東京・ミニシアター生活

主に都内のミニシアターで上映される新作映画の紹介をしています。

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【12/28公開】『それだけが、僕の世界』イ・ビョンホン演じる兄が、サヴァン症候群の弟との絆をたぐる感動作

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韓流スターであるイ・ビョンホンは、かつてないタイプの役作りをし、弟役パク・ジョンミンは、サヴァン症候群の特徴を適確にとらえ、ピアノを奏でる。さらに老母演じるユン・ヨジョンの涙を誘う演技も加わり、三者三様、それぞれの役を生きる俳優たちと、そのアンサンブルを堪能できる本作。

笑ったり泣いたりしながら、人間の可能性、そして「人と絆を結ぶことで世界が豊かになる」ということを気づかせてくれる、ハートフルストーリーだ。

2018年12月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

朴訥なボクサーの兄を演じたイ・ビョンホンの新たな魅力

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今回、主演ながらスターオーラを封印したイ・ビョンホン。
図太そうな立ち居振る舞いで、カッとするとすぐに手が出てしまう元ボクサーのジョハを、ときにコミカルに、ときにシリアスに演じる。
肉体はしっかりボクサーであることを感じさせる筋肉美だ。一方、ぱっと見に「この前髪は……」と気になってしまうが、これは「見た目に気を使わない」というキャラクターを表現しているのだろう。

ジョハは、中年のオジさん丸出しでありながら、同時に捨てられた少年の自分を心の奥に住まわせたままでいる。それゆえに優しく、それゆえに一度火がつくと激昂してしまう。心の奥に優しさを奥に秘めた不器用さ(なんとなく俳優・遠藤憲一っぽさを感じる)は、ジワジワと愛おしくなってくる。
今までにない役作りで、新たな魅力を発揮しているだけに、スターであるイ・ビョンホンに今まであまり思い入れがなかった人にも、本作での彼は強く心に残るだろう。

コミカルでピュア。サヴァン症候群のピアニストを演じたパク・ジョンミンの豊かな表現

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1988年公開の映画『レインマン』(バリー・レヴィンソン監督、トム・クルーズ、ダスティン・ホフマン主演)以降、どんどん認知度が上がってきた「サヴァン症候群」という症例。知的障がいや発達障がいを抱える一方、特殊な才能が開花する人たちだ。

今回、パク・ジョンミン演じるジンテは、障がいにより自立できず母に頼りきりな日常を送りながら、ピアニストとしての才能を芽生えさせた人物。特徴的な動きやしゃべり方をものにし、ピアノも代役なしで弾きこなしている。撮影3カ月前から猛特訓し、数々のクラシック曲を覚えたそうだ。

技術的にも素晴らしいが、パク・ジョンミンの豊かな表現はその先にある。無表情さを利用したコミカルな演技でさんざん観客を楽しませた後、クライマックスでは感動的な表情を見せる。胸がいっぱいになる瞬間を、ぜひ劇場で堪能してほしい。


苦労を重ねた母の献身。ユン・ヨジョンの凄みある演技

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弟のジンテを溺愛する親バカの母インスク。しかし、それが不快にならず可愛らしく見えるのは女優ユン・ヨジュンの腕なのだろう。一方で、ときに兄ジョハに心ない言葉を浴びせてしまう、愚かさもリアルな老母に見える。
作品によってはハイソなマダムを演じることもあるユン・ヨジュンだが、本作では、かなりの庶民寄りの母親役だ。

なぜ母インスクは、若き日にジョハを捨てて家を出てしまったのか、そして今、なぜまた家を空け、兄弟を2人きりにするのか。様々な悲劇を乗り越え、ときにはドロップアウトする母インスクには、愛と意地が心を打つ、凄みあるドラマが用意されている。

作品ニュース

アドリブ満載でノリノリだったイ・ビョンホン

『それだけが、僕の世界』では、芸達者な役者が揃ったことで、アドリブが満載になったという。軽妙なやりとりが楽しめるのも本作の魅力だ。
メイキングには各俳優のコメントも収録、作品を観る前でも後でも楽しめる。

イ・ビョンホン&パク・ジョンミンよりメッセージ映像

主演2人から、日本のファンに熱いメッセージが到着。

 

オススメしたい『それだけが、僕の世界』

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  • 無骨なボクサーを演じるイ・ビョンホン新たな魅力
  • オーケストラと共演するパク・ジョンミンの天才ピアニストっぷり
  • 母の献身を体現したをユン・ヨジョンの涙を誘う演技
  • 過去を乗り越えようとする兄ジョハのドラマ
  • 常に飽きさせないエンタテイメント作品

前半は、障がいを抱え「自立を望めない日常」というイメージの弟・ジンテだが、後半になるとピアノを弾く姿が中心に描かれ、クライマックスではその喜びを爆発させて見せる。そのパク・ジョンミンの豊かな表情が、実に感動的。
原因をはじめ、まだ謎の多いサヴァン症候群だが、本作では、まるでその秘密を覗き見たような気持ちになれる。

ボクシングだけに没頭し孤独に生きてきた兄と、ピアノとゲームに没頭し母に守られてきた弟。両極端にそれぞれの「それだけ」を生きてきた兄弟が、お互いの世界を分かち合い、自分の世界を豊かにしていく姿は、兄と弟、そして人と人が絆を結ぶことの素晴らしさを教えてくれる。

『それだけが、僕の世界』作品情報

【あらすじ】
孤独の中で自分の拳だけを頼りに生き、東洋チャンピオンにまでのぼり詰めた元プロボクサーのジョハ。しかし今では定職も住む場所もなく、その日暮らしをしていた。そんなある日、子どもの頃、家出した母と17年ぶりに食堂でバッタリ再会。家に招かれ、初めてサヴァン症候群である弟・ジンテの存在を知る。
自分を捨てた母、そして一人では生きていけず母にベッタリの弟と、ギクシャクした関係のまま、生活のため、家に住み着いたジョハだったが、ジンテの天才的なピアノの腕を目の当たりにすると、次第に心が動かされ……。

監督:チェ・ソンヒョン
出演:イ・ビョンホン(『天命の城』)、パク・ジョンミン(「アントラージュ~スターの華麗なる人生~」)、ユン・ヨジョン(『ハウスメイド』) ほか
原題:그것만이 내 세상 英題:Keys to the Heart
配給:ツイン
<2018年/韓国/120分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/G>
日本語字幕:本田恵子
2018年12月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
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