東京・ミニシアター生活

主に都内のミニシアターで上映される新作映画の紹介をしています。

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【イベントレポート】「第92回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」主演賞サクラ&佑夫婦が受賞!新人賞『菊とギロチン』W受賞!

f:id:kappa7haruhi:20190211160742j:plain2019年2月10日、文京シビックホールにて「2018年第92回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」が開催されました。安藤サクラ、柄本佑の夫婦の主演賞W受賞ほか、是枝裕和監督『万引き家族』、そして瀬々敬久監督『菊とギロチン』から多数受賞など話題性たっぷりの授賞式となりました。
当サイト「東京★ミニシアター生活」でも登壇者コメントとオリジナル画像を中心にレポートします。

夫婦で主演賞を受賞!安藤サクラ&柄本佑

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主演女優賞は安藤サクラ(『万引き家族』)、主演男優賞は柄本佑(『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『ポルトの恋人たち時の記憶』)が受賞。どちらも謙虚すぎる口ごもり気味なスピーチだったものの、二人並んでのインタビューになると二人の目からは涙があふれ、柄本家や奥田家の家族の話題も飛び出した。

安藤サクラのコメント

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「緊張しちゃって、上手く話せなくなってしまった、すみません。今までこういう感覚はなかったんですが『万引き家族』で演じた信代という役は、いまだによくわからなくて。だから、監督が作り上げた役でもあるのかな、と。監督、共演者の方々、スタッフの方々に、今この場所に導いていただいたという気持ちが強いです」

柄本佑のコメント

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「キネマ旬報・新人賞をいただいて以来の受賞です。受賞の実感がないんですが、まわりから『おめでとう』という言葉をたくさんいただきました。こういう賞をいただくと共演者、家族、みんなが幸せな気分になってくれるのがうれしい。昨年亡くなった母にも報告しました。『何でもない日万歳』が口癖だった母も、今日は喜んでくれていると思います」

夫婦W受賞を受けて

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「こんなお祭りさわぎ、一生ない」と涙ぐむ安藤、さらに柄本がコメントを求められると「こういうときは男の人は黙っていていいんです」とフォローした。

助演女優賞は木野花、助演男優賞は松坂桃李

助演女優賞は「今までずっと賞とは無縁だった」と語る木野花が、『愛しのアイリーン』(吉田恵輔監督)の母親・ツル役の怪演で受賞。
助演男優賞は、終始丁寧に頭を下げる好青年感あふれる松坂桃李が『孤狼の血』(白石和彌監督)の新人刑事・日岡秀一役で受賞した。

木野花コメント

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「50年近く役者をやっているんですが、賞とは無縁。『愛しのアイリーン』ツル役は、谷底に飛び降りるような気分でお引き受けしました。新井英樹さんの原作には、とてもたどり着けず、それでも息子を溺愛する母親を私なりに生きられました。振り返ってみると『なんとか生還できた』というくらい、貴重な体験でした。本当に自分1人で取れた賞ではないと、心から思います。ベテランと言われますが、この受賞を励みに、まだまだ精進していきたいです」

松坂桃李コメント

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「キネマ旬報とは7年前に新人賞をいただき、そのとき、今でもついてくれているマネージャーが、ぼく以上にすごく喜んでいたのが嬉しくて『またここに来たい』と強く思ったんです。それからいろんな作品に出会い、いろんな現場で監督・キャストの方・スタッフさんに支えられ、いろんな言葉・思い・刺激、そういった様々なものがすごく支えてくれた7年でした。支えてくださった全ての方にありがとうと言いたいです。30代になっても、着実に、粛々と精進していきたいです」

新人賞は『菊とギロチン』主演でW受賞!

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新人女優賞は『菊とギロチン』(瀬々敬久監督)と『鈴木家の嘘』(野尻克己監督)2作品に主演している木竜麻生(きりゅうまい)が受賞。『菊とギロチン』では女力士の花菊ともよ役、『鈴木家の嘘』では長女・富美役を演じた。
新人男優賞は『菊とギロチン』で眼鏡をかけたアナーキスト・古田大次郎役を演じた寛 一 郎(かんいちろう)が受賞。

受賞にあたり、木竜は終始喜びに涙ぐみ、野尻克己監督のサプライズ登場にも感動の様子を見せた。
一方、殻の堅そうだった寛 一 郎も話しながら、徐々にオープンになり、父・佐藤浩市についても質問にも答えた。最後には『菊ギロ』メンバー(俳優・川瀬陽太、プロデューサー・坂口一直氏)が並んで、2人の受賞を祝福した。

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木竜麻生コメント

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「一生で一度しか頂けない新人賞を、この歴史ある映画賞でいただけて、本当に嬉しく思っています。経験がない中、今回は『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』で、自分の思ってもみなかった気持ちだったり、思ってもみなかった出会いだったりをいただけて『自分はこんな風に今まで思っていたんだ』『こんなものが好きだったんだ』ということに気付かせていただきました。この賞は作品に関わったみなさまといただいた賞だと思っています。これからもっと誠実に真摯に、自分とも作品とも関わる方とも向き合っていきたいです」 

寛 一 郎コメント

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「正直、ぼくはあまり賞に興味がなくて…というのも『実感していない』というのが正しいかもしれないですけれど。この賞をいただけるとわかったときに、ぼくを支えてくれる人たちがすごく喜んでくれて。自分がやったことが顕著に形になって返ってくるというのは、それをやった自分への褒美ではなく、支えてくれた人たちへの報恩なんだと解釈し、この賞の価値というのが自分の中に見出せました。新人賞というのは、ある種の期待値でしかないと思うので、これからも映画の中に邁進していけたらと思います」

新設「特別賞」は樹木希林さんが受賞

f:id:kappa7haruhi:20190211185331j:plain今回、故・樹木希林さんが受賞した特別賞は『キネマ旬報』創刊100周年を機に制定した新たな賞とのこと。映画人の業績を讃え、先達への敬意と感謝の意を表すべく制定。受賞代行には、樹木希林の娘でエッセイストの内田也哉子(ややこ)氏が登壇した。

内田也哉子さんコメント「代理で賞をいただくのは感慨深い思いがあります。母は『白黒・善悪で割り切れない、それが人生だ』と常に憂いていたところがあります。映画が人生のほころびや人の心の揺らぎ、目に見えない部分を表していくものだと考えると、映画に携わった母が、誇りに思える存在だと感じます」

 

「キネマ旬報読者賞」は立川志らく

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キネマ旬報読者賞は『立川志らくのシネマ徒然草』で立川志らくが5回目の受賞となった。「私は2年連続5回目の受賞だけど、上には上がいて、川本三郎先生はもっともらっているから、トロフィーじゃなくて旅行券をいただいているそうです。私も迷ったけれど…」とコメント。是枝監督との思い出も語った。


【個人賞】監督賞・脚本賞 瀬々監督代行で川瀬陽太が登壇

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瀬々敬久監督(監督賞・脚本賞)の代行で、俳優の川瀬陽太が登壇。瀬々監督のコメントを代読しながら、持ち前のサービス精神を発揮し、会場を大いに沸かせた。
個人賞の、監督賞・脚本賞の結果は以下のとおり。

  • 日本映画監督賞 瀬々敬久監督『菊とギロチン』『友罪』
  • 日本映画脚本賞 相澤虎之助氏、瀬々敬久氏『菊とギロチン』
  • 外国映画監督賞 マーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』
  • 読者選出日本映画監督賞 是枝裕和監督(『万引き家族』)
  • 読者選出外国映画監督賞 マーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』


脚本家・相澤虎之助の代行は『菊とギロチン』プロデューサーの坂口一直氏が登壇。マーティン・マクドナー氏の代行はアソシエイトディレクターの平山義成氏。是枝裕和監督の代行は、製作の依田巽氏。

【作品賞】日本映画・外国映画・文化映画 ベスト・テン第1位

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各作品賞の結果は以下のとおり。文化映画ベストテン第1位の『沖縄スパイ戦史』三上智恵監督、大矢英代監督が登壇。硬派な作品の監督ながらコンビで華やかに。是枝裕和監督の代行は製作の桑田靖氏が登壇。

  • 日本映画ベストテン第1位 是枝裕和監督『万引き家族』
  • 外国映画ベストテン第1位 マーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』
  • 文化映画ベストテン第1位 三上智恵監督、大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』

三上智恵監督コメント「沖縄戦では20万人あまりの人が亡くなりました。この死を無駄にしないたった1つの方法は、戦争をしないこと。つらい戦争体験を聞かせてくださったおじい、おばあたちの力で押し出されて、私はここに立っています」

大矢英代監督コメント「映画のために語ってくれた全ての体験者の方に受賞を報告したい。彼らが生き抜いたからこそ、今命を受けて生きている沖縄のみなさんと、この喜びを共に分かち合いたい。この作品が一条の光となって、沖縄と私たちの未来を照らしてくれることを願っています。今回の受賞を今後の責任に変え、頑張っていきます」


ビデオ屋さん大賞2018・大賞『カメラを止めるな』

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この日はビデオ屋さん大賞2018の受賞も行われた。大賞は『カメラを止めるな』。同作品は、読者選出ベスト・テンの第2位にも選ばれている。監督の日暮隆之役を演じた濱津(はまつ)隆之が登壇し、プレゼンターのキネマ旬報編集長三浦氏とゾンビポーズをきめた。

濱津隆之コメント「(好評による上映が続き)上映しながらDVDレンタルが始まって『すごい状況になった』と驚いています。たくさんのレンタルビデオ屋さんに、コーナーを作っていただき、ポップや似顔絵で盛り上げていただいたり、ツイッターで盛り上げていただいたり。応援を強く実感し、胸を熱くしています」

キネマ旬報・最新号に受賞者インタビュー掲載!

キネマ旬報 2019年2月下旬ベスト・テン発表特別号

受賞者インタビュー記事は『キネマ旬報 2019年2月下旬ベスト・テン発表特別号』に掲載。充実した内容なので、ぜひ手にとってみてください。
表紙は安藤サクラと柄本佑。着物は先日亡くなった義母の女優・角替和枝さんから譲り受けたものだそうです。

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(本ページの情報は2019年2月のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

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