パンデミックパニックに、時代劇アクションをかけ合わせた超大作。咬まれれば「夜鬼(やき)」と呼ばれる異形に変貌してしまう…そんな疫病が蔓延する朝鮮王朝時が舞台。夜鬼の脅威を背景に、王宮での権力争いを描きつつ「真の国の長」の姿を問う。韓国2大スター俳優、ヒョンビンとチャン・ドンゴンの華やかな競演も観どころ。
2019年9月20日(金)シネマート新宿 ほか全国ロードショー
生者でも死者でもない“夜鬼”の、期待を裏切らない迫力
“夜鬼”は、いわゆるゾンビに似てはいるが、異なる点がある。死者と生者の間にある存在で「咬まれると感染」「正気をなくし、生者に襲いかかる」「頭をかち割ると動かなくなる」などの点では、ゾンビ(「ゾンビって言っちゃいけないあのルールか」)と思いがちだが、夜鬼はその名の通り、夜に動き回り、陽の光が苦手というバンパイア的要素も。
だから人間は、日中しばし休憩できるが、陽が暮れ始めると異形の夜鬼が集団で襲いかかってくる緊張感にじわじわと迫られる。一日の流れの中で、これはなかなかメリハリある恐怖なのだ。
夜鬼の特殊メイクも、職人こだわりが感じられて素晴らしい。第一段階で顔に小さな予兆が、やがて皮膚の変化が顔全体に及び、徐々に歯にも変化、そして白目に……と、繊細に変化していく。CGを駆使した異様な体の動きも、登場する個体数も、2017年公開で話題となった『新感染 ファイナル・エクスプレス』(ヨン・サンホ監督)に引けを取らない。
映画職人たちの技術が、ギュッと凝縮した映像が楽しめて、改めて「感染モノって映画製作者たちの情熱の結晶なのだな」と思わせてくれる。
時代物アクションの迫力! キャストの凛々しい表情と身のこなし
重そうで大仰な衣装に、剣や弓を駆使する殺陣。どの国の作品であっても時代劇アクションというのは、力強い魅力がある。最近の時代劇アクションは非常にレベルが高くなっているが、本作もまた然り。アクション好きの方には、是非オススメしたい作品だ。
人気俳優ヒョンビンの演じる主人公、イ・チョン王子は、腕に覚えありという剣の使い手。夜鬼や敵に追い詰められながら抗うさまや、襲い来る大量の夜鬼をバッサバッサとさばく姿は、迫力いっぱい。
また、万能エンターテイナーとして名高い女優、イ・ソンビンが、戦う市井の臣では紅一点のトッキを演じており、その弓を引く凛々しい表情と、無駄のない身のこなしが素晴らしくかっこいい。
ワイヤーアクションもあるが、キャストの生身でみせる殺陣の技もしっかり味わえる。
放蕩王子の成長に、ワルの魅力たっぷりの側近
夜鬼から逃れようとする生者の奮闘の中で、王宮での権力をめぐる人間ドラマ、そして国を率いる者のあるべき姿を問うテーマも、本作の観どころ。
主人公は若くして朝鮮王朝を離れ、清で自由に暮らしていた放蕩息子のイ・チョン王子。作品はこのチャラく振る舞う王子の成長物語にもなっている。
死んだ兄の遺言書を手に、清から朝鮮の地に戻った王子は、夜鬼と権力に苦しめられている民衆や臣に、無理やり“期待の星”に祭り上げられ、王宮まで里帰りする。
そして王宮では、権力に取り憑かれた国王である父(キム・ウィソン)や野心的で冷徹な側近キム・ジャジュン(チャン・ドンゴン)に対しながら、王子は秘めたる思いを放ちつつ、(もちろん夜鬼とも戦いながら)少しずつ変わっていく。
また一方では、権力を掴み取ろうと黒い欲望を膨らませていく、国王の側近たちの姿も濃く描かれる。韓国のスター俳優、チャン・ドンゴン演じる側近キム・ジャジュンは、恐ろしい夜鬼すらも武器にしようとする“悪の中の悪”という魅力を発揮。
ちなみに、清から王子に仕えている忠臣ハクス(チョン・マンシク)が、道化的な役割を一手に担う。もろもろクドくはあるが、心を掴まれる見せ場も出てくるので、じんわり見守ろう。
作品ニュース
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『#王宮の夜鬼』
— 映画『王宮の夜鬼』9月20日公開! (@ohkyunoyaki2019) July 2, 2019
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原題の解説ツイート
本作の原題『창궐』について、ツイッター公式アカウントで解説されている。
#漢字好きにしか読めない
— 映画『王宮の夜鬼』9月20日公開! (@ohkyunoyaki2019) July 9, 2019
『#王宮の夜鬼』の原題は【猖獗】で【ショウケツ】と読みます🖊️
ハングルは【창궐(チャングォル)】💡
デジタル大辞泉によるとその意味は「悪い物事がはびこり、勢いを増すこと。」との事ですが、謎の病に侵された夜鬼がはびこる朝鮮時代の王宮が舞台の本作を表しています😱 pic.twitter.com/SrnfRjcmoc
オススメしたい『王宮の夜鬼』
- 特殊メイク、CG、俳優のコラボによる、異形の“夜鬼”の迫力
- 王子の成長を通し、真のリーダーシップを問う
- チャン・ドンゴン演じる極悪キャラの魅力
- 精鋭キャストによる本格的な時代劇アクション
パンデミックパニック+時代劇。広く深く、さまざまな要素を抱いた、観応え満点の超大作。
『王宮の夜鬼』作品情報
【あらすじ】
朝鮮王朝時代。王座に固執する狂気の国王イ・ジョへの抗議を示すため、その長男が自死してしまう。
兄の遺言を受け、清で青少年期を過ごした国王の次男イ・チョン(ヒョンビン)王子が、忠臣ハスクを連れ、朝鮮に帰還する。そこには、謎の疫病にかかった異形の“夜鬼”が大量に待ち構えていた。夜鬼と戦う朝鮮随一の武官・パク従事官らに救われた王子は、成り行きで彼らと行動を共にすることに。
一方、国を掌握しようと企む国王の側近キム・ジャジュン(チャン・ドンゴン)は、国家転覆を謀り、夜鬼を利用して最終手段に打って出ようとし……。
監督:キム・ソンフン
出演:ヒョンビン、チャン・ドンゴン、チョ・ウジン、チョン・マンシク
イ・ソンビン、キム・ウィソン ほか
脚本:ファン・ジョユン 製作総指揮:キム・ウテク 撮影:イ・ソンジェ
音楽:パク・イニョン 編集:キム・サンボム
原題:창궐/英題:RAMPANT
配給:クロックワークス
<2018年/韓国/121分/カラー/シネスコ/5.1ch>
字幕翻訳:小寺由香
2019年9月20日(金)シネマート新宿 ほか全国ロードショー
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(本ページの情報は2019年●月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)