東京・ミニシアター生活

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【12/17公開】『EROSION』音楽と身体で対話する部族が、原生林で繰り広げる寓話…ほぼモノクロで映し撮った映像美

ジャンルを超えて集った、国内外で活躍する俳優・アーティストによる異⾊プロジェクト。セリフを一切排した寓話的なストーリーの詩情豊かな作品で、モノクロに近い淡い彩色のスタイリッシュな映像美が印象的だ。

主演は⼿塚眞のアート作品などに出演してきた椿かおりと、山田洋次監督『東京家族』などに出演の荒川ちか。ほかキャストに、⼤沢真⼀郎(『カメラを⽌めるな!』)、古⼭憲太郎(劇団モダンスイマーズ)、タップダンサーのLily ら。監督のTOOWA2 (トウワツー)は、サイレント短編映画 『ENSEMBLE』で各国の映画祭から高い評価を受けた映像作家で、本作が初の長編作品となる。

2022年12⽉17⽇(⼟)〜23⽇(⾦)渋谷ユーロスペースにてレイトショー(21:00〜) 7⽇間限定公開

言葉を発しない寓話的世界に生きる2人のヒロイン

原生林に住む「言葉を発しない」部族の物語。彼らが意思伝達する際には、1人に対し1人、楽器を操る精霊のような人物が現れる。その精霊の奏でる音楽をもって、彼らは互いに交流や話し合いを行っている。弦楽器、鍵盤楽器、打楽器とさまざまな楽器と奏者が登場する。

こうした方法での「意思伝達が上手くない」という理由で、部族の中で冷遇されている2人の女性が本作のヒロインだ。そのうちの1人、新たな能力を得ようと強い意志を示す女性「MIYABI」を椿かおりが、もう1人の柔和な印象のヒロイン「MIKA」を荒川ちかが演じる。格差の中、1人は改革を図り、1人は慣習に馴染もうとする、対極的な2人のヒロイン。椿かおりと荒川ちかが、それぞれ全く異なる魅力を放つ。

非日常感溢れる、ほぼモノクロの映像美

意思伝達の慣習により優劣をつけられてしまう原生林の中の社会。セリフを排し、音楽や環境音、身体表現のみで進められていく状況に、舞台となる原生林の緑の深さ、流れる川、それらを映すほぼモノクロのスタイルが相まって、非日常をたっぷり味わうことができる。この映像美や世界観を存分に味わうためには、ぜひ劇場で観るべき作品と言えるだろう。

登場する人物はあらゆる感情を、身振り手振りと表情、そして息遣いで表す。本作はセリフはなくとも、あらすじ・プロットは明確であるため、観客へストーリーを伝え、作品の世界に引き込むべく、俳優たちは迷いのない力強い表現を求められている。

なお、タイトル『EROSION』は“侵食”を意味する。この原生林で侵食されるものとは、何なのだろうか。

作品ニュース

舞台挨拶、トークイベント多数

ユーロライブ7日間の上映期間中に、舞台挨拶やトークイベントなどが企画されている。最終日には手塚眞監督が登壇予定。詳しくは『EROSION』公式アカウントのツイートを参照。

オススメしたい『EROSION』

  • 大自然と人物をスタイリッシュに映し撮った映像美
  • セリフを排したユニークで実験的な演出
  • 道を分かつ2人のヒロイン、分断される人々を描く
  • ジャンルを超えた多種多様なアーティストが集結

『EROSION』作品情報

 【あらすじ】
 名前も時代も解らない人里離れた森の中、特殊な能力を持つ部族が暮らしていた。彼らは意思疎通に言葉ではなく楽器の音色を使って感情を伝え合う。MIYABI、MIKAは音色を上手に扱うことが出来ず部族の中で冷遇されていた。

ある日、旅慣れた男KAROUJAが森にやってくる。彼は新しい意思疎通の為の能力を身につけていた。正確に意思を伝える便利な方法だったが、それは部族に受け入れられなかった。MIYABIはその方法を覚えたいと男に懇願し、彼と一緒に旅立つ。やがて能⼒を⾝につけて森に戻ってきた MIYABIが、それを部族に広めようとするが……。 

www.youtube.com

監督・脚本・編集:TOOWA2

出演:椿かおり、荒川ちか、Lily、AKIE、犬塚俊輔、岡部量平、美木マサオ、JUNKO、
平岡亜紀、佐藤洋祐、NATA、古山憲太郎、大沢真一郎

配給・製作:合同会社AUDIOVISUAL PICTURES

<2022年/日本/80分>

2022年12⽉17⽇(⼟)〜23⽇(⾦)渋谷ユーロスペースにてレイトショー(21:00〜)
7⽇間限定公開

t2filmproject.tokyo

©️ 2022 AUDIOVISUAL PICTURES LLC

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(本ページの情報は2020年6月のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)

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