東京・ミニシアター生活

主に都内のミニシアターで上映される新作映画の紹介をしています。

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【12/27〜先行上映】『パラサイト 半地下の家族』富豪の娘の家庭教師となった青年と、その家族がたどる運命は?

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『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』『母なる証明』のポン・ジュノ監督の新作で、第72回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドール受賞作品。一瞬たりとも飽きさせない、ネタばれ厳禁の驚くべき物語が展開する。半地下で暮らす全員失業中であるキム一家の長男が、IT企業を経営する破格の富裕層である家に家庭教師として入り込んだことをきっかけに、想像を絶する悲喜劇が巻き起こるミステリードラマ。

2019年12月27日(金)より TOHO シネマズ日比谷TOHOシネマズ梅田にて先行上映スタート、
2020年1月10日(金)より全国ロードショー 

途切れぬ面白さに、加速する展開

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主人公は半地下の借家で暮らすキム一家。日当たりは悪く、窓は開けられず、雨が降れば水が流れ込む。何と言ってもトイレが水圧の都合で、住まいの最も高い位置にあるので、とても快適な暮らしではないのだと一目でわかる。それでもギスギスすることなく飄々と生きている4人家族、キム家の貧困家庭は、導入部ではコントのように喜劇的に描かれる。

長男ギウは受験に失敗を重ねているが、人柄が良く、エリート大学生となった同級生を妬むこともなく、良好な関係を築いている。そしてこの縁が新たな縁を生み、キム家の活路を開くことになる。

これから留学するという友人は、ギウに「お前なら信頼できるから代理をつとめてほしい」とアルバイトの代打を持ちかける。その仕事とは、富豪の娘の家庭教師。教える相手は、魅力的な女子高生だという。

大学生だと偽って、首尾よく家庭教師としてパク家に入り込み、娘と母親にすっかり気に入られたギウは、次に妹のギジョンを家族であることを伏せて、美術の家庭教師としてパク家に紹介する。ギジョンは、問題児だったパク家の幼い弟を手なづけることに成功。嘘を重ねた上だが、もともと才覚に長けた兄妹、割りのいい仕事をダブルで掴んだとキム一家は喜んでいたが……。

……と、ここから物語は驚くべき展開を見せるのだが、ポン・ジュノ監督は全ての人へ「その先の展開を語らないでほしい」と告げている。そのためこれ以上は明かせないが、物語と演出の面白さはどこまでも続き、意外な展開が加速していくことは確かだ。

ソン・ガンホ、チェ・ウシクら、魅力溢れるキャストたち

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どの登場人物も、説得力に満ち、個性きわだつ魅力を放っているのも、ポン・ジュノ作品ならでは。今や韓流映画の顔とも言えるソン・ガンホが、半地下に住むキム家の父、ギテク役を演じているのをはじめ、魅力あるキャストが揃っている。

ストーリーテラーでもあるキム家の長男ギウは、若手実力派のチェ・ウシクが演じる。ヨン・サンホ監督『新感染 ファイナル・エクスプレス』で野球部の少年を演じていたのが記憶に新しい。なんとなく松田龍平を思わせる端正なルックスに、飄々としたキャラクターが実に似合っている。

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リッチなパク家の奥様ヨンギョを演じるチョ・ヨジョンも印象深い。コメディエンヌの才能たっぷりの美人女優で、“シンプル”であることを信条とする、騙されやすい純真な妻という役柄がぴったりとハマる。ことの入り口にこの人がいたから、キム家の兄妹がパク家に入り込めたのだと、納得させられる。

そのほかにも濃厚で魅力ある登場人物がせめぎ合って、スクリーンを埋め尽くしていく。

韓国でも格差&貧困はリアルな問題

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韓国では、映画を離れた現実世界で、格差と貧困が大きな社会問題となっている。一度貧困に陥ったら、なかなか抜け出すことができないのが現代の韓国の社会なのだ。

そして日本も同様の問題を抱えている。働く者にはワーキングプア、シングルマザーには貧困母子家庭、苦学生には奨学金返済の負担が待っている。景気は一向に上昇しない。そんな中で、日本では是枝裕和監督の『万引き家族』が大ヒットしたばかりだ。

また、英国ではケン・ローチ監督の『家族を想う時』が注目を集めている。マイホームを夢見て働けど働けど真っ当な生活を送れない家族の物語だ。

この3作品、カラーは様々ではあるが、いずれも格差社会と貧困という現実にリンクする状況を描いて、高い評価を受けている。今、世界中で「格差」と「貧困」は描かれるべき現実と言えるのだろう。

作品ニュース

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オススメしたい『パラサイト 半地下の家族』

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  • テーマの根底に「貧困」「格差」というリアルな社会問題が
  • 飽きさせない展開と見応えあるドラマ性
  • ベテランも若手も揃った魅力的なキャスト
  • 悲壮感を超え、逞しさを感じさせる人間賛歌

貧乏家族の喜劇的な日々から、嘘の経歴で金持ち一家の家庭に入り込むというスリリングな展開を迎え、その後も一瞬たりとも飽きさせない面白さが継続する。2時間越えでも長さを感じさせない見事な出来栄えの作品だ。

『パラサイト 半地下の家族』作品情報

【あらすじ】

しがない内職で日々を繋ぎ、半地下住宅で 暮らす貧しいキム一家。計画性も仕事もないが楽天的な父(ソン・ガンホ)、甲斐性なしの夫に厳しい母チュンスク(チャン・ヘジン)、大学受験に落ち続けている兄ギウ(チェ・ウシク)、美大を目指すが予備校に通うお金もない妹ギジョン(パク・ソダム)。彼らは普通の暮らしを夢見ていた。

ある日ギウは、留学するエリート大学生の友人(パク・ソジュン)から「僕の代わりに君が家庭教師をしてくれ」と頼まれる。向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク(イ・ソンギュン)一家が暮らす高台の大豪邸。

首尾よく娘(チョン・ジソ)と母親(チョ・ヨジョン)の心を掴んだギウは、妹のギジョンを、末っ子(チョン・ヒョンジュン)の家庭教師として紹介。“半地下住宅”のキム一家と、“ 高台の豪邸”のパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく……。

 

監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』)
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン、パク・ソジュン(カメオ出演) ほか

原題:GISAENGCHUNG/英題:PARASITE
配給:ビターズ・エンド
<2018年/韓国/132分/カラー/2.35:1/PG12>

2019年12月27日(金)より TOHO シネマズ日比谷TOHOシネマズ梅田にて先行上映スタート、2020年1月10日(金)より全国ロードショー 

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www.parasite-mv.jp

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