観た事もないめくるめく映像美の中で、感情をなくした4人の少年少女が、音楽に彩られた冒険の旅をくり広げる。1980年代に流行した8bitゲームの世界感を盛り込み、凝りに凝った映像と音楽が溢れかえる、新感覚の映画だ。監督は、2017年サンダンス映画祭・ショートフィルム部門で日本映画初のグランプリを獲得した長久充。本作も、2019年サンダンス映画祭・コンペティション部門にて審査員特別賞受賞、そして第69回ベルリン国際映画祭にて準グランプリを受賞した。
2019年6月14日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿、渋谷シネクイント、池袋シネマ・ロサ ほか全国順次公開
圧倒的で美しい、観たことのない映像と音楽の連鎖
とにかく「観た事のない映像」という言葉しか当てはまらない。圧倒的に美しい映像が途切れる事なく続く作品だ。
本作を撮った長久充監督は「どのカットを切り出してもキーカットになるような画しか撮らない」と決めていたという。美しく独特な映像には、念入りな下準備があった。長久監督は、全シーンの絵コンテを描き、スタッフが演じたビデオコンテを全篇分作ったうえで、計算し尽くしてカメラアングルを決めた。
そして美術、衣装、8bitデザイン、あらゆる方面から、監督が信頼するクリエイターが集結。虚構と現実、ファッションとアートが重なりあう、レイヤー的な世界観を、想像を越えるスケールで映像化。観ごたえというレベルを越え、まるで脳内でおもちゃ箱がひっくりかえり、情報が止まらずあふれ続けるようだ。
音楽へのこだわりも凄まじい。120分の作品の中に90曲もの楽曲が登場。次から次へと流れ出す音楽に映像を当て込んだような、テンポの良さが心地いい。
主人公4人が組んだバンド「LITTLE ZOMBIES」の音楽は、LOVE SPREADが担当。さらに劇中に登場する浮浪者楽団には、アコースティックオーケストラのパスカルズを中心としたミュージシャンが演じながら演奏する。さらにオペラ、フォークなど、既成曲をアレンジした楽曲も多数登場。そしてもちろん8bitサウンドと、多種多様な楽曲が全篇に散りばめられている。
フレッシュな13歳4人組に、豪華な大人たちをキャスティング
この作品作りに集まったのは、作品を裏から支えるクリエイターだけではない。前出のミュージシャンたちの出演以外にも、実力派俳優陣&多種多様なキャストがずらりと顔を揃えている。
佐々木蔵之介、西田尚美、村上淳、佐野史郎ら中堅実力派俳優、そして海外でも才能を求められ世界に羽ばたく、工藤夕貴、永瀬正敏、初音映莉子、菊池凛子。近年の日本映画に欠かせない存在の、池松壮亮、山田真歩、渋川清彦らも登場する。
俳優以外のキャストも次々現れる。長久監督の世界感に惹かれ、不思議な映像の中の住人となった、めくるめく著名人の登場も、楽しみに観ることができる。
主演の少年たちは『そして父になる』の二宮慶多、多くの作品に出演してきた子役・水野哲志、そして親子でミュージシャン一家として活動し似顔絵画家でもある奥村門土。紅一点の少女イクコには、モデルとして活躍している中島セナがキャスティングされ、クールな眼差しと抑揚のないセリフまわしで、確かな存在感を放っている。
これは子どもたちが、現在や未来に絶望しないための物語
事故や事件で両親を一度に失った、似通った境遇の13歳の少年少女4人が、火葬場で出逢う。なんだか絶望的な始まりのストーリーだ。しかも彼らは涙すら出ずに「まるで感情を失ったゾンビだ」と、自分たちをも冷めた目で見て語る。
未来も見えない、夢もない、気力もない…全くもって何もない子どもたち。しかし、彼らは自ら行動し、音楽を作るようになる。その先には、現実と虚構が混じりあったような摩訶不思議な光景が広がっていく。
彼らは自らを変えようと躍起になるわけでもなく、淡々しゃべり行動しながら世間と関わり、それぞれ何かを掴みながら冒険の旅を進める。4人は私たちの目を通し、既成概念をぶち壊し、自由へと解き放たれていく。絶望から始まるようなストーリーだが、その実「子どものための、希望の物語」という空気感は、最初から最後まで貫かれている。
作品ニュース
期待感高まる特報映像を多数公開中
本作公式の、特報映像が次々とアップされている。作品の一端が垣間見えるので、映画館に出かけるか迷っている方には、参考になるかもしれない。
【公式MV】WE ARE LITTLE ZOMBIES (テーマ曲)
映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』オープニングクレジット映像
“CHAIが語り尽くすLITTLE ZOMBIESの魅力とは?”
“菊地成孔が語り尽くすLITTLE ZOMBIESの魅力とは?”
▼【公式MV】WE ARE LITTLE ZOMBIES(エンディング曲)
舞台挨拶チケット販売中
公開記念舞台挨拶が公開2日目に行われる。現在購入可能のチケットは、TOHOシネマズ シャンテの上映スケジュールより、6月15日土曜日10:15〜の回をクリック。
本日は長久監督とヒカリを演じた二宮慶多くんの取材日でした👾💊📸
— ウィーアーリトルゾンビーズ (@littlezombies_m) June 6, 2019
ゾンビポーズでバッチリな2人は6/15に行われる公開記念舞台挨拶にも登壇致します🍭
残りわずかなチケットはこちらから▶︎https://t.co/BLjC21SSfB pic.twitter.com/pVAxoCRwA0
コラボ商品で楽しもう
キャップ、そしてロールアイスのコラボ作品が登場している。作品の世界感を映し出しているカラフルなロールアイスは、ロールアイス専門「ROLL ICE CREAM FACTORY(ロールアイスクリームファクトリー)」原宿店で限定発売中。
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オススメしたい『ウィーアーリトルゾンビーズ』
- 各界のクリエイター結集により実現した独創的な映像
- 90タイトルの音楽が繋ぐテンポある展開
- さまざまな作品にささげられたオマージュ
- メインキャスト以外にも出演者多数
さまざまなクリエイター陣と丁寧に作りあげた本作には、あらゆる可能性を追求した結果がぎっしりとつまっている。とにかく贅沢な作品だ。1980年代のゲーム機だけでなく、身近な小道具まで使いこなすアナログ感覚も、最先端の高度な映像技術にiPhoneでの撮影を織り交ぜるアイディアも、バラエティに富んだ創造が丸ごと楽しめる。
また、音楽や公告業界を経て映画を撮るようになった幅広い見識を持つ長久監督は、過去の映画や音楽にさまざまなアレンジを加えて、オマージュを捧げている。そんなパートに気づくのも楽しいだろう。
『ウィーアーリトルゾンビーズ』作品情報
【あらすじ】
出会いは偶然だった。ある晴れた日に火葬場で出会った、ヒカリ、イシ、タケムラ、イクコ。 みんな、両親を亡くしたばかりだった。 ヒカリの両親はバス事故で事故死、イシの親はガス爆発で焼死、タケムラの親は借金苦で自殺、イクコの親は変質者に殺された。なのにこれっぽっちも泣けなかった。まるで感情がないゾンビみたいに。
「つーか私たちゾンビだし、何やったっていいんだよね」 夢も未来も歩く気力もなくなった小さなゾンビたちは、ゴミ捨て場の片隅に集まって“LITTLE ZOMBIES”というバンドを結成。 やがて社会現象になったバンドは、予想もしない運命に翻弄されていく…。
監督・脚本:長久允
出演:二宮慶多、中島セナ、水野哲志、奥村門土、佐々木蔵之介、工藤夕貴、池松壮亮、初音映莉子、村上淳、西田尚美、佐野史郎、菊地凛子、永瀬正敏、康本雅子、夏木ゆたか、利重剛、五月女ケイ子、山中崇、佐藤緋美、黒田大輔、忍成修吾、長塚圭史、池谷のぶえ、成井昭人、赤堀雅秋、清塚信也、山田真歩、松浦祐也、渋川清彦、かっぴー、いとうせいこう、CHAI、菊地成孔、森田哲也、吉木りさ(声)、柳憂怜、三浦誠己 ほか
撮影:武田浩明 照明:前島祐樹 サウンドデザイン:沖田純之介
美術:栗林由紀子 装飾:渡辺誉慶 衣裳:下山さつき ヘアメイク:光野ひとみ
助監督:平井淳史 キャスティング:田端利江 スクリプター:大西暁子
演出補:長田亮 制作担当:宮森隆介 編集:稲本真帆 カラリスト:根本恒
アートディレクション/ロゴデザイン:間野麗 VFXスーパーバイザー: 二瀬具洋
音楽プロデューサー : 山田勝也
リトルゾンビーズ音楽 : LOVE SPREAD リトルゾンビーズ衣裳 : writtenafterwards
リトルゾンビーズメイク : 加茂克也 アートワーク : magma
8bit/オープニング : たかくらかずき
製作幹事 : 電通 配給 : 日活 制作プロダクション : ROBOT
特別協賛 : フェイスマスクルルルン、 グライド・エンタープライズ
英題:WE ARE LITTLE ZOMBIES
<2019年/日本/120分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/DCP>
2019年6月14日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿、渋谷シネクイント、池袋シネマ・ロサ ほか全国順次公開
©2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS
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(本ページの情報は2019年6月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)