東京・ミニシアター生活

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【4/24オンライン先行公開スタート】『ホドロフスキーのサイコマジック』驚くべき癒しの世界が展開!

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91歳になるアレハンドロ・ホドロフスキー監督の新作は、ほぼドキュメンタリーであるアートセラピー“サイコマジック”処方行為の記録。ドイツの精神分析学者と共に精神分析を学んだホドロフスキーが、人生の闇に迷った人々の「無意識を覚醒」させ、奇跡を起こす。アートとして人々に施す“サイコマジック”のアプローチは美しくも赤裸々。そしてその結果を見守ることは、驚くべき体験となるだろう。

2020年4/24(金)、全国の映画館支援寄付込みのオンライン先行上映がスタート
2020年6/12日(金)アップリンク渋谷アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

ホドロフスキーによる“サイコマジック”とは

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家族関係や自分自身ついて思い悩むことの多い人生を歩んできたアレハンドロ・ホドロフスキー監督。彼は、映画人としてだけではなく、心理分析を長く熱心に学び、研究してきた。そしてその学びと研究に閃きと献身を織り込みながら“サイコマジック”という心理療法を考案した。

“サイコマジック”の心理的効果は、今までのホドロフスキー作品の劇映画にも色濃く現れていた。しかし今回は、劇映画ではなく、“サイコマジック”を一般の、あるいはアーティストの被験者に処方した、実際の記録を公開。本作によって、アートとしてのさまざまなアプローチを行う心理療法“サイコマジック”の全貌が明らかになる。

アートが人を癒すことを目の当たりにする映像体験

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土に埋められたり、全裸になったり、スカイダイビングをしたり……ホドロフスキーの施す“サイコマジック”には、かなりの荒療治が伴う。これを受けるには相当な覚悟が必要だろう。実際多くの相談者は施術を辞退するらしい。しかし、本作には10人もの処方体験者が登場する。

彼ら・彼女らは、ただ好奇心や勇気があって“サイコマジック”に飛び込むわけではない。あまりに重い悩みで「もう生きていられない」というくらい切迫しているのだ。

父から虐待され自殺寸前に追い込まれた人、母親を一度も愛したいことのない女性、自分の女性性と男性性の調和に悩むチェロ奏者、吃音症に悩む中年男性、結婚式前日にパートナーが事故死した女性など10名。身の上を話す彼ら・彼女らの様子には胸が痛む。

この作品では、そんな彼らの表情が“サイコマジック”によって徐々に変わっていく様子、あるいは一変する表情を目撃することになる。喜びか、感動か……何を感じるかは人によって違うだろう。しかし何らかの衝撃を受けることは間違いない。

『リアリティのダンス』『エンドレス・ポエトリー』の原点が明らかに

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ホドロフスキー監督が近年発表した『リアリティのダンス』(2013年)『エンドレス・ポエトリー』(2016年)の何シーンかが、本作に挿入されている。本作では過去のホドロフスキー作品そのものが“サイコマジック”であったことが明らかにされる。

アーティスティックで、ときにはグロテスクであるこの2作品は、幼少期・青年期のホドロフスキー自身や、若き日の父親を主人公として描かれている。

父親との相容れない関係や自身の数奇な運命など、作品作りのモチーフに事欠かない人生を歩んできたホドロフスキー監督。だが、単純なネタとして自身の人生を切り売りしたわけではない。この作品を作ること自体がホドロフスキー自身を救い、あるいは出来上がった作品観ることが、類似したトラウマを抱えた人々を救うことになったはずだ。

しかもホドロフスキー役や父親役を演じるのは、ホドロフスキーの実の息子たちという濃厚さ。さらに白髪にヒゲをたくわえた自身も、その光景に飛び込んでいく。こうしたキャスティングは、家族びいきゆえでも、低予算で作品を作るためでもなく、必然のキャスティングなのだ。

「ホドロフスキーの映画は全て“サイコマジック”だった」という意味が顕著にわかるこの2作品は、全編を併せて観ることをおすすめしたい。

作品ニュース

『リアリティのダンス』『エンドレス・ポエトリー』も配信中

アップリンクでは、オンライン上映「アップリンク・クラウド」で上演してきた作品を配信中。60本以上見放題のプランが3カ月間で2,980円。寄付込みのプランもある。

この中にはアレハンドロ・ホドロフスキー監督の『リアリティのダンス』『エンドレス・ポエトリー』も含まれている。是非とも併せて観て欲しい2作品だ。

 
関連グッズ販売

本作公開を記念してオリジナルグッズも販売。「サイコマジック」に惹かれた人は、グッズもチェックしてみては。

 

オススメしたい『ホドロフスキーのサイコマジック』

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  • “サイコマジック”に癒される10人の変化
  • アートでありながら心理に直接働きかける施術のアイデア
  • 「ホドロフスキー作品は“サイコマジック”だった」とは?
  • 悩める人々への、ホドロフスキーの献身的な愛情

“サイコマジック”は過去のホドロフスキー作品にまで遡って繋がっている。 ホドロフスキー作品に惹かれた人は必見。

『ホドロフスキーのサイコマジック』作品情報

【あらすじ】
「サイコマジック」とはホドロフスキーが考案した心理療法。実際にホドロフスキーのもとに悩み相談に訪れた10 組の人々が出演し、「サイコマジック」がどのように実践され、作用しているのかを描く。 長年にわたり個人のトラウマに応答する一方、本作後半で圧巻の社会的な実践「ソーシャル・サイコマジック」を展開。

また、自身のこれまでの作品での映像表現が、いかに「サイコマジック」という技法によって貫かれているかを解き明かしていく。

監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、アルチュール・アッシュほか
原題・英題 :Psychomagie, un art pour guerir
配給・宣伝:アップリンク

<2019 年/フランス/104分/フランス語、スペイン語、英語/1:1.85/5.1ch>
日本語字幕:比嘉世津子

2020年4/24(金)、全国の映画館支援寄付込みのオンライン先行上映がスタート
2020年6/12日(金)アップリンク渋谷アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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©SATORI FILMS FRANCE 2019 ©Pascal Montandon-Jodorowsky 

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(本ページの情報は2020年6月のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

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