世界中で愛されている「ムーミン」の生みの親として知られるフィンランドの画家で作家のトーベ・ヤンソン。その作風には、ほのぼのした印象を持っている人も多いが、彼女自身はとても奔放で情熱的な人物だったのだ。成功を掴めず孤独に闘い、相手が男性であろうと女性であろうと情熱的な恋に身を焦がし、酒を飲みタバコを吸いながらダンスに興じるトーベの姿に、きっと多くの人がびっくりするだろう。
人生の酸いも甘いも味わい尽くすような、波乱に満ちたトーベの生き様に肉薄する、驚くべき真実のストーリー。
2021年10月1日(金) 新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか 全国ロードショー
戦争、厳格な父、開けない道、不倫の恋…重圧とモヤモヤてんこ盛り
時代は第二次世界大戦下。戦火や爆撃の恐怖に耐え、生きる勇気を失わず自身を癒すために「ムーミントロール」のキャラクターと物語が、トーベの手元で誕生する。
やがて戦争が終わるも、画家として成功を掴めずにいるトーベは、プレッシャーとなっていた著名な彫刻家で厳格な父の元を離れて絵画制作に取り組むため、爆撃でボロボロだった部屋をアトリエとして借りて、自分の生活を始める。ようやく自由になったトーベだったが、家賃を払うのにも苦労していて、まだまだ安定した生活や希望に満ちた未来は片鱗も見えない……ムーミンやちょっとした挿絵の仕事も、まだトーベにとって大きな意味は持っていなかった。
やがて芸術家たちが集うパーティで出会った新聞記者のアトスと、穏やかな恋に落ちるトーベ。しかしアトスは既婚者……結婚への憧れもなかったトーベは、アトスとの恋に落ち込むことはないが、2人の仲を公認する妻から、無遠慮に電話がかかってくるのには辟易している。
観ていて気持ちいいほど「ムーミン」のファンシーな世界とはかけ離れているが、この不倫相手のアトスが、あのクールな「スナフキン」のモデルだと言われているそうだ。
失意のどん底ではないけれど、モヤモヤに次ぐモヤモヤな日々を生きている。そんな霧を晴らすかのように、ときおりトーベはレコードをかけ、激しく踊り狂う。そして時代ゆえか、トーベはいつでもどこでもモクモクとタバコをくゆらしている、シケモク吸いのヘビースモーカーだ。
新たな恋の相手が出現
やがてトーベは、美術展で出会ったブルジョワの舞台演出家である女性、ヴィヴィカにプライベートな挿絵の仕事を依頼される。そしてヴィヴィカの家族が開催したパーティに出席すると、突然ヴィヴィカにキスを迫られる。すんでのところ邪魔が入るのだが、屋敷に宿泊し一晩中、衝撃とモヤモヤを抱えたことで、トーベの情熱に火がついてしまって……。
同性愛はタブーだった時代に2人はお互いにしか通じない言葉や暗号で愛を伝え合うこともあった。「ムーミン」に登場する2人だけで通じ合う奇妙な言語を使う「トフスランとビフスラン」も、つまりはトーベ自身とヴィヴィカを投影しているらしい。
さて、ヴィヴィカだが今回も既婚者。道ならぬ恋に邁進するトーベだったが、なんとヴィヴィカは超博愛主義者、つまりは浮気者だったからもう大変。トーベの心は千々に乱れることになる。果たしてトーベは幸せになれるのか……。
ヴィヴィカとの出会いで訪れた人生の転機、ムーミンの大出世
波乱を呼ぶ女性・ヴィヴィカだが、トーベにとってただのトラブルのタネだったわけではない。ある意味トーベにはコンプレックスですらあった「ムーミン」という存在に、その確かな審美眼で心底惚れ込んだ。そして、ムーミン谷の世界をステージに上げ、子供たちの人気をさらったのだ(ここでユニークな劇中劇のシーンも楽しめる)。
結果、彼女はムーミンを世間に広めるきっかけとなり、トーベ個人の人生に転機を与えたことになる。ヴィヴィカの手癖の悪さに観客としてもいらだつわけだが、ヴィヴィカのトーベへの愛は、実はとても深い。2人の恋のクライマックスはグッとくる名シーンになっている。
作品ニュース
『TOVE/トーベ』を観て応募しよう! プレゼントキャンペーン
ポスターやプレスシート、さらに豪華な賞品が当たるキャンペーン実施中。映画を観たら、応募してみては? 11/7締め切りです。
推薦コメント投稿で
— 映画『TOVE/トーベ』10.1公開 (@tovemoviejp) 2021年9月30日
🎁プレゼント✨
﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏#TOVEおすすめ をつけて
本作の推薦コメント投稿で
当たる!
▼方法
①フォロー&本ツイートをRT
②指定の画像を添付
③#TOVEおすすめ をつけて
推薦or期待コメントを投稿!
〆切11/7
賞品は👇 pic.twitter.com/GU3lGet8va
豪華パンフレットをご紹介
ビジュアルたっぷり、カラフルでかわいいパンフレット。内容も充実していて、資料としても優秀そうです。
『TOVE/トーベ』
— 映画『TOVE/トーベ』10.1公開 (@tovemoviejp) 2021年9月29日
パンフレット完成
﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏📘
森下圭子さん、川﨑亜利沙さん、冨原眞弓さんによるコラムのほか、トーベ年表や人物紹介、キーワード集など読み応えたっぷりな1冊です。
40P|A5サイズ|990円(税込) pic.twitter.com/aq3oIF77M3
オススメしたい『TOVE/トーベ』
- 奔放なトーベ・ヤンソンの驚きの人生
- ムーミンキャラのモデルとなった人物たちが登場
- 人間関係をリアルに演じる名演キャスト
- ムーミンの舞台劇シーンも登場
『TOVE/トーベ』作品情報
【あらすじ】
第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、爆撃で廃墟と化したアトリエを借り、絵画制作に打ち込んでいく。だが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされることはない。それでも、若き芸術家たちとの目まぐるしいパーティーや恋愛、様々な経験を経て、自由を渇望するトーベの強い思いはムーミンの物語とともに大きく膨らんでゆく。ある日、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会う。それはムーミンの物語、そしてトーベ自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間だった……。
監督:ザイダ・バリルート
出演:アルマ・ポウスティ(トーベ・ヤンソン)、クリスタ・コソネン(ヴィヴィカ・バンドラー)、シャンティ・ロニー(アトス・ヴィルタネン)、ヨアンナ・ハールッティ(トゥーリッキ・ピエティラ)、ロバート・エンケル(ヴィクトル・ヤンソン) ほか
原題:TOVE
配給:クロックワークス
<2020年/フィンランド・スウェーデン/カラー/ビスタ/5.1ch/103分/スウェーデン語ほか/レイティング:G>
日本語字幕:伊原奈津子/字幕監修:森下圭子
2021年10月1日(金) 新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか 全国ロードショー
© 2020 Helsinki-filmi, all rights reserved
〔AD〕
(最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。)