レオ&ブラピがバディ! 彼らのキャリアにも想いを馳せる

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レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットは、今回なんと初共演。思えばいろんな作品に出演してきた2人。90年代初頭くらいから注目を集め、今も活躍を続けるキャリアある2人だけに、誰もが「あの映画はあの頃観たな〜」と自分史に重ねてそれぞれの出演作を思い返すことができるだろう。レオとブラピは、90年代頃から続く、時代のアイコン的存在とも言える。

そして2人とも、さまざまな荒波を乗り越え現在に至る。レオは10代で天才と呼ばれ、その後大作で主演を飾ってきたのに「どんな役を好演してもアカデミー賞を取れない俳優」と噂されたり(2016年にようやく主演男優賞を受賞!)、人気スターなのにブラピは鬱を抱え、私生活がうまくいかなかったり…。

そんな2人だからこそ、今回は満を持しての配役&共演と言えるだろう。レオは人気のピークを過ぎ、中年にさしかかったテレビ俳優リック・ダルトン役。そしてブラッド・ピットは、彼の専任スタントマン兼付き人クリフ・ブース。しょぼくれて泣き言ばかり言っているリックを、クリフは無骨に励まし続ける。そして2人の絆は固い。

意表をつくキャスティングではなく、今までなぜこういう役をやってこなかったのか、と疑問が湧いてくるほど、ぴったり過ぎる役柄。人間的魅力に溢れ、ずっと観ていたくなる2人なのだ。ファンと本人へ、タランティーノからの最高のプレゼントに思える。

あまりに衝撃的で陰惨な「シャロン・テート事件」を素材に…

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ロマン・ポランスキーの妻となった26歳の美貌の女優・シャロン・テートが、カルト集団に惨殺されてしまうという恐ろしい事件は、実際に1969年にハリウッドで起こった。引っ越してきて間もないハリウッドの豪邸で、友人とともにいたところマンソン・ファミリーに襲われ、無残にも刺殺されてしまったのだ。しかもシャロンは妊娠中。胎児もろともその刃に倒れ、この世を去った。

タランティーノはこの事件を、本作の大きな軸として登場させた。ハリウッドのセレブたちを震撼させ、映画ファンの心にいまも暗い影を落とすこの「シャロン・テート事件」は、1969年のハリウッドを描くならば避けては通れない…。レオとブラピ演じるコンビが軽快なコメディを演じている中でシャロンが初めて登場する瞬間、運命を知る観客の心は、さっと青ざめてしまうかもしれない。

しかしこのマーゴット・ロビー演じるシャロンの可愛らしいこと! 自分の出演作を映画館に観に行き、客の反応を楽しんだり、パーティでヘソ出しルックで踊ったり。最期には悲しい運命を辿ったシャロンだが、女優として美しい20代の女性として、その輝きに満ちた時間がスクリーンで蘇ったようで、彼女の運命を知るわれわれの心も温かくなだめられるようだ。

ストレートで無垢な映画愛を享受する甘美!

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ユニークな作風に加えマニアックな映画愛、本人の愛嬌あるキャラクターで、映画ファンに愛されてきたクエンティン・タランティーノ監督。しかし近年、Me Too運動が起こった流れの中に関わり、監督業に戻れるか案じていたファンもいただろう。

そんな影響があるのかないのかはわからないが、今回のタランティーノ作品は一味違う。もちろん念入りなリサーチをベースにした登場人物、音楽、小道具、衣装、美術も素晴らしく、映画愛の深さ・こだわりは変わらずそのまま。しかし今回は、特別にストレートで無垢な印象を受ける。キャストへの惜しみない愛情もグイグイ伝わってくる。

そして、PG12ではあるが、露悪性や雑味は、ここぞというところ以外、抑えられているようにも見える。照れを捨てたのか、まっすぐな愛に溢れた風味が広がってくるのだ。なんとなく、過去作品よりも幅広い客層に受け入れられそうだ。

この作品のプレスには「作品を観る人には、何事も事前に明かされることなく楽しんでいただきたい」というタランティーノ監督の言葉が添えられていた。ゆえに何事も明かせない訳ではあるが、おそらく多くの観客が、エンドロールをケタ外れに胸熱な思いで見つめることになるだろう…とだけはお伝えしたい。

作品ニュース

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オススメしたい『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

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  • 見せ場満載! レオ&ブラピが魅力溢れるバディ役
  • マーゴット・ロビー演じるキュートなシャロン
  • 見事に蘇る1969年のハリウッドの日々
  • 恐怖のカルト集団マンソン・ファミリーの再現
  • 衝撃的な“ラスト13分”

1969年のハリウッドを描いた映画愛に満ちた本作。タランティーノ作品でも、今度はデートムービーとしてチョイスしてもOK(多分)。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』作品情報

【あらすじ】
リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は人気のピークを過ぎたTV俳優。映画スター転身の道を目指し焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は彼に雇われた付き人でスタントマン、そして親友でもある。

目まぐるしく変化するハリウッドで生き抜くことに精神をすり減らしているリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。パーフェクトな友情で結ばれた二人だったが、時代は大きな転換期を迎えようとしていた。

そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進の女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が越してくる。今まさに最高の輝きを放つ2人。この明暗こそハリウッド。

リックは再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが…そして、1969年8月9日、それぞれの人生を巻き込み、映画史を塗り替える事件は起こる。

監督・脚本:クエンティン・タランティーノ

出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、エミール・ハーシュ、マーガレット・クアリー、ティモシー・オリファント、ジュリア・バターズ、オースティン・バトラー、ダコタ・ファニング、ブルース・ダーン、マイク・モー、ルーク・ペリー、ダミアン・ルイス、アル・パチーノ 

“マンソン・ファミリー” 
デイモン・ヘリマン、レナ・ダナム、マディセン・ベイティ、マイキー・マディソン、ジェームズ・ランドリー・ヘバート、マヤ・ホーク、ヴィクトリア・ペドレッティ、シドニー・スウィーニー、ハーレイ・クイン・スミス、ダラス・ジェイ・ハンター、カンザス・ボウリング、パーカー・ラブ・ボウリング、キャシディ・ヴィック・ハイス、ルビー・ローズ・スコッチドープル、ダニエル・ハリス、ジョセフィン・クラーク

スクート・マクネイリー、クリフトン・コリンズ Jr.、コートニー・ホフマン、マルコ・ロドリゲス、ラファル・ザビエルチャ、ドリーマ・ウォーカー、レイチェル・レッドリーフ、レベッカ・リッテンハウス、ルーマー・ウィリス、マーティン・コーヴ、クルー・ギャラガー、レベッカ・ゲイハート、スペンサー・ギャレット、カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、マイケル・マドセン ほか

原題:ONCE UPON A TIME… IN HOLLYWOOD
<2019年/アメリカ/161分/PG12>
字幕翻訳:松浦美奈
配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2019年8月30日(金)全国ロードショー

www.onceinhollywood.jp

 

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