東京・ミニシアター生活

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【4/2公開】『ゾッキ』シュールな漫画を映画化、監督は竹中直人・山田孝之・齊藤工の3人、キャストも豪華でまるで宝石箱!

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ミニシアター界でスマッシュヒットを放ったアニメ映画『音楽』の原作者、大橋裕之の初期作品である短編漫画集『ゾッキA』と『ゾッキB』を、3人の俳優、竹中直人・山田孝之・齊藤工が監督で実写化。吉岡里帆や松田龍平ら主役級俳優含め、多数の俳優陣が参加。「ゾッキ」とは何だろうか。ちなみに古本・古書市場にて極めて安い価格で売られる新品本のことを「ゾッキ本」と呼ぶそうだ。原作者・大橋が少年期を過ごした愛知県蒲郡市で撮影、「地元感」もいい味わいになっている。懐かしく、切なく、おかしみたっぷりで、いろんな人物の人生が詰まった、不思議な作品だ。

4/2(金)全国公開
(3/26(金)愛知県先行公開  ※一部劇場除3/20(土)蒲郡市先行公開)

奇妙な漫画大橋裕之『ゾッキ』を映画化

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孤高の天才と称される漫画家・大橋裕之は、唯一無二の作風で熱狂的な支持を集めている。大橋は、ミニシアターでは異例の大ヒットとなったアニメ映画『音楽』の原作者としても知られ、あらゆるカルチャーの第一人者たちから敬愛されている。

 その初期作品集の漫画『ソッキA』『ゾッキB』(カンゼン刊)に収録された複数の短編作品を練り上げて、1本の長編映画にしたのが本作だ。

哲学的で、独特なおかしさ・切なさに満ちた大橋作品の繊細な部分まで、その世界観を壊すことなく忠実に、実写映像として立ち上げられている本作。大橋の漫画ファンにも、漫画を全く知らない者にも愛される作品になっている。映画を観て初めてその世界観に触れ、大橋漫画へと導かれる映画ファンも出てくるだろう。

映画を愛する人気俳優3人が、監督に専念

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本作の監督を務めるのは、竹中直人、斎藤工、山田孝之。もちろん俳優としても引っ張りだこの俳優たちだが、この3人、今回は俳優としての出演はなく、監督業に専念している。

また、この3人が、俳優に負担がないようスケジュールを組んだり、託児所を設置するなど、制作面での配慮も考えているという。俳優の身の上をよく理解しているからこそでできた配慮なのだろうが、多忙のなかで実に細やかな対応だ。

特に、近年の斎藤工は、井浦新や渡辺真起子らと、コロナ禍に揺れるミニシアターを支援するプラットフォーム「ミニシアターパーク」を立ち上げるなど、映画界に対し、常に献身的な姿勢で臨んでいる印象だ。

もちろん、今回、竹中、斎藤、山田が「映画界のためにやむなく裏方に回った」という要素は全く感じられない。監督に徹してのびのびと演出を楽しんでおり「やりたい放題」という言葉が一瞬脳裏をかすめる。が、演出が先走って悪目立ちをするような事もない、見事なハマり具合。原作と出演者への愛情と思い入れがたっぷり感じられる。

俳優としての出演がないのは、もったいなさを感じなくもないが、作品を観れば、3人がクリエイターとして、存分に力を発揮した手応えが感じられるだろう。

演出はパート分けがかなりハッキリしていて、エンドロールで、誰がどのパートの演出をしたのかが確認できる。公式ツイッターや映画記事などを読んでいると、事前に演出パートがわかってしまうのだが、情報を一切入れずに作品を観終えて、エンドロールで答え合わせをする、という楽しみ方もおすすめだ。

絶妙なキャスト……大抜擢の「新人」にも注目

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 豪華なキャストが揃った本作。主演作が多い吉岡里帆や松田龍平はもちろん、竹原ピストルや鈴木福、國村隼ら人気のキャストが集合。豪華な顔ぶれが揃っているので、飽きる間がない。

複数の短編エピソードが、入れ替わりながらメインストリームとなって現れるので、主役が複数存在する。その誰もが登場した途端、独特な味わいや性格の複雑さを醸し出し、観客の心を瞬時に掴む。

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今回特に注目してほしいのが、森優作演じる牧田の友人役、お笑い芸人・九条ジョー(コウテイ)だ。学生服を着て、すさまじい存在感を放っているが、映画に出演するのは今回が初めてだという。

原作の強烈なキャラクター「伴くん」にうまくハマって、奇行が目立つ学生時代から、人間味を増した社会人へと変化していく様も、説得力を感じる。森優作演じる冴えない男・牧田の反応が九条の怪演に絶妙に噛み合っていて、奇妙な2人の友情が愛おしい。

また、怪演といえば、松井玲奈も意外な役どころを演じているのも記憶に残る。経験や芸歴を問わず、それぞれの俳優が、元来放ってきたものとはまた別の、思わぬ魅力が引き出されていて、驚きがたくさん詰まった作品になっている。

オススメしたい『ゾッキ』みどころ

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  • 原作は大橋裕之のシュールな短編漫画集
  • 監督は俳優の竹中直人・山田孝之・齊藤工
  • 人気俳優が様々な役柄で多数出演
  • 俳優たちの新たな魅力が発掘されている

『ゾッキ』作品情報

【あらすじ】

今日も地球は「秘密と嘘」で回っている。

冬。東京での結婚生活が破綻し、離婚して地元の実家に帰ってきたばかりのりょうこ(吉岡里帆)は、物思いにふける祖父(石坂浩二)に「生き物というものは、秘密がなくなると死ぬんじゃないか。秘密はなるべくたくさん持て」と助言され……。

藤村(松田龍平)は、古い木造アパートの部屋を出て、ママチャリで旅に出る。ある漁港にたどり着くと、そこで気の良い初老のヤスさん(國村隼)はじめ、地元の漁師たちに世話になる。その頃、藤村の隣室に住んでいる少年・伊藤(鈴木福)は、客のいないレンタルビデオ店で退屈なアルバイトに従事していたが、ある人物と遭遇して……。

高校の教室で、冴えない日々を送る牧田(森優作)は、同じく、ひとりも友だちがいない伴(九条ジョー)とはみ出し者同士の友情を育む。しかしあるとき、伴に「牧田くん。君の姉ちゃん美人らしいな」と言われて……。

ある日、青年マサル(渡辺佑太朗)は、消息不明の父のことを思い出していた。少年の日のマサル(潤浩)が、父(竹原ピストル)に遊園地に連れて行ってとせがむと、父は遊園地の代わりにと、かつて自分が通った高校にマサルを連れて行く。夜の学校探検。だが校庭の水飲み場で、2人は奇妙な出来事に遭遇し……。

楽しくて切なくて優しくて懐かしくて、不思議な、自分だけの特別な秘密。ラストに待ち受けている、寄せ集められた小さな話たちの奇跡的な出会いとは?

監督:竹中直人、山田孝之、齊藤工

出演:吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、南沙良、安藤政信、ピエール瀧、
森優作、九条ジョー(コウテイ)、木竜麻生、
倖田來未、竹原ピストル、潤浩、松井玲奈、渡辺佑太朗、石坂浩二(特別出演)、
松田龍平、國村隼 ほか

原作:大橋裕之「ゾッキA」「ゾッキB」(カンゼン刊)
脚本:倉持裕

音楽監督:Chara(主題歌:「私を離さないで」Chara feat. HIMI)

宣伝:ガイエ
配給:イオンエンターテイメント
4/2(金)全国公開

zokki.jp

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©️ 2020「ゾッキ」製作委員会

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(本ページの情報は2020年6月のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

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