東京・ミニシアター生活

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【11/3公開】『アンテベラム』時を超え新たな衝撃を呼び起こす、パラドックス・社会派スリラー

f:id:kappa7haruhi:20211103021247j:plain奴隷としてアメリカ南部の農園に囚われ、残酷な毎日をなんとか生きているエデン。一方で、素晴らしい家族と暮らすセレブ作家だったのに、突然全てを奪われ奈落の底へ突き落とされてしまうヴェロニカ。黒人女性である彼女たちは、なぜこんなにも理不尽な目にあうのだろうか? 謎に満ちたストーリーの先に、衝撃の展開が待つ。『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサーが放つ、パラドックス・スリラー。

2021年11月5日(金)より全国ロードショー ※TOHOシネマズ シャンテは11月7日(日)より

2人のヒロイン、エデンとヴェロニカ

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はじめに登場するのは、奴隷として南部の農園に囚われている黒人女性エデン、彼女たちの奴隷農園での苦難の日々が描かれる。白人による恐ろしい虐待の数々、厳しい肉体労働。「耐えてチャンスを待つしかない」と同じ境遇の仲間に言い含めるエデンだが、果たして彼女はどうやってこの農園から脱出しようと考えているのだろうか? 

そして突然、現代のセレブな黒人夫婦の家に場面は移る。愛情深い夫、そしてかわいい子どもにも恵まれた、ベストセラー作家ヴェロニカの家だ。

あまりに境遇が違う2人の黒人女性のヒロインが並ぶと「これが時代が変わったということなのか」と呆然としてしまう。

ヴェロニカの身の回りで次々起こる、奇妙で不吉な出来事

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本を出版したばかりのヴェロニカは、ある日悪意に満ちた不審なオンライン取材を受ける。リベラル派のベロニカに対してレイシストのような匂わせをしたり、一瞬カメラをよぎったヴェロニカの娘に執着したりと、とにかく不気味な印象の女性だった。

その日、講演会のためにヴェロニカは単身、ニューオリンズに向かう。旅先でもヨガで心身を整え、仕事を成功させ、友人と会って楽しむヴェロニカ。ところが、彼女を突然奈落の底へ突き落とす、恐ろしい出来事に襲われることに……。

人種差別は終わっていない

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劇中で語られるアメリカの文豪の言葉「過去は決して死なない、過ぎ去りしさえしない」。過去起きた悲劇は、決して死なずに脈々と受け継がれていく。人種差別問題も同様だ。

言うまでもないことだが、いまだ世界の至る場所で、人種差別問題は続いている。ブラック・ライヴズ・マターが叫ばれる抗議運動は幾度も繰り返され、命の危険を感じながら生きている有色人種は多い(白人であっても差別される場合もあるだろう)。

人種差別問題の終息は遥か彼方。ゆえに『ゲット・アウト』『アス』のような作品が生まれてくるわけだ。本作もまた同じテーマを孕み、また観ている者を驚愕させる仕掛けが用意されている。

このネタバレ厳禁の仕掛けを知った後、再度観ることもおすすめしたい。本作には細かな暗喩や伏線が、たっぷり散りばめられているからだ。2回目でしかわからない、感慨深い言葉や暗喩を味わう楽しみがあるのだ。そういった意味では、2回目の方が圧倒的に深く楽しめる。

作品ニュース

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オススメしたい『アンテベラム』

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  • 新たな衝撃のパラドックス・スリラー
  • 観終えた後もう一度観たくなる、張り巡らされた伏線や暗喩
  • 虐げられた人々へ勇気を与える美しいシーンも

『アンテベラム』作品情報

奴隷制度を信奉する南軍の旗が掲げられたアメリカ南部の「改革者の農園」。囚われの身となった黒人女性エデンは農園での労働を強いられ、言葉も自由に発することができず、白人の所有物のように扱われ、何かにつけ暴力を振るわれる、屈辱と恐怖の日々を耐え忍んで生きていた。

一方、幸せな家庭も名声も手に入れた黒人女性、リベラル派作家のヴェロニカは、ある日不審なオンライン取材を受ける。これをきっかけに、身の回りに奇妙なことが起こり始めるのだった。そんな中、講演会のために単身ニューオリンズに向かうが、そこにはヴェロニカを奈落へと突き落とす恐ろしい罠が用意されていた……。

脚本・監督:ジェラルド・ブッシュ&クリストファー・レンツ

出演:ジャネール・モネイ、エリック・ラング、ジェナ・マローン、ジャック・ヒューストン、カーシー・クレモンズ、ガボレイ・シディベ ほか

提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ

<2020年/アメリカ/英語/106分/カラー/スコープ/5.1ch>
2021年11月5日(金)より全国ロードショー ※TOHOシネマズ シャンテは11月7日(日)より

antebellum-movie.jp

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